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2019/04/09

【米ビルボード・ソング・チャート】話題のラッパー=リル・ナズ・X首位、ビリー・アイリッシュ初TOP10入り

 リル・ナズ・Xが、「オールド・タウン・ロード」で自身初のNo.1獲得を果たした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 リル・ナズ・Xは、米アトランタ出身の新人ラッパー。「オールド・タウン・ロード」は彼のデビュー曲であり、初の全米首位獲得曲となる。奇遇にも、4月9日は20歳の誕生日であり、公式インスタグラムには多くの祝福メッセージが寄せられた。

 週間視聴回数は4,660万回で、<Streaming Gainer>を獲得しストリーミング・チャートでも1位に輝いている。デジタル・ソング・セールス・チャートでは、22,000ダウンロードを記録し、前週の11位から3位に、ラジオ・エアプレイも、先週から190%増加の1,190万回を記録している。ブレイクしたのは、ショート動画アプリ<Tik Tok>でこの曲を使った投稿が続出したため。

 前週15位から1位へ、一気にジャンプアップした「オールド・タウン・ロード」。2019年度の上昇記録としては、3月9日付チャートで【第91回アカデミー賞】の反響を受け21位からトップへ浮上した、レディー・ガガ&ブラッドリー・クーパーの「シャロウ 」(今週11位)に次ぐ2番目の記録。ブラッドリー・クーパーは、デュエット曲として自身初の全米1位を獲得したが、ソロ・アーティストとしてはリル・ナズ・Xが、2019年初の快挙となる。

 フィーチャリングなしのソロ作のデビュー曲がNo.1を獲得するのは、2017年10月7日付チャートでトップに立った、カーディ・Bの「ボダック・イエロー」以来、約1年半ぶり。男性アーティストとしては、2016年5月に通算2週のNo.1をマークした、米NY出身のラッパー=デザイナーの「パンダ」以来3年ぶりとなる。

 リル・ナズ・Xは、この曲でコロムビア・レコードと契約したばかりだが、コロムビア・レコード所属のアーティストが1位を獲得するのは、通算12週のNo.1をマークした、ザ・チェインスモーカーズの「クローサーfeat.ホールジー」(2016年9月~11月)以来の快挙。デビュー曲としては、2015年に6週間首位の座に居座った、OMIの「チアリーダー」以来、4年ぶりとなる。

 この曲には、米オハイオ州のロックバンド=ナイン・インチ・ネイルズの「34 Ghosts IV」(2008年)という曲がサンプリングされていて、間接的には彼にとっても初のNo.1獲得となった。ナイン・インチ・ネイルズが、これまで獲得した最高位は、1999年リリースの「ザ・デイ・ザ・ワールド・ウェント・アウェイ」の17位だった。

 「オールド・タウン・ロード」は、R&B/ヒップホップ・チャート、ラップ・チャートでも前週の7位からトップに浮上し、両チャート初のNo.1獲得を果たしている。4月5日には、マイリー・サイラスの父親でカントリー歌手のビリー・レイ・サイラスとデュエットしたリミックスがリリースされたため、次週も首位をキープすることが予想される。

 リル・ナズ・Xの浮上により、通算9週目のNo.1獲得を果たせなかったアリアナ・グランデの「7 rings」(今週3位)だが、週間8,870万回を記録して、エアプレイ・チャートでは前週の2位からトップに立った。アリアナがエアプレイ・チャートで首位を獲得するのは初の快挙で、これまでの最高位は、2014年の「プロブレム feat.イギー・アゼリア」が記録した2位だった。

 ポスト・マローンの「Wow.」は2位から4位にダウンし、2週連続のTOP3同時ランクインを逃したが、スウェイ・リーとのコラボ・ソング「サンフラワー」は3位から2位に上昇していて、巻き返しを図っている。

 初動313,000ユニットという高記録を打ち出し、今週のアルバム・チャートでNo.1デビューを飾ったビリー・アイリッシュのデビュー・アルバム『ホエン・ウィー・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥー・ウィー・ゴー?』から、発売日同日にリリースされたシングル「バッド・ガイ」が7位にデビューした他、アルバムに収録された5曲がTOP40位内にランクインしている。

 「バッド・ガイ」は、リリース日にミュージック・ビデオも公開されていて、週間3,470視聴を記録し、ストリーミング・チャートではリル・ナズ・Xに続く2位にデビュー。デジタル・ソング・セールス・チャートでは、16,000ダウンロードを記録して7位に初登場した。ビリー・アイリッシュがソング・チャートでTOP10入りするのは 「バッド・ガイ」が初めてで、これまでの最高位は「ベリー・ア・フレンド」(今週25位)が記録した14位だった。

 3月31日に射殺されたラップ歌手=ニプシー・ハスルの訃報を受けて、44位に「ラックス・イン・ザ・ミドル」が初登場するなど計4曲がランクイン。アルバム・チャートでは、同曲含むデビュー作『ヴィクトリー・ラップ』が2位にリエントリーを果たしている。

 4週連続で<Airplay Gainer>を獲得した、ジョナス・ブラザーズの「サッカー」は9位から8位に、わずかならが上昇。彼らは、この曲に続く復帰第二弾シングル「クール」を4月5日にリリースしたばかりで、次週は上位ランクインが期待されている。「サッカー」は、3月16日付チャートでNo.1デビューを果たした。


Text:本家一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、4月12日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「オールド・タウン・ロード」リル・ナズ・X
2位「サンフラワー」ポスト・マローン&スウェイ・リー
3位「7 rings」アリアナ・グランデ
4位「Wow.」ポスト・マローン
5位「ウィズアウト・ミー」ホールジー
6位「プリーズ・ミー」カーディ・B&ブルーノ・マーズ
7位「バッド・ガイ」ビリー・アイリッシュ
8位「サッカー」ジョナス・ブラザーズ
9位「ハピアー」マシュメロ&バスティル
10位「ミドル・チャイルド」J.コール

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