2018/11/02
カーネーションの結成35周年を記念し、今年6月に発売されたベスト盤収録の新曲「サンセット・モンスターズ」のミュージックビデオが公開された(https://youtu.be/Job6iApKM90)。
6月にリリースされたベスト盤『The Very Best of CARNATION "LONG TIME TRAVELLER”』は、「Edo River」をはじめとする90年代の代表曲から最新アルバム『Suburban Baroque』収録曲まで、35年の歴史の中から選りすぐった決定版ベスト。シングルとなった代表曲やライヴの定番曲、またSNSでファンから募った「裏名曲」を参考に選曲した全28曲に、新曲「サンセット・モンスターズ」と「Future Song」を加えた全30曲をCD2枚組に収録。新曲「Future Song」には、旧メンバーである矢部浩志、棚谷祐一、鳥羽修がレコーディングに参加している。
さらに、11月3日より東名阪のツアーが開始。今回のツアーゲストは以前カーネーションに在籍していたあのメンバー、そして各地スペシャル・ゲストを迎え、毎回違うステージとなる予定。コロムビア期のメンバーが再び揃いつつ、2018年のカーネーションのステージとなりそうだ。
直枝政広(カーネーション)から今回のミュージックビデオについてのコメントが届いている。
◎直枝政広(カーネーション)コメント
「サンセット・モンスターズ」のテーマはカーネーションの野音公演のラストに集約されていた。
あの晩の大団円を体験してしまったこともあり、この曲が他にどんな物語を連れてくるのか、
もはや、自分では掴めなくなっていたというのが正直な気持ちだった。
物を作るにはそのタイミングがとても重要になる。
MVの話は二転三転し、頓挫しかかっていた。
この曲は映像にならない運命なのかと半ば諦めかけた頃、
「青山真治さんがカーネーションの映像をやりたがってる」という話を伝え聞き、嬉々としてオファーをさせていただいた。
ぼくは「青山さんの映画だと思って作ってください」とお願いした。「MVっぽい作りじゃなくていい」とも。
出来上がった映像には二重の意味が交叉していた。
風に揺れる<柳>が物語の入り口を示している。
あの日、青山さんは「海岸通りの柳を探しに行ってきます」とニヤリと笑ったのだ。
ぼくの書いた本「宇宙の柳、たましいの下着」へ戻る道もここに用意されている。
偶然にも、廻っているレコードはその本の核にあるアルバム、
Jackie DeShannon『Laurel Canyon』 (1969)だった。
薄暗い小屋で目覚めたピッチング・マシーンのチェーンとバネの痛みをカメラは繰り返し切り取ってみせるが、
その鉄に浮いた錆の冷たさと熱を想うたびに、どうしても、ありとあらゆるロックの思い出が蘇ってくる。
全部がつながっている。ただ、それが誰の記憶なのか、錯覚なのかどうかはわからない。
反転する空の下でターンテーブルと高速道路が廻り、レコード・カートリッジは音楽を積んだ車となる。
砂と風で傷だらけになったレコードの音が消え、
逃げきれそうもない不穏な空に包まれて音楽は変質してゆく。
ラストにある、二人のカーネーションの苦々しい表情もぼくはとても気に入っている。
二人は何を、何処を見ていたのだろう。もう陽は沈みかけている。
自分によく似ているのに全然違う自分がこのヴィデオのあちこちにいる。
音楽から薄い皮膜をひっぺがされたという心地よさが妙に残った。それでいい。
夕景の撮影を終えて、干潟が満ち潮で沈んでゆく中、
カメラを担いで水の中へズボンのまま入っていった青山さんは、最近出会った人の中で確実に一番格好良かった。
◎リリース情報
アルバム『The Very Best of CARNATION "LONG TIME TRAVELLER”』
2018/6/20 RELEASE
CRCP-40553/54 3,241円(tax out)
◎ツアー情報
【FANTASTIC VOYAGE】
2018年11月3日(土) 大阪・umeda TRAD(旧AKASO)
2018年11月18日(日) 名古屋・JAMMIN'
2018年12月7日(金) 東京・日本橋三井ホール
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