2019/01/04 16:10
BEGINが中心となって、平成最後の大晦日に沖縄でカウントダウンライブを行い、新年の訪れを祝った。
沖縄県出身のアーティストたちが集い、県内外の人たちと一緒に“笑顔”で年を越そう、という想いから2017年に始まった沖縄のカウントダウンライブ。第2回目の今回は、2020年にデビュー30周年のアニヴァーサリーイヤーを控えているBEGINが中心となって、前回と同じ沖縄コンベンションセンター展示棟で行われ、会場には4,200人が集まった。
午後7時。沖縄では知らない人はいないお笑い芸人、護得久栄昇先生と仲座健太の「かぎやで風」で始まった。オープニングは、出演アーティストの代表曲を、ほかのアーティストがカバーするというスタイルで次々と歌われる。例えば、BEGINの「島人ぬ宝」をMONGOL800が、かりゆし58の「アンマー」をKiroroが、というように。まるでウチナー(沖縄)ソングのヒットパレードだ。これも沖縄のカウントダウンライブならではのスペシャルのひとつだろう。
トップバッターはDIAMANTES(ディアマンテス)。4人組の女子ダンサー・タピオカとワイルドなラテンナンバーを聴かせた「WANDA」で一気に熱を帯びたステージの後、去年に続き、「もう一度彼女とデュエットしたかった」というアルベルトの誘いで実現した「今夜は離さない」を披露する。「深紅」のロングドレスで登場したHY仲宗根泉とのデュエットのサプライズに、客席からは大きな歓声が上がった。
続いては、石垣島の新良幸人と、宮古島の下地イサムの先島出身の2人によるTHE SAKISHIMA meeting。陽光を感じる軽快な「DIAMANTES」から一転、「ストレンジャー」(ビリー・ジョエル)のイントロに導かれるように登場したダンディな2人に、会場は大人の空気感に満たされていく。「実りある新年を迎えようということで、『ユーニンガイ』(方言で“世願い”。1年間の豊穣を祈願する儀式)をお届けしました」と新良。ミャークフツ(宮古方言)の歌詞が、まるでフランス語のようにも聴こえる「ジャジィー・ミャーク」、さらに米New York TimesのサイトにもMVが公開された「ダニー・ボーイ」のウチナーグチ(沖縄方言)Ver.では、哀愁漂う歌声に会場の誰もが静かに聴き入っている姿が印象に残った。
ここからは緩やかなKiroroタイムに。全国デビュー20周年を迎えた彼女たちのデビュー曲「長い間」からライブは始まった。途中で、会場全体から自然と歌声が湧きあがる。「みんな、じょーず!」と千春。「みんなに歌ってもらった方がいいかもね(笑)」続く「Best Friend」では、その歌声はさらに大きくなった。「高校生の頃、クリスマスの季節に東京へ行った時、電車に乗ったら、サラリーマンの方が下をうつむいてて、疲れてるように見えました。そんな大人のみなさんにもサンタが来たらいいのにと思ってできた曲」と話して歌ったのが「冬のうた」。やわらかな歌声を聴きながら、心も身体も暖まっていき、ほっこりした気持ちになったKiroroのステージだった。
いつものようにカチャーシーを踊りながらステージに現れたMONGOL800。「沖縄のカウントダウン、遊びましょっ!」というキヨサクのひと言でスタート。はじまりの曲は「あなたに」。さらに、「OKINAWA CALLING」でコール&レスポンスが続く中、今回もやはり、モンパチの高校時代のヤッケーシージャー(沖縄方言で、やっかいな先輩(笑))、ツブさんこと、粒マスタード安次嶺が登場、あのくねくねダンスで会場を盛り上げる。そして「(安室奈美恵の最後のライブと)同じこの会場で安室ちゃんと同じステージに立ったことは、モンパチにとって平成のビッグイベントですよ」と言って歌ったのが、安室奈美恵 with SUPER MONKEY’Sの「TRY ME~私を信じて~」。モンパチのアレンジでトライした「TRY ME」は、原曲とはまったく別もののように、疾走感のあるスカロックに姿を変えていた。誰の曲でもモンパチの演奏でキヨサクが歌うと、モンパチの歌になることを証明した1曲でもあった。
かりゆし58の1曲目は、「電照菊」。前川真悟が歌い始めた瞬間、会場のいたる所で黄白色の光が灯る。それは、真悟が歌詞に込めた想いを察するように灯った携帯電話の光。ステージと会場がひとつになった瞬間だった。「かりゆしで好きな曲があるから、カウントダウンで一緒にやらないか」というHY仲宗根からの誘いで、この夜のセッションが実現したと告げて始まった「恋人よ」。ここではキーボードに仲宗根、名嘉俊もカホンで参加するスペシャルな編成で披露された。苦労をかけた母親への感謝の想いを綴った代表曲「アンマー」、そして最後は、“かけがえのない時間を胸に刻んだかい”と、真悟がワンコーラスをアカペラで歌った「オワリはじまり」で、かりゆし58はステージを下りた。
