チャンス・ザ・ラッパーの活躍で注目を集めるシカゴ音楽シーンの新世代R&Bシンガー、ジャミーラ・ウッズの初来日公演が、1月23日にビルボードライブ東京で開催された。
ジャミーラ・ウッズはシカゴ出身のシンガーで、同郷のアーティストであるチャンス・ザ・ラッパーのグラミー受賞作『カラーリング・ブック』をはじめ、関連作へ複数参加し話題に。2016年にはデビュー・アルバム『HEAVN』をフリーDLにてリリース、各音楽メディアの年間ベストに選出され、その後ボン・イヴェールも在籍する<Jagjaguwar>より商業リリースを果たした。ここ日本でも注目を集めている話題のシンガーの初来日公演とあり、会場には多くの音楽ファンが押し寄せ、彼女の登場を今かと待ちわびていた。
バンド・メンバーがステージに登場すると、期待に満ちていた会場の空気が一気に緊張感あるものへと変わり、観客は静かにステージを見つめていた。「HEAVEN」のイントロが流れジャミーラがステージに登場すると静寂に包まれていた空気が一変、会場からは大きな拍手と歓声が送られ、初来日公演の幕は明けた。
しなやかな歌声と浮遊感漂うメロディで会場を包み込むようにショウは進み、観客はその世界観に浸るように、リズムに身体を委ねていく。一つ一つの言葉を丁寧に歌う姿が印象的で、「LSD」「Emerald Street」ではシカゴの美しい情景が脳裏に浮かんでくる。ショウ中盤では新曲「GIOVANNI」を披露。力強いリズムが印象的な楽曲で、しなやかな中に芯のある歌声で、彼女の新たな一面を表現する楽曲となった。堂々としたパフォーマンスを披露していくなか、途中、歌詞が飛んでしまうアクシデントも。照れ笑いをする可愛らしい一面も見せていた。
また、自身の「In My Name」とデスティニー・チャイルド「Say My Name」のマッシュ・アップやニルヴァーナの「Smell Like Teen Spirit」のカバーも含む全17曲が披露され、彼女の来日を待ち望んでいたファンも大満足するショーとなった。ジャミーラ・ウッズは今後、アメリカやフランス、ドイツなどで公演を控えている。世界のステージを経て、さらに磨きのかかったパフォーマンスで、また日本のステージに立ってくれることを待ちたい。
Photo:Masanori Naruse
◎公演情報
【ジャミーラ・ウッズ】
2017年1月23日(火) ※終了
ビルボードライブ東京