2018/09/02
オープニング・アクトのMichael Kanekoは、ミニー・リパートンの名曲「Lovin' you」でスタート。噂以上のアコギのテクニックと自在なボーカルで、ニューカマーとは思えない落ち着きはらったステージで大きな拍手を浴びた。
謎めいた雰囲気で登場したmajikoは、注目のシンガー。「ひび割れた世界」を熱唱する一方で、ソングライターとしても独自の世界を持ち、自作の「パラノイア」を情感たっぷりに歌って、オーディエンスの耳を釘づけにした。
笹川美和は一人で登場して、ハナレグミの「家族の風景」をピアノの弾き語りでカバー。自分のスタイルを確立している笹川は、代表曲「笑」や新曲「蝉時雨」でも清冽な個性を前面に出してオーディエンスを楽しませた。
真心ブラザーズのYO-KINGと桜井秀俊のほんわかしたたたずまいに、誰もが笑顔になる。ニューアルバムから「メロディー」をいち早く歌うと、会場は大喜び。とどめの「サマーヌード」で、オーディエンスは大爆発。ユーモアとロック・スピリットをふんだんにまぶした圧巻のライブだった。
前野健太のオフビートなステージングに、客席が惹きつけられる。「ラブソング書くくらいしか、やることない」と言って歌った「興味があるの」は、異様な迫力でさらに観客を巻き込む。韓国で作ったという「マシッソヨ サムゲタン」ではC&Rが起こり、TRFの「BOY MEETS GIRL」をカバーして大喝采を浴び、Slow LIVE初参加を見事に飾ったのだった。
FLOWER FLOWERもまた、本門寺初登場。豪雨の中、ボーカル&ギターのyuiとキーボードのmura☆junに市川和則のギターが加わった、羊毛とおはなのカバー「はだかのピエロ」で透明な音世界を創り上げた。
ハナレグミはタブラの名手U-zhaanとの共演。永積タカシはタブラのみをバックに「今夜はブギーバック」のラップを決めて、そのまま「大安」へ雪崩れこむ。最近、2人で作ったという超スリリングな変則リズムの「サンニブ」では、セッションの醍醐味で会場を圧倒。「家族の風景」ではアコギとタブラが美しく響き合って、感動的だった。
ORIGINAL LOVEは田島貴男、ギター木暮晋也、ベース鹿島達也、キーボード冨田謙、パーカッション&コーラス真城めぐみという最強の布陣で登場。スウィング・ビートとコーラスを駆使したアコースティック・セットの魅力を、正攻法でぶつける。「雨が上がったんで、堂々とバラードをやれます」と歌ったスタンダード「BODY&SOUL」では、雨が降り止んで涼しくなった会場を熱くさせる。
終盤でジャジーにアレンジされた「接吻」のバース(前歌)が始まると、会場からは抑えた歓声が上がり、「フリーライド」ではいよいよオーディエンスが立ち上がって踊り出す。アンコールの「夜をぶっとばせ」まで“大人のミニフェス” のトリにふさわしいパフォーマンスで突っ走った。Text:音楽評論家 平山雄一
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