2018/05/21
2011年のデビュー以来、2014年の解散、2016年の再始動、そして今日に至るまでアイドルシーンに様々な伝説を残してきたBiS。常に激動の日々を送っている同グループだが、2018年春は多くの別れがあった。
旧BiSのメンバーでもあり、現在のBiSの屋台骨を作り上げたカミヤサキは【レンタルトレード終了の儀】と共にGANG PARADEへ。結成時よりリーダー兼ヨゴレ担当として活躍してきたプー・ルイがまさかの卒業。【WACKオーディション2018】でBiS新メンバーに選ばれたガミヤサキ(仮)の辞退。そして、ももらんどの突然の脱退。この激動の春を駆け抜け、6月にはふたつのグループ(BiS1st/BiS2nd)に振り分けられるキカ・フロント・フロンタール、ペリ・ウブ、アヤ・エイトプリンス、ゴ・ジーラ、パン・ルナリーフィの5人に現体制ラストインタビューを敢行した。今回はその前編をお届けする。
◎BiS現体制ラストインタビュー
<激動の春~カミヤサキがBiSに残していったもの>
--3月4日 両国国技館ワンマン&プー・ルイ卒業と同時にスタートした現体制BiSですが、早くも5月31日【I don't know what will happen TOUR】渋谷WWW公演でもって終了。6月2日の金沢AZ公演よりBiS1st/BiS2ndにメンバーが振り分けられた新体制での活動が始ります。
ペリ・ウブ:展開が速いですね。意味わかんない!
--なので、今の体制でのBiSがどんな活動をしてきたのか記録するべく、そして新体制に向けての意気込みを発信してもらうべくインタビューしていきたいのですが、まずカミヤサキ×アヤ・エイトプリンスのレンタルトレード終了の儀(※カミヤはGANG PARADEからBiSへ、アヤはBiSからGANG PARADEへレンタル移籍していた)とプー・ルイ卒業があった両国国技館は、どんなライブになりましたか?
パン・ルナリーフィ:両国前日にサキちゃんと最後にステージに立つフリーライブがお台場であって、その時点ではわりとスッキリした気持ちでいたんですよ。終わりという感覚よりは「ここからスタート」みたいな感覚が強くて。ただ、その直前までは「無理無理無理」みたいな気持ちでいました。気持ちの整理がつかなくて、みんなで号泣したりして……リリイベに来てくれるお客さんもみんな泣いてて。
ゴ・ジーラ:その姿を見ていたらこっちまで「ヤバい!」と思って。今でも思い出すと泣いちゃう。でもサキちゃんには「ありがとう」という気持ちがずっとあります。
ペリ・ウブ:サキちゃんがBiSに残したものはいっぱいあって。サキちゃんがBiSに来るまでは、プーちゃんと私たち4人(キカ、ペリ、アヤ、ゴジ)みたいな感じで、4人はまだゼロの状態だったからプーちゃんの考え方しか知らなかったし、それしか正解がないと思い込んでいたんですよ。でもサキちゃんが入ってきてそれ以外の考え方もあるんだなと知って、私たちも違う考え方をしていいんだなと初めて思えた。
キカ・フロント・フロンタール:あと、ダンスの振り付けやフォーメーションの作り方もサキちゃんにたくさん教えてもらったし。
ペリ・ウブ:サキちゃんが居なかったら「WHOLE LOTTA LOVE」(現体制最初の新曲)もあんな風に振り付けできてない。もっとお遊戯みたいな内容になっていたと思います。
<ギャンパレから帰還したアヤプリ~プー・ルイとの別れ>
--あらゆる面で今のBiSの基礎を作ってくれたんですね。また、両国でのレンタルトレード終了の儀にて、アヤはGANG PARADEとして最後のパフォーマンスを行ってBiSへ戻ってきた訳ですが、あのときはどんな気持ちでステージに立っていたんですか?
