Billboard JAPAN


NEWS

2017/12/21

the HIATUS、クラブサーキット"Jive Turkey vol.2"大阪公演レポートが到着

 12月13日、大阪・ビルボードライブ大阪にてthe HIATUSの「Jive Turkey vol.2」が開催された。今回のツアーは横浜、大阪、東京の3ヵ所のジャズ・クラブでのライブ演奏という、いつものライブハウスとは違う音空間を楽しめる公演ということもあり、チケットはもちろんソールドアウト。文字通りプレミアムな内容となった大阪公演初日、1stステージの模様をお届けしよう。

 会場にはジャズ・クラブということもあり、いつものライブハウスでのラフさとは違ったラグジュアリーな装いのファンが多く集まり、食事やお酒を楽しみながら開演の時を待っていた。開演を少し過ぎたころ、メンバーがステージに登場すると待ちわびた歓声とは別に、スーツ姿でビシリと決めた彼らの姿に驚きにも似た歓声が沸き起こる。そして細美武士(Vo&Gt)が息を落ち着かせ、1曲目「Thirst」が披露されると、一瞬にして会場の空気が変わったのを感じる。伊澤一葉(Key)が爪弾くピアノの音色はその場の空気をぐっと濃いものにし、細美の歌声が観客全員の心を引き寄せた瞬間がはっきりと伝わる。ライブハウスで観るダイナミックなステージとは違う、研ぎ澄まされた空間の中で贈られる繊細な音世界に驚きを隠せないオーディエンスたち。ステージを観るその目は大きく開き、感嘆の表情で身動きひとつせず、ただひたすらに魅入る観客も少なくない。続く「Geranium」、柏倉隆史(Dr)のビートはより輪郭をはっきりと感じさせ、ウエノコウジ(Ba)のグルーヴィなリズムが眼前に感じるように迫ってくる。原曲とのアレンジの違いはもちろんのこと、楽曲が持つ臨場感に思わず背筋がゾクリとしてしまう。

 細美はいつものようにビールを煽りつつ、「短い時間ですが楽しんで。食事しつつお酒も飲みつつ。忘年会も兼ねて、ひとつよろしく!」と挨拶を交わすと、早くもジャケットを脱ぎすて「Walking Like A Man」へ。渋みを効かせたリズムの中、5人が放つ音、声の重なりはライブハウスでは体感できない音の膨らみを感じさせる。"Jive Turkey"のステージでの伊澤の存在感はとにかく圧倒的で、音が"息吹く"瞬間に何度も遭遇させられる。「西門の味爽」ではMasasucks(Gt)の艶やかさを持ったメロが楽曲の世界観をより深淵へと進め、日本語詞ということもあってか、楽曲が見せる景色はいつも以上に豊潤に感じとれる。

 ライブ中盤には「今回は新曲を用意して来ました」と新曲「Life In Technicolor」を披露。細美がいつか使いたいと温めてきたという言葉の意味は"極彩色の命"。「何もない場所で見つけた"何か"」を想って作られた楽曲は思わず笑顔がほころぶような多幸感に溢れ、観客はみな自然とクラップで音に応える。楽曲披露後の大きな歓声に、細美は拳を握り満足げな表情を見せてくれたが、ぜひライブハウスでよりダイナミックな音環境で聴きたいという欲も出てしまったのは言うまでもない。続いて披露された「Clone」では上昇感高まるMasasucksのギターに細美の繊細かつダイナミックな歌声が合わさり、楽曲の世界観がより色濃く感じる。

 ライブ後半、メンバー全員がこの日のステージに確かな手応えを感じているようで、Masasucksは「こんなステージに立てるなんて灌漑深い」と思わずガッツポーズを、細美は「面白れーな、このシリーズ」と満足げに語る。ステージはその後も「Catch You Later」「Insomnia」など、ライブで馴染みのある楽曲を披露し、本編はあっという間に終了を迎えた。アンコールでは、「いつかこれの(Jive Turkeyシリーズ)長いのもやってみたいよね。来年もお会いする機会ありましたら、全力でお相手させていただきます!」と、早くも来年の公演へ向けてやる気を見せる細美。そして最終曲「Radio」、繊細なアレンジがバンドの持つポップセンスをより際立たせていく。感情を大いに揺さぶる細美の歌声に魅せられ、オーディエンスは堪らない気持ちに溢れ、共に手を掲げシンガロングで彼らの音に応える。最後の楽曲演奏が終わると、会場からは大きなスタンディングオベーションが贈られ、メンバーはもちろんオーディエンスもみな満面の笑みで"音楽の忘年会"を満喫したよう。

