2011/12/26
12月20日 デビュー当初からの目標であった恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンライブ【IDOL is DEAD】を開催し、特攻隊長であるメンバー ユケが卒業することを発表したアイドルグループ BiS。その卒業の真相を本人が語った。
2011年の音楽シーンに突如現れ、全裸(!?)で樹海を駆けずり廻るPVや、ももいろクローバーZへの“奇襲”等、いくつもの革命を起こしてきたBiSだが、事の始まりはそれまでソロアーティストとして活動していたプー・ルイの「アイドルやりたい」という発言だった。そうして実施されたBiSのメンバーオーディションに参加したユケは、見事合格。3月のデビューより、特攻隊長としてプー・ルイと共にグループを牽引していく存在となる。
その後、シングル『My Ixxx』のPV再生回数が85万突破、オリコンデイリーランキング26位を記録。様々なフェスやイベントに引っ張りだことなり、怒髪天からロックの心意気を伝授されるなど、その存在と音楽を新人とは思えない速度で広めていく。
しかし、9月頃からメンバー間のケンカが増え、話題性を突き詰めていくBiSの在り方に対しても疑問を抱くようになった。「私、音楽が好きで、BiSの曲がすごく好きで。だけど、BiSは楽曲を推すよりも、話題性を突き詰めていく。まぁ今はアイドル戦国時代だし、仕方ないのかなとも思っていたんですけど、でも「度を超えてはいけない部分もあるだろう」って自分の中で葛藤し始めたんです」
そして、11月 最新シングル『primal.』のPV公開を機に、卒業を決意。「『primal.』のPVが公開されて、内容を観て「あ、アカン」と思って。それまでマネージャーさんに「こういうところが嫌なんで、こうしてください」って言ってたのに分かってもらえなかった。だから「辞めよう」と決めました」
なお、12月20日 ワンマンライブ【IDOL is DEAD】にて「私、ユケことナカヤマユキコは、12月31日の下北沢SHELTERをもってBiSを卒業することになりました―――」と自ら発表した彼女は、終演後のインタビューにて「(今後は)趣味の範囲でバンドをやったり、歌ったりはしたいなと思っています。芸能活動はきっぱり辞めますけど、自分が好きな音楽を自分のペースで楽しみながらやっていきたい。ただ、その為にBiSを辞める訳ではないです」とコメント。
また、「最後に言っておきたいのは、私はBiSちゃんを否定している訳ではないんです。私がBiSを楽しんでやっていたことは間違いないですから」とも語っている。
--今振り返ると、なんでBiSに入りたくなったんだと思いますか?
ユケ:実は今年で芸歴10年になるんですけど、小学校から芸能活動はしていて。それはそれでちょくちょくやりながら、高校入った頃からバンド活動を始めるんですけど、バンドなんて長く続けられるとは思っていなかったから「手に職をつけなきゃ」って飲食経営の専門学校に通ってたんですよ。ライブハウスカフェを開くのが夢だったので、カフェオーナー科で勉強していて。クラスメイトに40代の人とか普通にいるんですけど、そのクラスの集まりとかで「店なんて歳を取ってからでもできるんだから、今一番自分がやりたい夢を叶えたら」って言われて。それで「芸能界で何かしたい」と思って「月刊オーディション」を見たときに、プー・ルイを発見して「これだ!」と。それでBiSのオーディションを受けました。
--プー・ルイに初めて会ったときの印象は?
ユケ:こいつがプー・ルイか。
--(笑)。他には?
ユケ:自分のことを「私、おバカな娘なんで、しっかりしてて、引っ張ってくれる人がいいです」って言ってて、顔がスザンヌに似ていたので「あ、スザンヌだ!」と。で、大人に囲まれて、ピリピリした空気の中でヘラヘラしてるし、ほわーんとしてるし「え~!? 大丈夫なのかな? この娘」って思ったんですけど、でも「この娘と真逆の、パンチのあるキャラが好きなんだろうな」とも思ったので、そこは計算してそういうキャラになりました。「こいつがプー・ルイか。ふむふむ。ヘッヘッヘッ」って瞬間的に思いましたね(笑)。
--実際、ユケがパンチのあるキャラになり、プー・ルイとは名コンビになる訳ですけど、心境的にはどうだったの?
ユケ:年上チームと年下チームによく分かれていたんですよ。のんちゃんとりなはむが年下チームで、なんとなく年上チームの私たちが「こうしようね」って言ったことを「はーい!」って聞いてくれる感じだったので、だったらプー・ルイと私の2人で何かを決めて作っていって、それを2人にやってもらおうっていう。……私、ぶっちゃける気満々なんですけど、大丈夫ですかね?
--どうぞ。
ユケ:最初、BiSの顔合わせしたときに、のんちゃんとりなはむのことが超心配で、次の日にプー・ルイをお茶に呼び出したんですよ。「あの2人、大丈夫なの?」って。まぁプー・ルイもほわーんとしてるから心配だったんですけど。そしたら初めてお茶したのに、すげぇ下ネタトークしてきて。「あ、この娘は大丈夫だ」って思い(笑)そこから意気投合しましたね! それで「2人でいろいろ頑張っていこうよ」ってなって。
--そこからBiSはいろいろありながらも好結果を残していく訳ですけど、どこから違和感を覚え始めたんでしょう?
