2018/03/17
3月に入り卒業シーズン真っ只中。この時期になると必ずチャートの上位に入ってくる楽曲がある。それが、レミオロメンの「3月9日」だ。この曲は2004年にリースされたので、もともとは結婚式がテーマだったというが、いつしか卒業ソングの定番となった。すでに15年近く前の楽曲であるが、毎年この日付に前後して大きくチャートを上昇しており、今年も3/19付のHot100で10位にランクインしている(【表1】)。
毎年同じようにチャートインしてくるとはいえ、実は同じように聴かれているかというと、そういうわけではなさそうだ。それは去年の動向と比較してみてもよくわかる。去年は動画再生数が3/20付で21位にまで上昇していたが、なぜか今年は圏外でこのポイントはほぼ加算されていない(赤のグラフ)。しかし今年は、ダウンロードやストリーミングのポイントを大きく伸ばしており、昨年のセールスポイントの最高位が23位だったのに比べると、今年は15位にまで上昇している(紫のグラフ)。これは、昨年以上にストリーミング配信サービスを利用するユーザーが増えたのではないかと推測できる。他にも、Twitterでのつぶやき数のポイント(水色のグラフ)や、ラジオのオンエア回数(緑のグラフ)などは、ほぼ例年同様の動きをしているだけに、ストリーミングと動画の微妙なアクションの変化は非常に興味深いといえる。
いずれにせよ、「3月9日」が卒業ソングの定番として認知されていることは間違いない。季節の定番ソングというと、クリスマスや桜の時期に多いが、卒業ソングとしては、もはや「3月9日」はクラシックといっていい存在であり、形が変わっても聴き続けられる楽曲なのである。Text:栗本斉
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