2017/09/20 14:30
9月18日に30歳の誕生日を迎えた大森靖子が、東京・下北沢GARDENで【大森靖子生誕祭~ OVER 30 OVER THE PARTY】を開催した。
ゲストにジョニー大蔵大臣(水中、それは苦しい)、ぱいぱいでか美といったインディーズ時代から親交の深いアーティストを迎え、会場を埋め尽くした満員のファンや大森のサウンドを支えるバンド・メンバーとともに、誕生日を祝福した。
この日のチケットは発売直後にソールドアウト。大森の筆跡で「一生大森靖子」と背中に大きく書かれたデザインの限定Tシャツも早々に売り切れるなど、普段のライブ以上にコアなファンが集っていることがうかがえた。
オープニングに登場したのは、ジョニー大蔵大臣(水中、それは苦しい)。昨年の生誕祭にも出演しているジョニーは「今年残ったのは僕とぱいぱいでか美だけ。敵は一人もいない!」と1年前からこの日に合わせてスケジュールを空けていることも告白。「ここにいる一人一人に伝えたい新曲」といいつつ「安めぐみのテーマ」の替え歌「大森靖子のテーマ」を披露し、「おっと! オトタケ」では大森の「絶対彼女」を引用したフレーズを歌い上げると、会場は笑顔に包まれた。
続いて登場した「自称弟子」のぱいぱいでか美は、大森がプロデュースした「PAINPU」や、オリジナル曲「タイムカプセル」などを熱唱。「こうした節目の年にお祝いできることがうれしいです。頼まれてないのにスケジュールを空けていた人しかここに来られていないみたいなので、来年のスケジュールも空けておきます(笑)」と愛情たっぷりに話すなど、巧みなトークとライブで盛り上げた。
転換を挟み、今年からともにツアーをまわっている大森率いるバンド「シンガイアズ」のメンバー、あーちゃん(G / きのこ帝国)、畠山健嗣(G / H MOUNTAINS)、えらめぐみ(B / 股下89)、サクライケンタ(Manipulate, G, Perc, etc)、ピエール中野(Dr / 凛として時雨)、sugarbeans(Key / Tommy&Sammy)がステージに集結。そこに大森がくわわると、生誕祭のタイトルにもなっている「Over The Party」からライブがスタートした。「Over 30 オバサン」という歌詞をふくむ同曲を歌い終えると、大森は「30歳になってこの曲を歌えて、本当に本当にうれしい!」と興奮気味に語った。
中盤にはアルバム「kitixxgaia」から「JI・MO・TOの顔かわいいトモダチ」を初披露するという、思わぬプレゼントも。そして8月30日に発売したばかりのTK(凛として時雨)プロデュースの楽曲「draw(A)drow」以降は、シングル曲を立て続けに演奏。7月まで行っていたツアー「大森靖子 2017 LIVE TOUR "kitixxxgaia"」では披露されなかった「POSITIVE STRESS」も飛び出すなど、場内のボルテージはどんどん上昇していった。
一瞬の静寂を経て、繊細なピアノの音と大森の歌声が響くと「オリオン座」がはじまる。大合唱に包まれながら、大森は客席ひとりひとりと目を合わせて、ときに優しくうなずくような仕草を見せた。再びバンドがくわわり、9月27日に発売されるアルバム「MUTEKI 」から新曲「流星ヘブン」を演奏。そしてツアーでも本編最後に披露されていた「アナログシンコペーション」を力強い演奏で披露し、本編を終えた。
アンコールは、sugarbeansの演奏を合図にはじまった「ハッピーバースデー」の大合唱からスタート。すると、この日出演したぱいぱいでか美、ジョニー、塚本が大きなバースデー・ケーキとともにステージへ。CDジャケットなども手掛ける青柳カヲルがこの日の為に描いた大森のイラストがプリントされたケーキを前に、本人も満面の笑顔を見せた。
大森は「今年の生誕はただいっぱい好きな曲を歌いました。お客さんがそれを楽しんでくれて、その様子を私も見ることができて最高の気持ちです。楽しい誕生日になりました」と感謝。「私はライブがあれば無敵! こんなライブを一緒に作ってくれるみなさんが大好きです」と思いを伝えた。
「マジックミラー」など3曲を演奏して、この日のラストを飾ったのは「音楽を捨てよ、そして音楽へ」。渾身の音を奏でるバンドに応えるように、大森がメンバーひとりひとりの名前を絶叫し、えらやサクライと抱き合う場面も。そんな彼女に対してサクライが後ろを向いて、背中に書かれた「一生大森靖子」の文字を指差すと、大森はうつむいて肩を震わせる。その姿を見て、あーちゃんが後ろからギュッと抱きしめる。それぞれの思いが交錯するなか、大森は再び顔をあげて正面をまっすぐに見つめると「私の音楽はあなたのものだ!」と叫び、客席にマイクを向けた。そして最後に「私の音楽を愛してくれてありがとうございます!」と改めて感謝の言葉を述べて、全19曲に及んだ演奏は終了。ワンマン並の大ボリュームとなった生誕祭は幕を閉じた。
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