2019/03/14 12:00
2月7日から始まった三浦大知の「DAICHI MIURA LIVE TOUR 2018-2019 ONE END」が、福岡・東京公演を経て大坂城ホールでの2デイズでファイナルを迎えた。同ツアーは、2018年に全34公演を行った「DAICHI MIURA LIVE TOUR 2018 ONE END」の追加アリーナ公演となるもので、本編からカウントすると全国29会場39公演という自身最大規模! そんな記録にも記憶にも残る大阪公演初日の模様を紹介しよう。
会場には自身初となるセンターステージが4つの大モニターに囲まれて設置され、それだけで既にこれから始まるスペクタルに自ずと期待が高まる。そんななか暗転し、ステージ中央がせり上がって、ついに三浦が登場! 本人もダンサー8人もバンドも黒いパーカーをかぶり、「Be Myself」のアカペラで、"静"からのゾクゾク感が半端ない幕開けだ。
そしてそこからアッパーサイドへと進み、あの手この手で会場を急速加熱。「Unlock」では各方位に向けてダンサー一人ひとりと絡みつくようなダンスで魅了し、悲鳴にも似た歓声をあちらこちらであげさせれば、「硝子壜」では唸るギターにのせて曲のストーリーを広げる。情感豊かな身体表現と叫ぶようなボーカルが一つになって観客の感情を揺さぶり、気づけば誰もが"大知ワールド"に早くもどっぷり。だが、「Inside Your Head」ではステージを自由に動き回って話しかけるように歌い、笑顔も見せると、会場のクラップも大きくなってリラックスした空気に……。
そして次は、"行くぞ!"の雄叫びからダンスアンセム「(RE)PLAY」で爆発! まるで浮いているかのような身のこなしで踊り、そのトリッキーな足元には思わず息を飲まずにはいられない。高さを増した舞台でふわりとキメるキックアップとターンには、実は羽が生えているのではないか?とすら思えてくる。曲後には自然と大きな拍手が発生。オーディエンスが夢中になった証しだ。
しかしそんな大スターっぷりも、"今日は一緒に最高のライブを作りましょう!"と、次のスイートなポップチューン「Perfect Day Off」で客席との距離をグッと縮めてくるから何とも心憎い。気分も上々になった観客たちは大きく左右に手を振り、大波が会場に出現するが、まだまだとばかりに"次は手拍子!"と煽って「FEVER」へ。メロウなナンバーはファルセットで彩り、滑らかな曲線と残像を見せるかのようなダンスを繰り広げる。するとさらに引き込むようにスケール感ある「Can You See Our Flag Wavin'In The Sky?」やスロウな「Breathless」を続けて、求心力を発揮。空を進む飛行船のように光る舞台の上で放つハイトーン、女性ダンサーと魅せる艶やかなダンス、ウイスパーと荒ぶる歌声のアップ&ダウン……じっと聴き入り、見入るディープな時間が会場に流れる。そしてうっとりとする観客をより濃密な世界へと誘うように、次は「ふれあうだけで ~Always with you~」と「世界」というバラードをセレクト。ブレスも聞こえる静けさのなかで一人ライトを浴び、目を閉じ歌う姿は絵画のようであり、独り言のようなソフトなボーカルと本人がつまびくギターの音色はじわりじわりと胸を熱くする。
そんな中盤には、今日唯一のMCタイムも! "一端(ONE END)をみなさんに担ってもらって、つかみ合って、つながり合って、一緒になれたらいいなと……"と、ツアータイトル「ONE END」に込めた思いを語り、今日だけの"お楽しみ"、カバーコーナーもプラスしてスペシャル感を増幅。そしていよいよライブも後半戦へ!
まずはキャッチーな「DIVE!」でテンションを上げ、バンドとダンサーのソロでも観客の集中を高めると、本人はあっと言う間に"早着替え"を済まし、ダイナミックな「Cry & Fight」へ。三浦を中心にダンサーが囲み、体現するメリハリのきいたダンスは、時にそれぞれが瞬間移動するがごとく息の合ったフォーメーション。ボーカルも情熱的になってモニターには睨みつけるような表情が映し出される。また「飛行船」では体を折るようにして絞り出す歌声が実にエモーショナルだ。そしてシームレスに続く「Black Hole」ではチームの真骨頂、ミュートでのダンス! 靴音を響かせ、一糸乱れぬという言葉がぴったりのシンクロするアクションは、全身の鳥肌が立つほど!! もちろん直後には感嘆の大歓声が起こる。
そんな心地いい緊張感から解き放たれたあとは上昇の一方。スモークがたかれ天空の城のようになったステージで「Blizzard」のアグレッシブなアクトを展開すれば、観客もつられてジャンプ&ジャンプ。キラーチューン「EXCITE」では、レーザーが空間を切り裂き、曲のスピード感をより一層アップ。ダンサーと共にキレッキレのダンスで挑発すれば、お決まりのタオル回しも起こって、会場は"花畑状態"に! それでも足りないと言うかのように"まだまだ音楽でつながりましょう!"と、跳ねるリズムで「music」が響けば、純度100%の楽しさがあふれ出して全員がスマイルでクラップ。多幸感に包まれる。そしてそのハッピームードを引き連れたまま、ついにラスト「Darkest Before Dawn」へ。"みなさんの歌声、聴かせてください!"に呼応して"Oh,Oh,Oh"のコールが巻き起こり、観客の手はステージへと伸びる。そしてそこに三浦の"君ひとりじゃない"の歌声が響き渡って生み出されるのは、壮大な光景! ファイナルの地・大阪公演にふさわしい感動的なクライマックスで本編は終了した。
だが当然、観客の興奮はさめず"大知"の名が呼び続けられると、三浦が一人でステージにカムバック。再び、圧倒的な歌唱力を見せつける。拳を突き上げながらタフに歌い上げる「Anchor」にはどこか満足感や達成感も感じられ"今日ここだけの最高のライブを作れたんじゃないかなと思います"という言葉も残す。そして"三浦大知の音楽に触れていってください!"と鳴り出したオーラスは「Touch Me」。バンドもダンサーも再登場して、耳にいつまでも残るサビのリフレインと、終始変わらない軽やかなステップで、最後の最後まで会場を盛り上げ、すべての人が一つになって大団円を迎えた。
昨年9月から始まった今ツアーの集大成とも言える今夜のライブは、まさにパーフェクト! 歌、ダンス、バンド、演出、どれをとっても非の打ち所のないパフォーマンスは、三浦大知の最高到達点をまた更新したに違いない。
※写真は2019年3月13日(水)大阪城ホールにて撮影されたものです。
Text By 服田昌子
◎公演情報
【DAICHI MIURA LIVE TOUR 2018-2019 ONE END】
日時:2019年3月12日、13日 <終了>
場所:大阪城ホール
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