アヤ・エイトプリンス:完全に気持ちの切り替えをして、ギャンパレ最後のパフォーマンスだったけど、もうBiSとしての気持ちのほうが強くって。私の中ではその前日のライブでギャンパレとしての活動を終えた感覚だったんです。だから清々しい感じでステージに立っていたし、あの日披露した「Beyond the Mountain」は、今まで何度もライブを重ねてパフォーマンスしてきたけど「やっと完成したな」という風に感じました。気持ち良かったです。
--そして、その直後にBiSとしてのライブ本編へ突入。
アヤ・エイトプリンス:久しぶりにBiSに戻ってきて、みんなともそうだけど、プーちゃんと一緒にライブできることがすごく楽しかったです。でもあんまり感情移入しないようにはしていたんですよ。私にとってはギャンパレ最後の日でもあったし、プーちゃん最後の日でもあったし、新体制の始まりの日でもあったので、ひとつひとつに感情移入しちゃうと私は崩れてしまうから……それでもプーちゃんに対しては特別な想いがありましたね。ギャンパレに居て「プーちゃんが辞める」と初めて聞いたときは「は? ふざけんなよ」と思ったし、それは「待っててほしかったな」と思っていたからなんですけど。でも最後のライブは、別に相手に伝わらなくてもいいけど、自分の中で……プーちゃんに対してはムカついたこともたくさんあったんですけど(笑)「ありがとう」とか「好きだよ」とか「おまえを超えるぞ」という気持ちを届けたいと思って歌っていました。
--プー・ルイ超えと言えば、パンもそれをひとつの目標としていましたよね。
パン・ルナリーフィ:私の中でもプーちゃんがいるBiSがBiSというイメージはあって、両国はそのBiSが終わる日だったんですけど、でも「終わり」より「始まり」として捉えようと思っていて、だから「泣かない」って決めていたんです。
キカ・フロント・フロンタール:「泣いたら脱退」みたいな話もあったよね(笑)。
パン・ルナリーフィ:それで「卒業式にならないようにしよう。始まりの日にしよう」とみんなで決めて、私にとってはプーちゃんとステージで直接戦える最後のチャンスだったので、卒業されると神みたいな扱いになっちゃうから「その前に絶対勝ってやるぞ」と闘志を燃やしながらステージに立っていました。
--気持ちが溢れかえってましたよね。
パン・ルナリーフィ:睨んでしまうぐらい(笑)。
ペリ・ウブ:プーちゃんのことを?
パン・ルナリーフィ:人を睨むというより、それまでのBiSに対して。
--ペリはどんな気持ちで臨んでいたんですか?
ペリ・ウブ:私はライブではいつも同じレベルというか、今できるいちばんのライブを精一杯やるので、いつも同じ気持ちで臨んでる。でもあの日ばかりはプーちゃんがデカ過ぎたから、卒業一色になってしまわないように良いライブを7人でちゃんとやってから、アンコールの6人でのライブをビシッとやらないと絶対にいけなかったんです。だからプーちゃんと最高のライブをして、6人でもそれを超えていけるように本気で挑みました。
--キカは?
キカ・フロント・フロンタール:私もペリと同じように「最高のライブを更新していこう」と毎回思っていて。プーちゃんが両国で卒業しても、プーちゃんが作ったBiSを今後も継続していく。それは私たちがしていかなきゃいけないことなので、プーちゃんのいない6人のBiSもしっかり見せて「これからもBiSを応援しよう」という人をひとりでも増やしたいと思っていました。それがプーちゃんを送り出す意味だと思ったんですよね。BiSをしっかり繋いでいくことがプーちゃんに対するお礼にもなると思ったので。
--ゴジはどうでした?
ゴ・ジーラ:両国はプーちゃんと過ごす最後の時間だったので「いちばん楽しもう」と思っていて。だから3月3日までのことを思い出すとめちゃくちゃ泣けるんですけど、3月4日のことはすごく楽しい思い出になっています。卒業を暗いものじゃなく「お祭りにしよう」と思っていたので。それで、6人でアンコールに出ることは決まっていたので、そこでは始まりをちゃんと見せようと思って。だから私たちはプーちゃんを食べなきゃいけなかった。食べて自分たちの力として使っていく。「使っていく」と言うとアレなんですけど、でもきっとそれはBiSがずっとやってきたことだと思うので、それを頑張ってやろうと思っていました。
<ペリ&パン奮闘【WACKオーディション2018】で強まった絆>
--そうして新しいBiSに生まれ変わり、試行錯誤しながら活動してきたと思うのですが、そんな中で【WACKオーディション2018】が開催。その合格者たち含むメンバーをBiS1st/BiS2ndに振り分けて活動していくことが発表されました。
アヤ・エイトプリンス:私は去年みたいに誰かが他のグループへ行くことはあるかもしれないと思っていたんですけど、まさかふたつのグループに分かれるとは思っていなくて。でも私は去年ギャンパレへのトレード移籍を発表されているので、正直あれほどの驚きはなかったんですよ。だから「分けちゃうんだ! ウケる!」みたいな(笑)。あと、私はトレードがあって成長できたから「本当に良かったな」と思っているし、今回のふたつに分けることに対しても「絶対に成長に繋がる」と思っているんです。だからとにかくもう頑張るしかないなって。
--その発表に至るまでの【WACKオーディション2018】の合宿に参加していたペリとパンですが、今振り返るとどんな経験になったなと感じていますか?