続いては、HY。「ハイサイ、HYです! 今年最高のこの時間を、みなさん楽しんでいきましょうね!」と新里。男子メンバー4人が奏でる三線のイントロによるBEGINの「三線の花」のカバーからスタートした。そして曲の途中、新里が「この曲はやっぱりこの方に歌ってもらわないとね」と言ってBEGIN比嘉栄昇をステージに迎え入れ、英之と栄昇のデュエットへ。さらに「沖縄の人なら、わかるよねー」と護得久先生の口まねで、新里が「Street Story」の曲名を伝えた後、会場全体でカチャーシーの手踊りが舞い、最後に歌われたのは、「ホワイトビーチ」。「最後は、みんなでジャンプしてBEGINに繋げましょう!」というかけ声とともに、全員でジャンプとなった。
新しい年まで、あと30分ほど。心も身体もあたたまったところで、いよいよBEGINの登場。「今日は楽しい1日です。大好きなバンドのステージを見ながら、またライブを終えて汗をかいたまんまのみんなを迎えて話ができて、最高の年越しとなります」栄昇は、こう言い、「平成のバンドと言われてました。なので、今日をもって終わります(笑)」と言うと、「平成は5月まであるさー」と、すかさず優につっこまれる。そして、「その時に歌った曲を歌います」と告げてデビュー曲「恋しくて」を披露する。心に染みわたるブルージーな歌に引き込まれるように、会場の人たちは静かに聴き入っていた。
続いて、ニューアルバム『PotLuck Songs』から、これもブルースナンバー「網にも掛からん別れ話」が歌われるも、ここでちょっとした嬉しいハプニン。カウントダウンだから、ちゃんと時間通りにやらなければと、各バンドが早めに進行したため、時間に余裕ができてしまったのだ。「沖縄タイムってあるさ。イコール遅れること、みたいな。それは間違ってます。なぜなら今、時間を持て余してます(笑)」と栄昇。そこで急きょ、予定になかったザ・バンドの「I Shall Be Released」を日本語詞Ver.を披露した。「ここからカウントダウンに向けてリズムは止まりません。そのまま突っ走って行きたいと思います」と告げた後、宮城姉妹を迎えてマルシャショーラのメドレーが続く。
そして、年明けの瞬間には、銀テープが会場に放たれる。2019年の最初の曲は、前向きな想いを歌に託した「上を向いて歩こう」。次々とゲストを迎えてのマルシャショーラ・メドレーも行われ、フィナーレでは、本日出演した全員がステージに揃って、「島人ぬ宝」が歌われた。
◎セットリスト
【オープニング】
1.島人ぬ宝(MONGOL800)
2.アンマー(Kiroro)
3.夏至南風(かりゆし58)
4.未来へ(THE SAKISHIMA meeting)
5.ホワイトビーチ(BEGIN)
6.あなたに(HY)
7.勝利のうた(護得久栄昇&全員)
【DIAMANTES】
1.WANDA
2.今夜は離さない
3.イチャリバARRIBA
4.片手に三線を
5.沖縄ラティーナ
【THE SAKISHIMA meeting】
1.ザ・サキシマユニゾン~ユーニンガイ
2.TOME DOME(トゥミ ドゥミ)
3.ジャジィー・ミャーク
4.風ゆイヤリ
5.Danny Boy
【Kiroro】
1.長い間
2.Best Friend
3.OK OK
4.冬のうた
5.未来へ
【MONGOL800】
1.あなたに
2.PARTY
3.OKINAWA CALLING
4.honeymoon
5.TRY ME
6.小さな恋のうた
7.DON'T WORRY BE HAPPY
【かりゆし58】
1.電照菊
2.手と手
3.恋人よ(アコースティックver.)
4.アンマー
5.オワリはじまり
【HY】
1.三線の花
2.Street Story
3.AM11:00
4.ホワイトビーチ
【BEGIN】
1.恋しくて
2.網にもかからん別れ話
3.I Shall Be Released
~マルシャショーラ~
4.バルーン
5.帰郷
6.海の声
7.流星の12弦ギター
8.上を向いて歩こう
9.また逢う日まで
10.年下の男の子
11.バン・バン・バン
12.お嫁においで
13.国道508号線
14.オジー自慢のオリオンビール
15.ソウセイ
16.笑顔のまんま(マルシャショーラフルバージョン)
【フィナーレ】
島人ぬ宝(出演者全員)
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