ユケ:うーんと、9月ぐらいからプー・ルイとケンカが多くなったんですよ。ロックフェス【ぐるぐる回る2011】で初めて演奏も歌も生のライブをやったんですけど、プー・ルイはストイックだし、歌うことに対して真面目な娘だから、そこで衝突したりして。そのピリピリした感じが残っちゃって、トークライブをやってても上手く回らなかったりとか、だんだん「最近、嫌だな」って思うようになって。その時期に「次のPV、どうする?」って話になったんですけど、その案が超イヤで。BiSはとんとん拍子で進んでるから、汗と血と涙の結晶みたいなものを作りたいと。それで海外に行く案が出て、タイに行ってムエタイの選手と戦って怪我する、みたいな。本気で嬉しそうに話してるんですよ。「え?」みたいな。
--なるほど。
ユケ:その辺からですね。私、音楽が好きで、BiSの曲がすごく好きで。だけど、BiSは楽曲を推すよりも、話題性を突き詰めていく。まぁ今はアイドル戦国時代だし、仕方ないのかなとも思っていたんですけど、でも「度を超えてはいけない部分もあるだろう」って自分の中で葛藤し始めたんです。
--でもそれまではBiSの特攻隊長として、その“BiSらしさ”みたいなものを一緒に構築していた訳ですよね?
ユケ:私、自分から進んで「面白いことをやろう」って言ったことはないんです。ダイブも元々渡辺さんの指示だったし(笑)。ブッキングも自分から進んでやった訳じゃないんですよ。最初はプー・ルイと2人でいろんなところに電話しまくっていたんですけど、プー・ルイがいろいろ悩んでガクンと落ちちゃって。「でもCDは発売するし、やるっきゃない!」とひとりで動き出したら、私がブッキング担当みたいになっちゃって。まぁそれでも良いと思ってやっていたんですけど、そもそも私は人と喋るのもそんなに得意じゃないんで。
--では、一生懸命に特攻隊長を演じていた。ということなのかな?
ユケ:私、頭で何も考えないんですよ。「あ、はい」って何でも了解してすぐ行動しちゃうんで。流れに乗っていただけなんで!
--考えないから、特攻隊長はやれたと(笑)?
ユケ:そう(笑)。でも考えるようになっちゃったんですよね。それで「辞めたいな」と思うようになった。
--「辞める」と決意したタイミングは?
ユケ:『primal.』のPVです。あれが公開されるまでは、メンバーに相談して、渡辺さん(マネージャー)に相談して、松隈ケンタさん(サウンドプロデューサー)に相談して「もうちょっとやってみたら?」と言われていて。で、川崎CLUB CITTA'での生誕ライブがあったじゃないですか。研究員さんたちが祝ってくれて、それで「もうちょっと頑張ってみようかな」と思ったんですよ。そしたら次の日に『primal.』のPVが公開されて、内容を観て「あ、アカン」と思って。私は事前に観せてもらえず、何の許可もなく2ちゃんねるに上がってるプリクラも使った。それまで渡辺さんに「こういうところが嫌なんで、こうしてください」って言っていたのに分かってもらえなかった。だから「辞めよう」と決めました。
--プー・ルイがユケへの想いを語った単独インタビューには、どんな感想を?
ユケ:最初はイラっとしましたよね。「あれだけ相談してたのに」って。プーは相談すると、優しいからちゃんと話を聞いてくれるんですよ。だから「分かってくれてる」と思ってたんです。でも私、プーがあのインタビューを受けた後に2人でお茶して、いろいろ話したんです。プーは「いろいろモヤモヤしている部分があって、あんなインタビューになっちゃってゴメンね」って謝ってくれて。で、私もイラっとはしたけど、プーが「一緒にBiSを引っ張っていきたかったのに、ユケが変わっちゃった。だから戻ってきてほしい。今、信じられるのはのんちゃんだけ」って言っているのには、すごく悲しくなっちゃって。それで「ごめんね」って言って。「一緒に引っ張っていきたかったんだけど、私にはできなかったから、本当にごめんね」みたいな感じになったんです。
--そして、12月20日 ワンマンライブ【IDOL is DEAD】を迎えた訳ですけど、どんな想いで臨んだ感じだったんでしょう?
ユケ:みんなに卒業を発表するのが超怖くて、人生で最大に緊張しました。こんなに自分が緊張する生き物だとは思わなかった。だから最初の『nerve』は憶えてないですよ。リハもボーっとしちゃって全然集中できなかったし「やばい、どうしよう? どうしよう? どうしよう?」のまま発表となりましたね。
--今はどんな心境なの?
ユケ:今は……ポカーンってなってます。さっき、TBS「ライブB」にBiSが出ているのを観て嬉しかったけど、別にBiSを卒業することに後悔はしてないです。
--これからどうしていくの?
ユケ:地味に細々と暮らしていきます。
--ユケが? 本当に?
