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2018/04/05

5月に来日する“UK発新世代ポップ・アイコン”、デュア・リパのハリウッド・パラディアム公演レポート

 2017年にアルバム『デュア・リパ』をリリースし、5月に単独での来日公演を控えているたロンドン出身の22歳のシンガーソングライター、デュア・リパが、2月にハリウッド・パラディアムで行った公演のレポートが公開された。

 歌手であった父親の影響で幼少の頃から歌っていた彼女の抜群の歌唱力と、デビュー前にはモデルをしていたというルックスの良さで瞬く間に全世界からの人気を獲得したデュア・リパ。今回のショウはセルフタイトルツアーの一環で、ロサンゼルス公演が発表されるや否やチケットは即完売。その後追加公演が発表されるも同じく即完売し、まさにプレミア公演だ。

 この日の気温は15度。寒空の中開場前から長蛇の列ができており、待っているファン達が彼女のヒットチューンを歌いファン同士の交流している微笑ましい光景が見られる。会場内はとりわけ若い女性ファンのグループが多く、中には双子コーデ(ペアルック)に身を包む女性同士が何組もいた。また、デュアがイギリスで毎年開催されているプライド・フェスティバルで最大規模でもある【ブライトン・プライド2016】に出演したこともあってか、会場には多くのLGBTの観客が見られ、彼らもまた個性的なファッションで身を包み会場を華やかに彩っていた。オフィシャル・グッズ売り場では長蛇の列ができていて、購入したTシャツやパジャマをその場で着替えショウに意気込む人が多く見られる。会場全体がショウ開始前からものすごい盛り上がりで、デュア・リパの快進撃のすごさを改めて実感した。

 ライトが落ちた瞬間から割れんばかりの歓声が会場内をこだまする。バンドメンバーが登場し「ホッター・ザン・ヘル」の演奏が始まるとしなやかなステップで登場したデュア。彼女の登場に最前列のファンの女の子たちは泣き叫び、デュアが彼女達に視線をやり人差し指を口にあてウィンクをすると興奮がマックスに。
 
 デュアのオリエンタルな容姿と挑発的な目線、その美しさに一瞬で誰もが魅了される。美しさだけでなく容姿とはギャップのあるディープでパワフルな声と抜群な歌唱力を持つ彼女のこの日の衣装は、ハートマークがプリントされたランジェリー風なセクシーかつラブリーなトップスに、ボトムは緩めのワイドパンツ。ミュージックビデオでのモードな一面とはまた違った趣の衣装だ。

 「ドリームス」ではデュアの「ハンズアップして!」の一声で会場はジャンピング&ハンズアップ。軽快な曲なダンスチューンに観客もノリノリ。もちろんシンガロング。デュアがセクシーに腰をくねらしターンして見せ妖艶な仕草を見せたかと思うと、ハッとするようなジャンプ&ハイキックでトロリとしていた観客の目を覚ます。

 スクリーンにはデュアをアート風にしたヴィジュアルアートが映し出されると「LA! 私のお気に入りの場所!」と言って、ヒットチューンの「ブロウ・ユア・マインド」がスタートする。振り向きざまにウィンクをして下をペロリと出す彼女には、誰しもがドキッとさせられる。そしてまた「ハンズアップ!」と煽り観客とともにジャンピングで会場を盛り上げる。

 「アイ・ドント・ギブ・ア・ファック」ではスクリーンに“WARNING”の文字が映し出され、タイプライター形式で「次の曲は悪いことをした全てのクソ男に捧げます。もしよかったら中指を立てて一緒に参加して」と書き出された。女性客が狂喜乱舞したかのように歓声をあげ、中指を突き上げ「F**k boys!」と叫びまくる。この曲は“男なんてどうでもいい。(元彼に向けて)あんたの事なんてどうでもいいわ”と歌う強い女の子の意思が熾烈な曲で、ワンダー・ウーマンのように強い女性になれる気にさせられるパワフルな曲だ。サビの“アイ・ドント・ギブ・ア・ファック”の時はデュアも中指を立て力強く歌う。1曲めから観客の怒涛のシンガロングだったが、この曲ではさらに会場全体が一丸となってのシンガロングだ。この日1番のモーメントとなったのではないだろうか。

 ラストソングの「ニュー・ルールズ」ではハイソサエティなコラージュされた映像がステージに投影されていく。ダンサーと一体となりステージでフォーメンションアートが曲のラテン調をさらに引き立て、「大胆で正直になって、あなた自身を出して!」とデュアが声をかけると、そこから観客がそれぞれのダンスで応戦する。その後「体を低くしてゲットダウン!ゲットダウン!、まだ低くして!3,2,1ジャンプ!」という掛け声で会場の床が抜けるのではと心配になるほどの観客の一体感のジャンピング。この頃になると彼女のハスキーヴォイスに拍車がかかり、よりリアリティを感じる。ステージ上を始終駆け回りダンスしっぱなしなのに息切れもほぼなく、音も外さず更にパワフルなボーカリズムを披露する彼女に感心しっぱなしだった。

 1時間半のライブはあっという間にすぎてしまった。パンク・ロッカーのような、それでいて洗練されたランウェイモデルのような魅力の組み合わせでジェットコースターに乗っているかのように突っ走る彼女のステージは、一貫してファンと一体となり一緒に作りあげていく観客参加型ステージであった。そしてガールズ・パワーを強く象徴していたと思う。いくつもの違った女性をステージ上で演じ、若干22歳の女性が圧巻の存在感を見せてくれた。この後オーストラリア&ニュージーランドのツアーを経て、日本での初の単独来日公演が控えているのでお見逃しなく。なお、日本での公演は、5月8日に東京・Zepp Tokyoにて開催される。


photo & text by ERINA UEMURA

Setlist:
1.Hotter Than Hell
2.Dreams / No Light
3.Lost in Your Light
4.Garden
5.Last Dance
6.Blow Your Mind (Mwah)
7.Thinking ‘Bout You
8.New Love
9.Genesis
10.No Goodbyes
11.IDGAF
12.Scared to Be Lonely
13.Begging
Encore:
14.Be the One
15.New Rules

◎来日情報
【Dua Lipa 単独来日公演】
2018年5月8日 (火)
東京・Zepp Tokyo
1F スタンディング 8,000円 / 2F 指定席 : 4歳以上チケット必要
協力 : ワーナーミュージック・ジャパン
企画・制作・招聘 : Live Nation Japan
お問い合わせ先 : info@livetanion.co.jp

◎リリース情報
アルバム『Dua Lips / デュア・リパ』
WPCR-17628 1,980円(tax out)
発売元:ワーナーミュージックジャパン

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