2018/01/14
2017年末に放送された『第68回NHK紅白歌合戦』で初出場を飾ったアーティストらのアルバムが、1月15日付Billboard JAPAN週間セールスアルバムチャート“Top Albums Sales”で、上位にチャートインした。
例えば、CMソングでおなじみの「よー、そこの若いの」を披露し話題となった竹原ピストル。同曲が収録された2015年発売のアルバム『youth』は、放送後の1月1日~7日が集計期間である1/15付チャートで25位に入っており、いわゆる“紅白効果”が見受けられた。
このように2年前の作品のセールスが急に伸びることは非常に珍しいのだが、竹原ピストル以外の出場アーティストにも同じような動向が見られた。そのため、今回はそんな“紅白効果”を調査してみようと思う。『紅白』出場がセールスにどう影響するのか、SoundScanJapanより放送前(1月8日付)と放送後(1月15日付)のアルバムチャートから、紅白出場歌手のアルバムを抽出。それぞれの順位と売上を比較し、特に伸び率の高かったアルバム7作品をピックアップした。
[放送前] 1/8付(集計期間:2017年12月25日~31日)
[放送後] 1/15付(集計期間:2018年1月1日~7日)
竹原ピストル
『youth』
2015/11/25 RELEASE
[放送前]446枚
[放送後]1,749枚(392%↑)
エレファントカシマシ
『All Time Best Album THE FIGHTING MAN』
2017/3/21 RELEASE
[放送前]838枚
[放送後]1,360枚(162%↑)
三浦大知
『HIT』
2017/3/22 RELEASE
[放送前]875枚
[放送後]1,344枚(154%↑)
SHISHAMO
『SHISHAMO 4』
2017/2/22 RELEASE
[放送前]769枚
[放送後]1,135枚(148%↑)
Superfly
『Superfly 10th Anniversary Greatest Hits LOVE, PEACE & FIRE』
2017/4/4 RELEASE
[放送前]617枚
[放送後]1,449枚(235%↑)
ゆず
『ゆずイロハ 1997-2017』
2017/4/26 RELEASE
[放送前]976枚
[放送後]1,338枚(137%↑)
欅坂46
『真っ白なものは汚したくなる』
2017/7/19 RELEASE
[放送前]1,720枚
[放送後]4,225枚(246%↑)
まず初登場組の中では、竹原ピストル、エレファントカシマシ、三浦大知、SHISHAMOの4組が大きく売上を伸ばした。特に竹原ピストルは『youth』の他、『ピースアウト』『BEST BOUT』と、紅白で披露された曲が入っていないアルバムもTOP100入りしており、“紅白効果”は楽曲だけに留まらず、アーティスト自身の人気にも還元されていることが推測できる。
また、久々のテレビ出演となったSuperflyのベストアルバムも大幅アップ。他の年末特番に出演していないことから、この売上はほぼ“紅白効果”と言って良いだろう。他にも、大トリを務めたゆずのベストアルバムも順位を上げた。2組とも紅白では自身の代表曲を披露、その楽曲が収録されたベストアルバムがファン以外の視聴者の関心を引き、今回のセールスに繋がったことがうかがえる。
そして、欅坂46の1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』も高い伸び率を記録。それまでの年末特番では、最新シングル「風に吹かれても」が披露されることが多かったが、『紅白』での「不協和音」の緊張感あるパフォーマンスが話題を呼び、同日付のチャートでアルバムが12位にランクアップしたことから、“紅白効果”が大きかったのではないかと考えられる。
若手からベテランまで多くの出演者が盛り上げた『第68回NHK紅白歌合戦』は、話題や知名度の広がりとともに2017年上半期~リリースからかなり時間を経ている2015年の作品にまで、セールスの部分でも影響を見せた。今後もこれらの作品がセールスを伸ばしていけば、過去作の中から“2018年のヒット曲”に繋がっていく可能性も十分にあるだろう。
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