ユケ:まぁでも趣味の範囲でバンドをやったり、歌ったりはしたいなと思っています。芸能活動はきっぱり辞めますけど、自分が好きな音楽を自分のペースで楽しみながらやっていきたい。言っちゃうと、BiSを辞める前に組んでいたバンドなんですけどね。ただ、その為にBiSを辞める訳ではないです。
--では、最後に。ユケにはファンがいた訳ですよ。ユケがそこにいるだけで熱狂して、ユケがツイートするだけで反応して「好きだ、好きだ」と言ってくれる。あのファンたちのことはどう思っていますか?
ユケ:大好きです。大好きなんですよ、本当に。でも芸能活動は辞めちゃいますからね。……どうしましょうね(笑)? 私のファンって、私の顔が好きな訳でもないし、物販で握手するのが好きな訳でもないと思うんですよ。ステージで暴れている私が好きなんだと思うんです。だからまたどこかで、私が歌っている姿を見せられたらなと思います。大々的ではないけれど、たまたま行った場所で「ユケが歌ってた!」みたいな感じで気付いてもらえたら嬉しいかな。そしたら「私、元気だよーー!」って言う。あと、最後に言っておきたいのは、私はBiSちゃんを否定している訳ではないんです。私がBiSを楽しんでやっていたことは間違いないですから。
--プー・ルイがのんちゃんへの想いを語った単独インタビューには、どんな感想を?
のんちゃん:ありがとうございました。凄いインタビューでしたね。「ここまで載せちゃうか」と思いました。実際、ルイちゃんも書いてましたけど、ほとんど使われないと思ったことをそのまま使われているっていう。見る方によってはすごく“分かる”インタビューだったなと思って。
--プー・ルイへの鬱憤はありませんか?
のんちゃん:ないですね。あのインタビューでルイちゃんが自分のことをあんな風に思ってくれていたことを知って、逆に嬉しかったです。
--12月20日 ワンマンライブ【IDOL is DEAD】を迎えた訳ですけど、実際にやってみていかがでしたか?
のんちゃん:関係者の方で「ちょっとどこが良いのか、よくわかんねぇ」みたいなことを書いている方もいらしたんですけど、それでも私たちのファンということをプロフィールに書いてない方でも「よかったです」と書いて下さってる方がたくさんいたので、間違いじゃなかったなと思えました。
--ユケの卒業についてはどう思っていますか?
のんちゃん:「そうなんだぁ」と思いました。悩んでいるのは、本人のブログを見て分かっていたんですけど。この後ですか? どうなるのか、まだよく分からないんですけど。
--りなはむ卒業のときも同じことを言ってましたね。
のんちゃん:そうなんですよ~。でも「よく分からない」と言いつつも、結局何とかなってるっていう。
--何とかなるだろうと?
のんちゃん:そうなんです! 気合いで頑張るしかないです! 頑張ります! うふふふふ。
--プー・ルイがゆっふぃーへの想いを語った単独インタビューには、どんな感想を?
ゆっふぃー:「あと1日遅くインタビューしてほしい」と思いました。あのインタビューが録り終わって、下北FMへ行くまでの間にプー・ルイさんとの誤解が解けたんですよ。だから解けた後にインタビューしてほしかったなっていう(笑)。
--解けてたらストーカー発言はなかった訳ですよね?
ゆっふぃー:それは解けててもすると思います。
--プー・ルイへの恨み辛みをお願いします。
ゆっふぃー:えー!? 言えないです、そんなの!
--言えないってことは、あるんだ(笑)?
ゆっふぃー:えーっと、ずっとビビってました。最初、私が「辞めたい」とか言っているときに、そんな根性のない私がいけなかったんですけど、本当にどうしたらいいか分からなかったんです。それで『My Ixxx』のインストアライブが続いたり、【BiSフェス】が開催されたり、そういう状況が全く分かってないまま仕事をしていたから、やっぱりプー・ルイさんは私に対してイライラしていて。というので、怖かったですね。楽屋にいたくなかったですよ(笑)。
--今は大丈夫なの?
ゆっふぃー:今は大丈夫ですね。でも当時は「帰りたい」ってずっと思ってて。もう怖くて話しかけられないから、ひたすら勉強してました(笑)。
--12月20日 ワンマンライブ【IDOL is DEAD】を迎えた訳ですけど、実際にやってみていかがでしたか?
ゆっふぃー:あっと言う間でした。感動もしたし、いろんな発表もあったから、思うことはいろいろあるんですけど……。「とりあえずリキッドのワンマンまで頑張る!」みたいな気持ちがみんなにあったんですけど、終わってみたら「これもまた通過点だったんだな」というのが分かったというか。その日にTBS「ライブB」をみんなで観れて、どんどん良い方にBiSが向かっている感じがするので、このまま止まらずに行きたいなって思いますね。
--ユケの卒業についてはどう思っていますか?
ゆっふぃー:ユケさんが決めたことだから、それは受け止めて。私たちは私たちで頑張るしかないのかなと思います。これからのBiSですか? どうしましょう?
プー・ルイ:幸せになってください。それがすべてです。
渡辺さん:お幸せに!
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