2019/02/24
2月25日付のBillboard JAPAN週間“Top Albums Sales“で、ONE OK ROCK『Eye of the Storm』が208,584枚を売り上げて1位を、あいみょん『瞬間的シックスセンス』が59,668枚を売り上げ2位をそれぞれ獲得した。(集計期間2019年2月11日~2019年2月17日)
同一集計期間のBillboard JAPANストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”においては、あいみょんは「マリーゴールド」が7週連続ストリーミング首位を獲得する他、「今夜このまま」が2位、「君はロックを聴かない」が5位、「愛を伝えたいだとか」が6位、「満月の夜なら」が8位、「ら、のはなし」が9位をそれぞれ獲得している。一方、ONE OK ROCKは「Stand Out Fit In」が3位、「Wasted Nights」が4位、「Change」が7位と、実に2組で1位から9位を独占する結果を残している。ONE OK ROCKのアルバム『Eye of the Storm』は、他にも“Download Albums“やアルバムのルックアップ部門でも首位を獲得し、更にSoundScanJapan輸入盤チャートにおいても26,565枚を売り上げ1位を獲得している。これらからも両アーティストともに、セールス部門以外でも強さを発揮するアーティストであり、その両者がアルバムセールス部門でも1位、2位を独占した事は特筆すべきであると言えるだろう。
今回は、デジタル領域でも強いONE OK ROCKとあいみょんがCDセールスにおいてどのような売れ方をしているのかをSoundScanJapanのデータを使用し、検証してみる。まず、一般的なアルバムの販売比率について調査した。今週の全アルバムの地域別販売比率は下記の通りである
〇全アルバム地域別販売比率(集計期間2019年2月11日~2019年2月17日)
北海道 4.6%
東北 6.7%
関東 37.7%
甲信越 3.8%
北陸 2.3%
中部 12.2%
近畿 15.6%
中国 5.4%
四国 2.4%
九州 9.3%
これに対してONE OK ROCK『Eye of the Storm』と、前作『Ambitions』(2017/1/11発売)の地域別販売比率は下記の通りであり、グラフ化したものが表1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/72916/2)である。
〇『Eye of the Storm』発売初週地域別販売比率(かっこ内は『Ambitions』発売初週地域別販売比率)
北海道 5.2% (5.3%)
東北 8.6% (8.8%)
関東 27.2% (27.8%)
甲信越 5.4% (4.9%)
北陸 3.0% (2.7%)
中部 13.9% (13.3%)
近畿 13.0% (13.2%)
中国 6.3% (6.7%)
四国 3.8% (4.4%)
九州 13.7% (13.0%)
これらより見て取れる事は、九州や四国・中国では全アルバム平均よりかなり高い値を示しており、東北・北陸でも高い値を示している。逆に大都市圏を含む関東・近畿では苦戦しているように見える。これは恐らく、近年のフィジカルセールスの動向として、CDリリース時に集客が見込める大都市圏で販促イベントを行うアーティストが増えており、人口が多い特定地域(関東・近畿等)で売り上げを押し上げる傾向にあるので、積極的にリリースイベント等を行わないアーティストは逆にこれらの地域での販売比率が低くなることによるものだろう。
また、前作と比較すると更に関東・近畿が減り、地方が増える傾向にはあものの、1%以上変動している地方が全くなく、増減に差がない事が目につく。これはONE OK ROCKの知名度はもう十分にいきわたっており、前作を購入した人が恐らく今作も固定客となり購入しているのではないかと予想できる。
一方あいみょん『瞬間的シックスセンス』と、前作『青春のエキサイトメント』(2017/9/13発売)の地域別販売比率は下記の通りであり、グラフ化したものが表2(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/72916/3)である。
〇『瞬間的シックスセンス』発売初週地域別販売比率(かっこ内は『青春のエキサイトメント』発売初週地域別販売比率)
北海道 5.3% (4.5%)
東北 8.3% (5.6%)
関東 29.5% (41.7%)
甲信越 4.7% (1.4%)
北陸 2.9% (1.1%)
中部 13.5% (15.0%)
近畿 15.8% (21.0%)
中国 6.1% (3.1%)
四国 3.9% (1.2%)
九州 10.1% (5.3%)
前作『青春のエキサイトメント』では関東・近畿で実に62.7%を売り上げており、それ以外の地方ではわずか37.3%という販売比率だった。近畿地方出身という事もあり、当時の人気はやはり関東・近畿地方中心だったと言えるだろう。その後楽曲の良さが話題となり、全国的な知名度が増したことにより、今作では関東・近畿以外の地方の比率が54.7%まで伸びている。特に、甲信越・四国では占有率が3倍以上になり、東北・四国では約3%、九州でも実に約5%占有率を増やしている。そして、今作の販売比率が自身の前作とは異なり、ONE OK ROCKの今作・前作と似た販売比率になっている事に気が付く。これはやはり、特に地方において知名度が確実に増しており、より多くの人に楽曲を評価されるようになった結果だと言えるだろう。
デジタル領域で活躍を続けるONE OK ROCKやあいみょんがCDセールスに於いて。次はどのような動向を示すのか、次回作にも期待したい。
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