2018/03/07
『スマーフ スマーフェットと秘密の大冒険』のサウンドトラックに提供した「アイム・ア・レディ」以来、1年振りのシングル「ノー・エクスキューゼス」をリリースした、メーガン・トレイナー。
メーガン・トレイナーといえば、日本でも“わたしのぽちゃティブ宣言!”という凄まじい邦題が付けられヒットした「オール・アバウト・ザット・ベース」(2014年)や、ナンパしてくる男の対処法を歌った「ノー」(2016年)など、女子の“あるある”を歌う、欧米版・西野カナ(?)的存在。新曲「ノー・エクスキューゼス」も、「あなたのママはそんな風に育ててないでしょ?言い訳しないで!」というフレーズで彼を一喝する、フェミニスト的目線で歌ったナンバー。本人曰く、アレサ・フランクリンの「リスペクト」の現代バージョンとのことだが、どちらかというとモータウンのスプリームスに近い。
サウンドは、メーガンらしさが継続されたポップ・ソウル。70年代ディスコっぽくもあり、今風のエレクトロ・ポップっぽい要素もある。2ndアルバム『サンキュー』では新しいチャレンジにも挑んだが、「ノー・エクスキューゼス」はデビュー作『タイトル』に回帰したような作りで、完璧な復活劇を演出した。節目節目で投入する「ハッ!」という掛け声が、この曲最大のポイント。彼女の魅力は、武器である歌の上手さをアピールし過ぎないのにきちんとアピールできていることと、決してカッコ良くはないが、耳に残るフレーズを生み出せること。「ノー・エクスキューゼス」はその完成形、集大成といえるナンバーだ。
「オール・アバウト・ザット・ベース」の続編ともいえる、パステルカラーの春らしいポップなミュージック・ビデオも、是非視聴していただきたい。デニムジャケットにマゼンダ・パンツのカジュアルなスタイル、シルバーのつなぎに2つに分けたおだんご頭のキュートなスタイル、そして近未来的な黒いワンピースにサングラスをかけたクールなスタイルの、3人体制・3パターンのメーガンが入れ替わり登場する。真似したくなるガーリーなダンスも含め、昨今流行りのSNS映えするビデオだ。このビデオは、60年代ではなく80年代からインスパイアされているとのこと。
楽曲は、チャーリー・プースやマルーン5などの人気シンガーを手掛ける、ジェイコブ・カッシャーとメーガン、5SOSの新曲「ウォント・ユー・バック」のプロデュースを担当したばかりの、アンドリュー・ウェルズによる共作。同曲が収録される予定の新作にも、彼らが何曲か提供するかもしれない。声帯出血による手術を経てリリースされたにもかかわらず、確立した基盤からハズさない傑作を届けてくれたメーガン。しかし、この貫禄でまだ24歳だというから驚かされる。
Text: 本家 一成
◎リリース情報
「ノー・エクスキューゼス」
メーガン・トレイナー
2018/3/2 RELEASE
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