2018/01/01
70年代、そして80年代とディスコ~ファンク・シーンを席巻したバンド、コン・ファンク・シャンが2017年12月31日、六本木・ビルボードライブ東京にてカウントダウン・ライブを開催した。
31日は様々な会場でイベント開催されるが、ビルボードライブ東京のカウントダウンは、2014年のオリジナル・ジェームス・ブラウン・バンドや2016年のバーケイズなど、毎年、選りすぐりファンクバンドたちがオンステージ。日本屈指の文字通り“ファンキー”なカウントダウンを届けている。この日もそんな定評を知ってか、チケットはソールドアウト。オープニングDJをつとめたのはDJ KUMIKOのプレイもあり、開演前から会場の温度は高まっていた。
これから始まるパーティーへの期待に会場が包まれる中、午後10時30分、定刻ちょうどにコン・ファンク・シャンのステージがスタート。まずはリズム隊の3人とキーボード奏者が先にオンステージ。一足先にファンキーなグルーヴを刻みながら、ゴールドに輝く衣装に身を包んだフロントの4人--オリジナルメンバーのマイケル・クーパーやフェルトン・パイレート、カール・フラーを含む--を迎え入れる。その登場シーンだけで会場の温度感は最高潮に。冒頭から観客総立ちの状態で演奏がスタートした。
最初のレコーディング作品から数えても、すでに40年以上のキャリアを誇る彼らだけに、そのパフォーマンスはやはり卓越している。フェルトン(トロンボーン)、カール(トランペット)、ロナルド・モトン(サックス)の3管の演奏は、最初の「Nite-Liters」から大迫力。ファンクの熱で一気に畳み掛けると、続く「Candy」はディスコ調。この時点で客席は完全にダンスフロアと化した。
もちろん、こうしたファンキーな演奏の軸はリズムセクション。ブライアン・コリアー(ドラムス)、レネ・エスコヴィード(パーカッション)、エリック・ヤング(ベース)のリズム隊は、強靭でありながら大胆な部分も持ち合わせ、まさに鉄壁という言葉が相応しい。さらに、このバンドの大きな個性になっているのがギターのマイケルで、リズムパート以外に、思い切ったソロも次々と披露する。彼が加える、いわばロック的な感触が、バンドの奥行きをグッと深いものに変えていた。それ以外にも、中盤に演奏された「Got To Be Enough」で、ロナルドがサックスでDJのスクラッチプレイを模倣するような音を出し客席から喝采を浴びるなど、各プレーヤーがその高い演奏力を発揮する見せ場のパートもふんだんに盛り込まれていた。
彼らの魅力はそうしたダンサブルな曲ばかりではない。しっとりとした「(Let Me Put) Love on Your Mind」ではメインボーカルのフェルトンのファルセットボイスを中心に、巧みなコーラスワークも披露。黒人音楽の様々な要素がパワフルなエンターテインメントの中に見事に結実していた。本編終了直前の「Chase Me」の演奏前には「Let's get funky party!」と客席を再度煽り、力強い演奏でフロアを再びダンスの熱に包み込んだ。カウントダウンの準備に入る前は「チョットマッテネ~!」と愛らしい日本語の挨拶も披露、チャーミングな一面でも観客を楽しませた。
小休憩を挟んだ後、客席にはグラスシャンパンが配られ、スクリーンには2017年のビルボードライブの出演アーティストを振り返る映像が流れる。そして日付の変わる直前にはメンバーがいよいよ再登場。スクリーンに流れるタイマーに合わせて、観客とバンドが一体となってカウントダウン、新年の幕開けとともに「ハッピー・ニューイヤー!」の掛け声とクラッカーの音が会場に響き渡った。新年の喜びに誰もが包まれる中、間髪を入れずに披露されたのは「Too Tight」。メンバーと観客がコール&レスポンスで盛り上がり、またしてもダンスの温かさが会場を照らし出した。バンドはその熱を途切れさせないよう「Loves Train」「Fun」と続けて演奏。観客もそれに応えて2018年の“踊り初め”を楽しみ切った。コン・ファンク・シャンと観客の生み出す幸福な熱気に包まれ、新年の訪れを祝う最高のひと時となった2017年最後の、そして2018年最初のビルボードライブ。1年の幕開けに相応しい音楽のエネルギーを体感できる、怒涛にして至福のパーティーだった。
◎公演情報
コン・ファンク・シャン
DISCO & FUNK PARTY featuring Con Funk Shun
2017年12月31日(日)ビルボードライブ東京
http://www.billboard-live.com
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