2018/09/19
「ベニー・シングス」と言えば、アナタは何を思い浮かべるであろうか。オランダが生んだポップ・マエストロであり、ウーター・ヘメル、ジョヴァンカのプロデューサーとして知られ、メイヤー・ホーソーンのアルバム『Man About Town』(2016年)でもプロデュースを担当。自身の作品としては、バート・バカラックやスティーリー・ダンにも通じる極上のポップ・センスでリスナーを魅了するほか、昨年はイギリスの新星シンガーソングライター、レックス・オレンジ・カウンティとの共作曲「Loving is Easy」が世界的ヒットを記録するなど、常に第一線で活躍し続けており、彼を説明する言葉は幾つあっても足りないのが正直なところである。
そんなベニー・シングスが先日リリースとなった3年ぶりのアルバム『City Melody』を携えての待望の来日公演を開催中である。今回はレコーディングに加わったジュン・フェルミエ(Vo)、ロバート・スケルペニッセ (Trp)、アダム・バー・ペレグ (Key)、さらにツアーメンバーとしてもおなじみ、ブラム・ワシンク (Ba)、コリン・バーミューレン (Dr)が参加している。今回は大阪で開催されたライブの模様をレポートしたい。
「My name is Benny Sings.Osaka,Makes the Noise!!」
ステージに立ち、まずはそんな言葉を口にするベニー。会場中から歓声と拍手が沸き起こる中、演奏がスタート。軽やかに紡がれるメロディが宙を舞い、ハッピーな鼓動、バイブスを刻み始める。この日久し振りに訪れた秋の晴れ間によく似合う、澄み渡った青空のようなポップソングたち。『City Melody』からのナンバーは勿論、彼の代表曲も数多く披露され、メロディを口ずさんだり、目を閉じて聴き入ったり、時にクラップで合わせたりと、オーディエンスも各々のスタイルで楽しんでいた。
思わずニヤリとしてしまうようなキャッチーなフレーズ、時に胸を打つ哀愁を帯びたメロディ、リズムに合わせ、踊りたくなるようなハッピーなサウンド。そのひとつひとつに彼ならではのエッセンスを散りばめて、珠玉のポップソングに昇華してしまう、ベニーシングスならではの魔法の時間がそこにあった。
今回が「アルバム発表後、初めてのライブなんだ。それをここで演奏できて嬉しい」と繰り返すベニー。今回のツアーにあたって衣装も新調したということで、どことなく初々しさを秘めているのも微笑ましい。(ちなみに衣装は全員Vネックの白いトップスであった)
ここ数年の来日公演では、安藤裕子や土岐麻子、cero、スキマスイッチといった日本のアーティストとも共演していたが、今回は正真正銘の単独公演。ベニーの音楽の魅力を余すところなく堪能できる内容となっている。ぜひ本日開催の東京公演もお見逃しなく、駆けつけていただきたい!
Photo:Kenju Uyama
Text:杉本ゆかり
◎公演情報
【ベニー・シングス
City Melody Release Tour】
2018年9月18日(火)※終了
ビルボードライブ大阪
2018年9月19日(水)
ビルボードライブ東京
1st Stage Open 17:30 Start 19:00
2nd Stage Open 20:45 Start 21:30
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