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2019/03/14 17:00

コーダライン、満員のオーディエンスを熱狂の渦に巻き込んだ感動のライヴレポートが到着

 アイルランド出身の4人組バンド、コーダラインが約5年ぶりとなる来日公演を2019年3月12日に大阪、翌13日に東京で行った。本レポートは東京公演の模様をお伝えする。

 3月13日、渋谷のWWW Xで行なわれたコーダラインの東京公演を端的に評するとしたら、セント・パトリックス・デイを前倒ししたアイリッシュ・シンガロング・パーティー、と形容するのが手っ取り早いのかもしれない。そのただならない盛り上がりは、2015年の【サマーソニック】以来の久しぶりの来日だったことにも理由があるのだろう。見事ソールドアウトとなり、東京在住もしくは訪問中のアイルランド人を多数含んでいたとみられる、賑やかなオーディエンスで超満員の会場は、昨年発表したサード『ポリティックス・オブ・リヴィング』のオープニング曲「フォロー・ユア・ファイア」で幕を開けた途端に、大合唱に包まれた。以後ダブリンからやって来た4人組は、3枚のアルバムをバランス良く網羅する16曲・90分のセットを披露。一緒に歌わずにはいられない人懐っこいメロディと、静と動のコントラストに貫かれた、エモーショナルなアンセムの数々の魅力を存分に見せつけるショウだった。

 そんな中でも特に印象的だったのは、中盤の3曲だろうか。まず、結婚する友人へのプレゼントとして綴ったという「ザ・ワン」をヴォーカルのスティーヴが弾き語りで聴かせ、次に、亡くなったファンに捧げた「エンジェル」を配置し、喜びと悲しみを鮮烈に対比させた4人。続いては、アルバムと同様にアカペラに近いアレンジで「アイ・ウドゥント・ビー」をプレイし、美しく力強いハーモニーで、メンバーの絆や望郷の念といったテーマを描き出すのだった。

 さらに終盤はアップビートに転じて、ゲスト参加したカイゴのヒット曲「レイジング」のコーダライン版も登場。「ラヴ・ウィル・セット・ユー・フリー」で一旦セットを締め括るのだが、バンドがステージから姿を消しても合唱は止まず、4人が根負けする形でアンコールに突入。残るは、誰もが心待ちにしていた、デビュー作『イン・ア・パーフェクト・ワールド』からの大ヒット・シングル、「オール・アイ・ウォント」と「ハイ・ホープス」だ。ちなみに、終始MCは控えめだった彼ら、最後に翻訳アプリを介して日本語で挨拶するという斬新な手段を取った。「心からお礼を申し上げます」などとやたら丁寧な文言は、誠実な姿勢を音楽と向き合い、1曲1曲じっくりと最高の形で聴かせてくれた4人に妙に似合っていた。

Text by 新谷洋子
Photos by Masanori Naruse


◎公演概要
<大阪>
2019年3月12日 大阪・梅田TRAD
<東京>
2019年3月13日 東京・渋谷 WWW X

◎リリース情報
アルバム『ポリティックス・オブ・リヴィング』
2018/10/3 RELEASE
SICP-5658 2,200円(tax out.)
国内盤ボーナス・トラック収録
歌詞・対訳・解説付き

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