 昨年のライブ終了時にはすでに今回の公演開催が決定していたというほど、メンバー自身もお気に入りの"Jive Turkey"シリーズ。ぜひとも、来年の開催にも期待したい!

Text by 黒田奈保子
Photo by Tsukasa Miyoshi

◎公演情報
【the HIATUS】
ビルボードライブ大阪
2017年12月13日(水)・14日(木)<終了>

モーション・ブルー・ヨコハマ
2017年12月6日(水)・ 7日(木)<終了>

ブルーノート東京
2017年12月17日(日)・18日(月)<終了>

the HIATUS その他の画像・最新情報へ

関連商品

サディスティック・ミカ・バンド
サディスティック・ミカ・バンド 佐橋佳幸 堀江博久 大森はじめ シャンティ・スナイダー 奥田民生 今野雄二「サディスティック・ミカ・バンド」

2008/03/07

[DVD]

¥6,380(税込)

IMMORTALITY
(V.A.) the HIATUS WAGDUG FUTURISTIC UNITY Pay money To my Pain ent The BK Sound feat.Seasir(浅草ジンタ) ORIONBEATS LOW IQ 01 & MASTER LOW「IMMORTALITY」

2013/03/22

[CD]

¥6,380(税込)

IMMORTALITY
(V.A.) the HIATUS WAGDUG FUTURISTIC UNITY Pay money To my Pain ent The BK Sound feat.Seasir(浅草ジンタ) ORIONBEATS LOW IQ 01 & MASTER LOW「IMMORTALITY」

2013/03/22

[CD]

¥6,380(税込)

IMMORTALITY
(V.A.) the HIATUS WAGDUG FUTURISTIC UNITY Pay money To my Pain ent The BK Sound feat.Seasir(浅草ジンタ) ORIONBEATS LOW IQ 01 & MASTER LOW「IMMORTALITY」

2013/03/22

[CD]

¥2,750(税込)

Insomnia
the HIATUS「Insomnia」

2009/11/18

[CD]

¥1,320(税込)

Trash We’d Love
the HIATUS「Trash We’d Love」

2009/05/27

[CD]

¥2,640(税込)

サディスティック・ミカ・バンド
サディスティック・ミカ・バンド 佐橋佳幸 堀江博久 大森はじめ シャンティ・スナイダー 奥田民生 今野雄二「サディスティック・ミカ・バンド」

2008/03/07

[DVD]

¥4,180(税込)

サディスティック・ミカ・バンド
サディスティック・ミカ・バンド 佐橋佳幸 堀江博久 大森はじめ シャンティ・スナイダー 奥田民生 今野雄二「サディスティック・ミカ・バンド」

2008/03/07

[DVD]

¥6,380(税込)

ACCESS RANKING

アクセスランキング

  1. 1

    ロゼ&ブルーノ・マーズ、11/22大阪開催【MAMA】で「APT.」世界初披露へ

  2. 2

    <インタビュー>YUTA(NCT) ミニアルバム『Depth』に込めたソロアーティストとしての挑戦――「たくさんの経験があったから今がある」

  3. 3

    【先ヨミ・デジタル】JIN『Happy』がDLアルバム首位走行中 NEXZ/Aile The Shotaが後を追う

  4. 4

    <ライブレポート>ano「次に会う時まで必ず生きて」――ツアー追加公演完走、音楽でたどり着いた“絶対聖域”

  5. 5

    <インタビュー>米津玄師 新曲「Azalea」で向き合った、恋愛における“距離”――「愛情」の源にある“剥き身の生”とは

HOT IMAGES

注目の画像