2017/11/18 12:00
来年でデビュー10周年を迎える“チェロ弾きのシンガーソングライター”分島花音(わけしまかのん)。最近では、VAMPSが贈るハロウィン・ライブ・イベント【HALLOWEEN PARTY】にチェリストとしてバンドに参加(※今年で5年連続)していたのも記憶に新しい。また、これまで多くのアニメ・テーマソングの作詞作曲/歌唱を担っており、今年も各国各地のイベントに参加。彼女の才能は音楽だけに留まらず、イラストレーター/デザイナーとして自らライブグッズ等を手がけるなど、多岐に渡り、どの活動も目を見張るものがある。そんな彼女が2017年11月・12月・2018年1月と、3か月連続で開催するコンセプトワンマンライブ【The strange treat!】が、いよいよスタートする。
今回、本人に話を伺う機会をもらい、アレコレ語っていただいた。本稿の第1回では“分島花音の始まり”について紹介、彼女の送り出す作品や表現への拘りを十分に感じることができた。またここ第2回では、そんな彼女が表現する上で用いるオリジナルの言葉、“分島花音がいま放つ言葉”の意味することについて紹介したい。(※本稿は、第1回~第3回の連載)
・第1回「若きチェロ奏者が選択した“J-POP”への道」
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/57517
分島花音のデビュー時は、音楽プロデューサー Manaと共同で楽曲を制作。その当時、『どうやったらこう違和感なく、そのプロデュースされた世界観の中の自分っていうのを見てもらえるんだろう?』と苦悩していたようだ。一つの歯車が違うことで、すべての歯車を調整していくという作業は、拘りぬいた作品を送り出す“分島花音”にとって かなりの負担に違いない。そして単独プロデュースとなってから、彼女は「心臓の音楽」と「脳の音楽」という言葉を唱えるようになる。
分島花音「アニメのテーマソングを書かせてもらうときは、自分の自我とか世界観を入れないようにしています。もともと自分の自我とか世界観が強い人間なので それを100%出したいタイプではあるんですけど、やっぱりそうすると物語があるものとの整合性がどんどん悪くなってしまうので。でも自我は全く出さないと“もう自分じゃなくて、他の方でいいじゃん”ってなっちゃうので、自分が歌うからにはやっぱり自分らしさもちょっと入れつつ、だけど自我を出しすぎずその世界観に合ったものを…みたいに、結構頭で考えることが多いので、それは『脳の音楽』。 で、そうゆうことを取っ払って、自己表現100%、自分の世界観とか自分の思った事とか、衝動的に感じた事みたいなものを音楽にしているときは、あんまり頭で考えることはしないので『心臓の音楽』って言う風に分けてますね。」
実に説明が丁寧である! これにも理由があるようだ。
分島花音「私が考えていることをそのまま作品にしたりすると、難しいらしくて『難解だ!』ってよく言われるんです。歌詞も難しいって。(なので、)人に説明するのに結構苦労するんですよ。で、何回も説明してるうちに“あ。こう言った方がわかりやすいかも!”って、一つずつ説明を増やしてったりするんです。『今回のテーマはハッピーなんです!』みたいな感じの解り易いテーマだったらいいんですけど、(さっきの話の)脳と心臓で…みたいな感じだと正しく伝えるのは大変で、毎回 説明過多になってしまいますね。」
と、これまた丁寧に話してくれる。彼女は発する言葉一つにも、キチンと自分の確かな意思を乗せているのだ。そこでTwitterの投稿にあった「私は愛されたかったんだ」という言葉の真意について訊いてみる。
分島花音「私は人前に立って目立つようなことを選びつつも、裏方的な感覚を持っているタイプで。自分が表に立ってバリバリ目立って色んなことをして“皆を巻き込みたい”って感覚がない訳ではないんですけど、基本的にそれをとりまとめて“裏で指揮している人カッコいいな”とか、“アイドルよりアイドル・プロデューサーかっこいいな”みたいな作り手・クリエイター的な気質も若干あって。だから、あんまりにも表に出過ぎて、『出しゃばりすぎてんのはどうなの?』みたいな謎の葛藤が合ったんです。それで澄まして、ええかっこしい になって『私は別にいいんです』みたいな感じの態度をとっていた時もあって。でも、そうしていると“自分の音楽をもっとたくさんの人に届ける機会が どんどん失われていくのかも”って思ってきて、『最終的にじゃあ 本来どうなりたかったの?』『音楽を目指した時に、何に憧れてどうなりたかったの?』ってなった時に、“やっぱりアリーナクラスでやりたかったり”って夢はあったので、自分の音楽に注目してほしいなってことを、ちょっとクールぶって『あ。自分そういうのいいんで。』みたいな感じの態度を取り過ぎていたなって。本当はやっぱり『もっと見てほしいし、聴いてほしいし、自分の音楽にはいい曲がたくさんあるから 知らない人がいたら知ってほしい』っていう気持ちに、もうちょっと素直になっていこうよって、10年目を手前にしてようやく思って……、ちょっと遅いんですけど(笑)」
たくさんの葛藤が本当にあったようで、この時もまた思い巡らせながら話す。理屈っぽくもあるが、それも素直な感情として受け止め切れるくらい真っ直ぐ話す。だが、“分島花音ってクール” なイメージを抱くファンも多い。そのことを言うと、本人は今の葛藤を吐露した。
