2012/09/21
【FUJI ROCK FESTIVAL '12】では、Charaと共に披露した「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」に絶賛が寄せられた渋さ知らズが、9月18日に青山Cayで大オーケストラ編成のワンマン公演を行った。
渋さ知らズとは、ダンドリスト(=段取をする人。指揮者的役割)の不破大輔を中心に、総勢30人以上のメンバーが流動的に参加。フリージャズを基調とした大所帯バンドで、白塗りの舞踏家やパフォーマー、漁師に扮したアジテーター的ボーカルもメンバーに名を連ねる異色のオーケストラ集団だ。
過去には何度も欧州で長期ツアーを行っており、ここ日本でも大規模なロックフェスで毎年のように伝説的なアクトを展開するなど、音楽好きにとっては知る人ぞ知る存在の彼らが、平日の青山というオシャレ一等地の一角を祝祭に変えてしまった一夜。それがAKB48のじゃんけん大会開催日と同日に行われたワンマン公演【表参道大爆発】である。
大所帯バンドゆえ、演奏スタイルも独特だ。この日は各メンバーの演奏スペースが客席の一角に用意され、観客の観賞スペースはステージ上にまで及んでいる。また、開演時間になっても演奏が開始される様子はなく、一方の観客もそれを気にした雰囲気はなく、飲み物や食事を手に談笑を交わしている。それは非常に朗らかな光景ともいえるくらいだ。
本来の開演時間から30分ほど経った頃、1人2人とメンバーが会場に姿を現し始めた。やがて観衆をかきわけるように、不破大輔が会場の中央までやってくる。一瞬の静寂の後、「1、2、3、せーぇの!」とカウントしたのを合図に、パノラマに広がった楽器隊から押し寄せる音の洪水が観衆に襲いかかっていった。
この日は間に30分の休憩を挟んだ2部構成のパフォーマンスとなったが、演奏曲には秋にリリースするカバーアルバム『渋彩歌謡大全』に収録される楽曲も含まれており、「一週間」や「渡」、「君は答えよ」などを披露。終盤には女性ボーカル 最上川エミリーを迎えた「マラムレシュの夢」で広大なスケール感を演出させると、「ひこーき」 「ナーダム」 「本多工務店のテーマ」と観衆も一緒に歌える代表曲を畳みかけて会場をひとつの大きな楽器に変えてしまった。
11月7日には前述のアルバム『渋彩歌謡大全』をリリースする渋さ知らズだが、本作は彼らにとって初のカバーアルバムとなる。フィーチャリング・ボーカリストには遠藤ミチロウや三上寛、渚ようこにSandii、坂本美雨とジャンルを超えた超個性的アーティストが参加。昭和の名曲から前出の「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」まで、圧巻の収録曲が揃ったこの秋一番の名盤候補となりそうだ。
◎ライブ【表参道大爆発】
[1部]
01.股旅
02.一週間
03.犬姫のテーマ
04.権太アジール
[2部]
01.My one and only Love
02.We are a Fisherman Band
03.マラムレシュの夢
04.渡
05.ひこーき
06.ナーダム
07.君は答えよ
08.本多工務店のテーマ
09.仙頭
10.すてきち
◎アルバム『渋彩歌謡大全(しぶさいかようたいぜん)』
2012/11/07 RELEASE
TKCA-73836 3000円(tax in.)
撮影:Yamashita Yasuhiro
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