2018/03/07
2017年は、自身初の全米1位を獲得した豪華メンバーによる「アイム・ザ・ワンfeat.ジャスティン・ビーバー、クエヴォ、チャンス・ザ・ラッパー&リル・ウェイン」と、【第60回グラミー賞】でのパフォーマンスが話題となった、リアーナとブライソン・ティラーをフィーチャーした「ワイルド・ソーツ」(全米2位)の2大ヒットで、目覚ましい活躍をみせたDJキャレドが、両曲が収録されたアルバム『グレイトフル』に続く、通算11作目となるスタジオ・アルバム『ファーザー・オブ・アサド』をリリースする。アサドとはキャレドの愛息の名前で、前作『グレイトフル』のジャケット・アートにも起用されていた。
その待望の新作から、先行シングルとしてリリースされたのが、2018年第一弾シングル「トップ・オフ」。前作『グレイトフル』の1stシングル「シャイニング」でコラボした、ジェイ・Z&ビヨンセ夫妻に加え、2016年のスタジオ・アルバム『メジャー・キー』他、数多くのアーティストの作品に起用されている人気ラッパー=フューチャーがゲストとして参加。楽曲の制作/プロデュースも4者による共作で、エグゼクティヴ・プロデューサーにはジャケットにも採用されたアサドくんもクレジットされている。
その「シャイニング」や「アイム・ザ・ワン」のような、ポップで親しみやすい要素は皆無。評論家からは早くも「記憶に残らない曲」などと批評されている。確かに、インパクトやキャッチーな要素は欠けるが、ラッパーとしてのプライドが感じられる、硬派な曲ではある。また、フックを担当しているのがビヨンセではなく、フューチャーということからも、そもそも売れ線は意識していないように思える。そのビヨンセは、ボーカル・パートではなく、曲後半でラップを披露。大絶賛された6thアルバム『レモネード』収録の「フォーメーション」や、J・バルヴィンとのコラボ・ソング「ミ・ヘンテ」でその腕前を見せていたが、「トップ・オフ」でも見事なフロウで存在感を放っている。
3者が入れ替わりラップを掛け合うスタイルは、昨年10月に発売され、今年に入ってからも上位にランクインし続けている、ミーゴス、カーディ・B&ニッキー・ミナージュの「モータースポーツ」のヒットを受けた(?)ような作り。“マイバッハ”が出てきたり、「私は2番目じゃなくてトップなの」と、フィーメール・ラッパーのようなフレーズをビヨンセが歌うあたりも、まんまというか……。ジェイ・Zとビヨンセは、曲の中で昨年11月に保護観察違反で実刑判決を受けた、ミーク・ミルの釈放と、社会への不満を訴えている。
現段階では、正式な発売日や参加ゲストなど、タイトル以外の情報は発表されていないが、昨年と同じ流れなら、初夏には2曲目のシングルと新作がリリースされるかもしれない。本作『ファーザー・オブ・アサド』からは、何曲のヒットが輩出されるのか。ヒットを狙わず、「トップ・オフ」のような高水準の楽曲が結実したアルバム、というのも面白い。
Text: 本家 一成
◎リリース情報
「トップ・オフfeat.ジェイ・Z、フューチャー&ビヨンセ」
DJキャレド
2018/3/2 RELEASE
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