パン・ルナリーフィ:頑張りました、本当に! 自分はそこで変わりたかったので。ペリとチームを分けられたときは「どうしよう?」と悩んでいたんですけど、去年の【WACKオーディション】にも候補生としてですけど参加していたし、ギャンパレがそこで勢いに乗っていく流れも近くで見ていたので、BiSもここで「すげぇ!」と思われて勢いに乗れたらいいなと思っていたんです。それでめちゃくちゃ頑張っていたんですけど……私、何してましたっけ(笑)?
キカ・フロント・フロンタール:走っていた印象がいちばん強い。
パン・ルナリーフィ:いろいろあり過ぎて記憶が曖昧になってる。
--「1位じゃなきゃ意味ないの!」と泣きながら走ってましたね。
パン・ルナリーフィ:とにかく何でも1位になろうと自分の中で掲げていたんです。私はみんなみたいに個性がないから、とにかく常に1位になることが目標だったんです。それがニコ生での中継を観ている人に対して裏目に出てしまったときもあったんですけど、結果的にはその目標を掲げて頑張ったからこそ強くなれたと思っていて。
--命懸けで走りすぎて足を痛めていましたけど、もう治ったんですか?
パン・ルナリーフィ:もう治りました! 合宿5日目ぐらいにヤバかったんですけど、でも日々の活動の中では、あんな風にピンポイントの目標を成し遂げようとする機会ってあんまりないので、そこで必死に頑張ることが出来たから本当に良い経験だったなって思います。
アヤ・エイトプリンス:格好良かったです。「1位になります!」って掲げて、結果的にそうなれなかったとしても、それでも「1位になります!」って言い続けているパンが格好良いなと思って。なので、パンが2位になって泣き崩れているシーン。パンは悔しくて「本当に最悪」と思っていただろうけど、そのシーンがいちばん格好良かったです。
キカ・フロント・フロンタール:朝から泣いたわ。一緒に起きてニコ生で観てたから。
--ペリはいかがでした?
ペリ・ウブ:行く前はクソガキだったなと思うんですよ。当時はパンとセット売りみたいな感じになっていて、自分たちで作った“だっちゅうのどうめい”がそうなっていくのは嬉しかったし、だから合宿も2人で呼んで頂いて嬉しかったんですけど、そこで初めて分けられて。絶対にずっと一緒だと思っていたのにパンと戦うことになって、そんなことしたこともないし、気持ち的に無理だったんですよ。ひとりじゃ何にも出来ないし。だから最初は候補生たちにダンスを教えることも全然できなかったし、本当に無理でしかなくって。でも日にちを重なるごとに少しずつですけど、候補生たちとの関係も良い感じに築けるようになって、順位も徐々に上がることになったし、合宿によってBiSのメンバーたちのことをより「大事だな」と思えるようになったんです。「この6人、最高!」って。だからその矢先に分けられたことが何よりもツラくて! 絆をいちばん感じている時期にそんなことが起きたから怒り心頭でした。しばらくちょっと無理でしたね。
<ペリ・ウブの失恋>
--最愛の人も失いましたしね。
ペリ・ウブ:そうなんですよ! 私、ガミヤサキ(仮)がBiSに合格して本当に嬉しかったんです。だって、大好きだったから!
--合宿中になんでそこまで好きになっちゃったんですか?
ペリ・ウブ:なんでって顔が格好良いから!
一同:(笑)
ペリ・ウブ:それで合宿中に「好き!」って言っちゃって、そしたら「もうダメ! 気持ちが止められない!」ってなっていたんですけど……
パン・ルナリーフィ:本当にガチ恋だった。
ペリ・ウブ:でも辞退しちゃったから……私の恋は破れました。失恋した。
--その失恋の傷はもう癒えたんですか?
ペリ・ウブ:歌詞にしました。今度出るシングルのカップリング曲になっています(※7月4日リリース『Don't miss it!!』の2曲目「TiME OVER」)。自分を元気づける曲になっているので、いろんな人に届いたらいいなって。
--凄いですね。そうなると、彼女と逢えてよかったってことになる訳ですもんね。
ペリ・ウブ:無駄じゃなかった、何も。
※後編(5月24日公開予定)へつづく
取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:Jumpei Yamada
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