2019/01/27 14:00
1月28日付のBillboard JAPAN週間“Top Albums Sales”で、King Gnu 『Sympa』が17,443枚を売り上げ3位を獲得した。(集計期間2019年1月14日~2019年1月20日)。
本作は今年最もブレイクが期待されるロックバンドの一つであるKing Gnuのメジャー1stアルバムで、TVアニメ『BANANA FISH』エンディング・テーマの「Prayer X」を含む13曲が収録されている。
また、『Sympa』はインディーズ時代の17年10月に発表した前作『Tokyo Rendez-Vous』の累計販売枚数11,485枚を初週で大きく上回る17,443枚を売り上げている。そこで、King Gnuがフィジカルセールスでどのような傾向があるのかをSoundScanJapanのデータを使用し調査してみよう。
まず、一般的なアルバムが集計期間内にどのような販売比率になっているかを調べた結果が下記の通りである。
〇全アルバム地域別販売比率(集計期間2019年1月14日~2019年1月20日)
北海道 4.1%
東北 6.3%
関東 42.1%
甲信越 3.4%
北陸 2.2%
中部 10.7%
近畿 16.1%
中国 5.0%
四国 2.0%
九州 8.1%
これを見るとほぼ人口比に準じた比率となっている事がわかる。関東地方のみ人口比より大きくなっているが、これは、CD販売のための宣伝やイベント等を人が集まるエリアで行った方が効果が高いため、それらが関東圏で行われる事が多いためである。
それに対してKing Gnu 『Sympa』の地域別の販売比率は下記の通りである。
〇King Gnu 『Sympa』地域別販売比率(集計期間2019年1月14日~2019年1月20日)(かっこ内は全アルバム平均との差)
北海道 5.4% (+1.3%)
東北 7.1% (+0.8%)
関東 42.2% (+0.1%)
甲信越 3.8% (+0.3%)
北陸 1.6% (-0.6%)
中部 9.6% (-1.1%)
近畿 14.8% (-1.4%)
中国 4.4% (-0.6%)
四国 1.9% (-0.1%)
九州 9.3% (+1.2%)
『Sympa』と全アルバムの地域別販売比率をグラフ化したのが図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/71902/2)である。北海道と九州で全アルバムより高い値を示しており、東北・関東・甲信越もやや高くなっているが、ほぼ全アルバム平均と同様の傾向といえるだろう。また、インディーズ時代に発売された前作『Tokyo Rendez-Vous』と比較して地域別の増減を調査してみたのが図2(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/71902/3)である。
〇『Sympa』の全作『Tokyo Rendez-Vous』からの地域別販売比率の増減(かっこ内は『Tokyo Rendez-Vous』の累計地域別販売比率)
北海道 +1.1% (4.3%)
東北 -0.8% (7.9%)
関東 -3.8% (46.1%)
甲信越 +0.7% (3.0%)
北陸 +0.8% (0.8%)
中部 -0.5% (10.1%)
近畿 -0.6% (15.4%)
中国 +1.4% (3.0%)
四国 +0.7% (1.2%)
九州 +1.0% (8.3%)
前作と比較すると関東地方の比率が減少し、北海道(4.3%→5.4%)・甲信越(3.0%→3.8%)・北陸(0.8%→1.6%)・中国(3.0%→4.4%)・四国(1.2%→1.9%)・九州(8.3%→9.3%)と地方の販売比率が軒並み大きく伸びているのがわかる。メジャーデビュー前は関東や近畿が中心だったのだが、楽曲の良さや知名度が全国に広がりを見せて結果として今作は地方の比率が大きく上がっていると予想できる。比率では減少している関東にしても他の地方の割合が増えた結果であり、実数は大きく増えている。また、『Tokyo Rendez-Vous』も、『Sympa』の発売に合わせて再発された事もあり、本集計期間の販売数はその前週と比較して4倍近い1,765枚を売り上げている。
これらのデータでから、King Gnuの人気は都市から地方へと人気の広がりを見せており、フィジカルセールスにおける実力は確実にステップアップしている事がわかる。今後もKing Gnuの活躍に注目したい。
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