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2017/12/09

米カントリー界代表格によるセンス抜群の楽曲揃いな最新作 / 『ホワット・メイクス・ユー・カントリー』ルーク・ブライアン(Album Review)

 米ジョージア州リーズバーグ出身、昨年デビュー10周年を迎えた中堅カントリー・シンガー=ルーク・ブライアン。俳優顔負けの甘いマスクと男気溢れるサウンドで、男女問わず幅広いファンを魅了する、現在のカントリー界を代表するアーティストの1人。

 これまでの活躍を振り返ると、2007年リリースの1stアルバム『アイル・ステイ・ミー』が、いきなり米ビルボード・カントリー・アルバム・チャートで2位まで上昇し、2009年の2nd『ドゥイン・マイ・シング』では、前作の2倍を超えるミリオン・セールスを記録。カントリー・チャートでは同2位、米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard200”では最高6位をマークし、初のTOP10入りを果たした。2010年以降は、3rdアルバム『テイルゲーツ&タンラインズ』(2011年)が2位、タイトル曲が大ヒットした4th『クラッシュ・マイ・パーティー』(2013年)と、計6曲がカントリー・チャートTOP10入りした5th『キル・ザ・ライツ』(2015年)が2作連続の全米首位に輝き、カントリー・チャートでは3作連続のNo.1獲得となった。

 本作『ホワット・メイクス・ユー・カントリー』は、大ヒットした前作『キル・ザ・ライツ』から約2年振り、通算6作目となるスタジオ・アルバム。これまでの作品は、夏~秋にかけて発売されていたが、真冬にリリースするのは初めての試み(?)で、ジャケットにも湖に向かってルークがたそがれる、哀愁漂う写真が起用された。8月にリリースされた先行シングル「ライト・イット・アップ」は、NBAのバスケット・ボール選手=ジミー・バトラーが出演したミュージック・ビデオも話題となり、カントリー・チャート6位のスマッシュ・ヒットを記録した。この曲を筆頭に、本作もカントリーとポップが融合したセンス抜群の楽曲揃う、ルーク・ブライアンらしいアルバムに仕上がっている。

 ルーク・ブライアンは、アルバムの売上のみならず、コンサートによる収入でも毎年TOP10入りするほど、ライブが人気のシンガー。本作には、「ホワット・メイクス・ユー・カントリー」や「サンシャイン、サンバーン、サンセット」、「フックト・オン・イット」など、ライブ映えするカントリー・ロックが多数収録されていて、これらの曲は次のツアーでも盛り上がりそうだ。また、「モスト・ピープル・アー・グッド」や「ランド・オブ・ア・ミリオン・ソングス」などのミディアム・チューンもすばらしく、生歌となれば涙なしでは聴けないだろう。「バッド・ラバーズ」での切ない表現もイイ。

 その他、カントリーらしさを強調したオールディーズ調の「ドリンキング・アゲイン」や、女性シンガー・ソングライターのエミリー・ウェイスバンドとデュエットした「ハングオーバー・イン・ア・ホテル・ルーム」、風通しの良いドライブのBGMにピッタリな「ドライヴィング・ディス・シング」などバラエティにも富んでいて、同じような曲が続かないよう、リスナーの立場で構成された選曲・曲順が、全15曲という長さを感じさせない。

 前作『キル・ザ・ライツ』は、初動売上34万枚をマークして、全米アルバム・チャート初登場1位を獲得した。本作で、3作連続の首位獲得を狙う。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『ホワット・メイクス・ユー・カントリー』
ルーク・ブライアン
2017/12/8 RELEASE

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