2018/05/09
クラシック音楽祭【ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2018】が5月3日から3日間にわたって開催され、初開催エリアとして加わった池袋では、東京芸術劇場前の池袋西口公園や芝生が広がる南池袋公園やなど屋外スペースでのフリー・ライブが加わり、盛況となった。
開催前は雨の予報も見られたものの、蓋を開けてみれば日中は暑いくらいの日差しのピクニック日和となったラ・フォル・ジュルネ。新しくステージとして加わった池袋の公園2つにも連日たくさんの人が訪れ、ゆったりとした休日を過ごしていた。池袋の2つの公園を音楽で彩ったのは、Orquesta Nadge!Nadge!、渋さ知らズオーケストラなどを含む20組以上のアーティストだ。
東京芸術劇場前の池袋西口公園では、キオスクステージを中心に円形にテーブルと椅子が並べられており、アップライトのピアノなどの大型楽器も設置。筆者が足を運んだ開催2日目はお昼時ということもあり、おもいおもいの食べ物や飲み物を机に広げながら、下谷楽派アンサンブルのちょっとシュールな響きにじっと聴き入るランチ時の風景が新鮮に目にうつった。
池袋駅をはさんで芸術劇場とは逆に位置する南池袋公園は、芝生広場が主役の公園だ。パーカッショニスト會田瑞樹がステージでとつとつとトークしながら現代曲を奏でるステージ横で、カフェレストラン“RACINES(ラシーヌ)”が美味しそうな匂いをさせながらチキンを丸焼きにし、子供は「ママぁー!どこぉ!?」とウロウロする。芝生で寝転がる人、おしゃべりする人、音楽に拍手する人、おもいおもいの営みが、すべて同じステージにのっているように心地よく時が流れていた。
これまでもLFJでは無料公演は沢山用意されており、門戸は広く開かれていたものの、“丸の内”という土地柄かオフィス街のロビーなどで開催されるコンサートは、どことなくオシャレな雰囲気が漂っていたように思う。フォーマルやセミフォーマルでクラシックコンサートに行くのに慣れている層からすれば充分カジュアルかもしれない。しかし一方で、夏のロックフェスなどのフリーダムな楽しみ方からすれば、まだまだ“かしこまった”印象があったのも確かだろう。
またLFJは【0歳からのコンサート】など、子供向けのプログラムを多数開催し、多くのプログラムを3歳以上のコンサート来場も推奨してきた音楽祭でもある。この“公園”ステージが加わることで、真の意味で子供達の参加が気兼ねなく、また大人も子供も気楽に参加することが出来る環境が新たに実現できたことは、特筆すべきことではないだろうか。
今年の【ラ・フォル・ジュルネ】のテーマは“モンド・ヌヴォー 新しい世界へ”。新しい音と音楽へ誘うための、扉となり、場となっていた“公園”。ゆっくり過ごすために共にある音楽、そして愛されるステージとなっていく期待と共に、来年の開催も楽しみにしたい。Text:yokano
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