2018/12/11
アリアナ・グランデの「サンキュー、ネクスト」が返り咲き、 通算4週目の首位獲得を果たした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
初登場から3週連続のNo.1をキープした後、先週トラヴィス・スコットの「シッコ・モード」に押され2位にダウンした同曲だが、11月30日に公開されたミュージック・ビデオのリリース効果を受け、ストリーミングを制しての1位復帰となった。
「サンキュー、ネクスト」の週間視聴回数は、9,380万回。この記録は、今年の年間アルバム・チャートを制したテイラー・スウィフトの「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ~私にこんなマネ、させるなんて」(2017年9月16日付チャート)が記録した8,450万視聴を上回る、女性アーティストとしては歴代最高記録で、アーティスト総合でも7番目に高い週間ストリーミングとなった。なお、歴代1位は今年の年間チャート9位にランクインした、ドレイクの「イン・マイ・フィーリングズ」(週間1億1,610万視聴)。
YouTubeの公式チャンネルに公開された同ミュージック・ビデオは、公開24時間で過去最多の5,000万回視聴を記録、公開10日間で1億5,000万回を突破した。ストリーミングのみならず、週間43,000ダウンロードを記録して、デジタル・セールス・チャートでも先週の5位から2位に浮上。エアプレイ・チャートでは23位から11位にジャンプアップしていて、TOP10入り目前となっている。主要3チャートで最もポイントが伸びた曲に送られる<Greatest Gainer>にも輝いた「サンキュー、ネクスト」、次週5週目のNo.1獲得(キープ)もかたいだろう。なお、<Greatest Gainer>を獲得したのは、前述の「イン・マイ・フィーリングズ」以来、約半年ぶりの快挙となる。
女性ソロ・アーティストが4週以上1位を獲得したのは、2016年の夏に同4週をマークした、シーアの「チープ・スリルズfeat.ショーン・ポール」以来、2年半振り。ストリーミング・ポイントがチャートに反映するようになった2014年12月以降では、アデルの「ハロー」(2015年10週)、リアーナの「ワークfeat.ドレイク」(2016年9週)の計4曲が、4週を超えるNo.1ヒットを記録している。なお。フィーチャリング・アーティストのない楽曲としては、その「ハロー」以来3年ぶりの記録更新。
アリアナに再び首位の座を奪われたトラヴィス・スコットの「シッコ・モード」は、2位にダウンしたものの、週間4,330万視聴を記録してストリーミング・チャートでは2位、デジタル・セールス・チャートでは3位(25,000ダウンロード)、エアプレイ・チャートでは8位(週間6,570万回)と、主要チャートで上位をキープしている。また、R&B/ヒップホップ・チャートとラップ・チャートでは7週連続の1位をマークしていて、今後も上位ランクインが期待できそうだ。
その「シッコ・モード」でボーカルを担当したドレイクだが、この曲にはフィーチャリング・アーティストとしてのクレジットがないため、記録には反映しなかったが、今週6位に初登場したミーク・ミルの「ゴーイング・バッド」にフィーチャーされたことで、通算33曲目のTOP10入りを果たしている。この記録は、男性ソロ・アーティストとしては歴代最高、アーティスト総合では、マドンナ(38曲)、ビートルズ(34曲)に次ぐ歴代3位で、数年の間にはおそらくトップに立つのではないかと思われる。ドレイクが2018年にTOP10入りさせた楽曲はこれで13曲目。
なお、今週のアルバム・チャートで新作『チャンピオンシップス』が通算9作目のNo.1獲得を果たしたミーク・ミルだが、シングル曲(Hot 100)でのTOP10入りは意外にも初のランクインとなる。これまでの最高位は、クリス・ブラウンとニッキー・ミナージュをフィーチャーした「オール・アイズ・オン・ユー」の21位(2015年)だった。「ゴーイング・バッド」の週間視聴回数は3,600万回で、ストリーミング・チャートでは3位に初登場。17,000ダウンロードを獲得し、デジタル・セールス・チャートでは6位にデビューしている。
今週7位にTOP10入りしたのは、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」。毎年このシーズンになると上位にランクインする同曲だが、これまでの最高位は昨2017年に記録した9位で、1994年のリリースから24年目にして最高位を更新する快挙を成し遂げた。昨年、今年とさらに順位を上げた理由として、昨今のストリーミング・ポイント強化が挙げられる。同曲が今週記録した視聴回数は2,850万回で、 ストリーミング・ チャートでは8位に上昇。この視聴回数が大きく影響し、Hot 100でのランクアップ要因となった。その他のポイントも好調で、15,000ダウンロードを獲得しデジタル・セールス・チャートでは9位に、エアプレイ・チャートでは先週の41位から32位に大きく順位を上げている。クリスマス本番となる次週、再来週は、TOP5入りも期待できるかもしれない。
その他、ホールジーの「ウィズアウト・ミー」が先週の4位から3位に上昇し、ソロ・タイトルとしては初のTOP3入りを果たした。先週5位に最高位を更新したパニック!アット・ザ・ディスコの「ハイ・ホープス」は、ロック・ソング・チャートで6週目の1位をマークし、同5位を維持している。どちらも、今後上位ランクインが期待できそうだ。
Text:本家一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、12月14日以降掲載予定となります。
◎【Hot100】トップ10
1位「サンキュー、ネクスト」アリアナ・グランデ
2位「シッコ・モード」トラヴィス・スコット
3位「ウィズアウト・ミー」ホールジー
4位「ハピアー」マシュメロ&バスティル
5位「ハイ・ホープス」パニック!アット・ザ・ディスコ
6位「ゴーイング・バッド」ミーク・ミルfeat.ドレイク
7位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー
8位「ZEZE」コダック・ブラックfeat.オフセット&トラヴィス・スコット
9位「ドリップ・トゥー・ハード」リル・ベイビー&ガンナ
10位「ガールズ・ライク・ユー」マルーン5 feat.カーディ・B
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