分島花音「ステージに居るときと、居ないときの差がヒドすぎて、『全くもってオーラがない』と(マネージャーさんとかに)よく言われていて、もうちょっとアーティスト然として欲しいらしく……。“アーティストらしいってなんだろう?”って、それはちょっと研究しなきゃですね…。(前人の振る舞いなど)そういうのを徹底してやっていくとか? マイケル・ジャクソンとかって、やっぱりアーティスト的じゃないですか? 喋っているときでも、ステージに居ないときでも「僕は〇〇な考えを持っていて…」みたいな、そうゆうことかしら?と思って。レディ・ガガとかも普段からファッションも奇抜で、言うことも凄くストレートで…みたいな? ハァー(笑)」
ため息混じりにそんな今の悩みをぶっちゃける分島花音もまた魅了的であり、“そのままでも十分!”という思いと“どう変わっていくのか見てみたい!”という相反する思いが駆け巡る。ここで話は変わるのだが、音楽に留まらない分島花音の表現についてのこと。
分島花音「絵を描くのも好きなんですよ! 小学校の時に「マンガ家になりたい」って夢もあったくらい好きだったんです。実はオーディションを受けた時も“絵を描く仕事に就こうか” “音楽をやる仕事に就こうか”悩んでいたときで、もし受かってなかったらイラストレーターとか絵を描いて過ごしていたかもしれないですね。」
そう言う彼女は現在、イラストレーターやデザイナーとしての活動も著しく、今回のコンセプトライブに欠かせない10周年を飾るプロジェクトでもその才を発揮している。次に、その中で重要となる“とあるBOOK”の話。(第3回11/19公開)。
◎ライブ情報
3か月連続ワンマンライブ【The strange treat!】
「The strange treat! knowからの招待状」 ※SOLD OUT
2017年11月26日(日)渋谷 7th FLOOR
OPEN 18:30 / START 19:00
http://www.sogotokyo.com/event/detail?id=3536
「The strange treat! SONATAと通信①」
2017年12月31日(日)吉祥寺 STAR PINE’S CAFE
OPEN 18:30 / START 19:30
席種/料金:
・指定席 前売 5,400円(税込)
・スタンディング 前売 4,860円(税込)
お問い合わせ:STAR PINE’S CAFE 0422-23-2251
「The strange treat! SONATAと通信②」
2017年12月31日(日)吉祥寺 STAR PINE’S CAFE
OPEN 22:30 / START 23:30
席種/料金:
・指定席 前売 5,400円(税込) ※SOLD OUT
・スタンディング 前売 4,860円(税込)
お問い合わせ:STAR PINE’S CAFE 0422-23-2251
http://www.sogotokyo.com/event/detail?id=3537
「The strange treat! 物語の幕開け」
2018年1月8日(月・祝)Zepp DiverCity Tokyo
OPEN 17:30 / START 18:30
席種/料金:
・指定席 前売 5,400円(税込)
お問い合わせ:SOGO TOKYO 03-3405-9999
(月-土 12:00~13:00/16:00~19:00 ※日曜・祝日を除く)
http://www.sogotokyo.com/event/detail?id=3538
<分島花音 コメント>
『The strange treat!』は、2011年渋谷7thフロアから始まったライブなのですが、“The strange treat!”という架空のレストランにて、音楽をごちそうに見立て“おもてなし”をするというコンセプトです。今年で創業6年となります。
そして、分島花音がデビューしてまもなく十周年の節目ということもあり、過去を振り返ってまた同じ場所でThe strange traet! をリニューアルオープンさせます!
そして、スターパインズカフェ、ゼップダイバーシティと続き、2017年~2018年へと楽しく美味しくみなさんと一緒に過ごせたらと思っています。
12月のスターパインズカフェでは、初めての単独でのカウントダウンライブとなるので、どんなことになるのか今からとてもわくわくしています。
1月のダイバーシティでは、新しい試みを計画中です。チャレンジを惜しまないライブにしたいと思っています。
日常から切り離された非日常の場所。
わたしがライブで体験したい、させたい世界です。現実でつらいことや悲しいことがあっても、心に沢山美味しい音楽を食べてもらって、みなさんの人生を光で照らしたい。
遊び相手の獣を放って、見えない糸で繋がって、あなたが孤独にならないように、わたしは何度でもこの分島花音のライブという場所を作ります。
音楽は味も形も匂いも温度もないけれど、きっとあなたの人生をもっと豊かにできるはず。わたしの音楽も早くあなたに会いたがっています。
是非遊びに来てください。お待ちしています!
愛を込めて。
分島花音
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