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2017/07/21

ゆず、Suchmosなどが出演、日本最大級の野外フリーコンサート【FM802 MEET THE WORLD BEAT 2017】ライブレポートが到着

 7月16日、毎年恒例、今年で28年目となったFM802の日本最大級の野外フリーコンサート【FM802 MEET THE WORLD BEAT 2017】が万博記念公園もみじ川芝生広場で開催された。ジャンルや世代を問わず織り交ぜられた、FM802ゆかりの10組が登場し、FUNKY STAGEとHOT STAGEで交互に色とりどりの音楽を届けた。立っているだけでも汗がにじむような暑い気候の中、7,000組14,000人のリスナーがスタート前から集い、今か今かと開演を待ち望んでいた。

 12:35頃~ Suchmos (FUNKY STAGE)
 「PEACE OF LOVE!MEET THE WORLD BEATよろしく!」、そう言ってYONCE(Vo.)が登場すると、期待の歓声が上がった。波音から始まる1曲目「Pacific」では「揺れよう~身を任せよう」と歌に乗せて、灼熱の会場に彼らの故郷・茅ケ崎の海辺の風を吹かせる。ステージで手を叩き踊るYONCEと共に観客も心地好くリラックスした空間を味わっているところへ、ギラついたシンセサイザーとひずんだギター、皮肉った歌詞が印象的な今月リリースのロックナンバー「WIPER」をかます。YONCEは「暑いね。でも絶対に負けない。僕のほうが絶対に暑い!色んなアーティストがこの後も出てくるイベントだから。音楽にはボーダーがない。これからボーダレスに音楽を楽しんでってください」とメッセージを届け、「STAY TUNE」を披露。ラジオ局のイベントのトップバッターとして完璧なステージを務め上げた。

 13:00頃~ GLIM SPANKY (HOT STAGE)
 赤髪にタイダイ柄の衣装の松尾レミ(Vo.&Gt.)がハスキーボイスで歌えば、会場の視線は釘づけ!ストレートで攻撃的な代表曲「怒りをくれよ」ですぐに熱気ムンムンに。3曲目に、濁った大人になるもんかという想いを込めた「大人になったら」。ゆっくりとした曲ながらも、炎天下の中音楽を聴きに来たオーディエンスを肯定する強い言葉を歌う姿にグッとくるものがあった。太陽の日差しを真っ向から受けに行くように前に出てギターソロをかきならす亀本寛貴(Gt.)の姿もステージに映える。短い時間ながらヒリヒリしたブルースを奏でていた。

 13:50頃~ SHISHAMO (FUNKY STAGE)
 爽やかな胸キュンソングで観る者の気持ちを若返らせたのはSHISHAMOだ。招待制の本イベントは、音楽ライブを初めて観に来たような若者も目立つ。そんな中、好きな男の子とフェスに来た女の子を描く「君と夏フェス」を聴くと、この会場でも彼女たちが表現するストーリーがリアルタイムで進んでいるような気がしてドキドキする。そんなピュアな恋心を歌ったかと思えば、「夏の恋人」では、じりじりした暑さの中、気怠く、寂しさを抱えつつもしっかり芯のある強い声で、切ない恋愛に溺れる女心を歌う。会場では幅広い世代の胸を打ち、大きな拍手が巻き起こった。ベースラインとカッティングギターでこれまでと違う装いを見せた新曲「BYE BYE」、そしてCMでもお馴染みの「明日も」を鳴らし、会場後方まで盛り上げた。SHISHAMOは、もうルーキーではなく、若い世代のヒーローとなってイベントを背負っていく力をつけたことを実感した。

 14:25~ 片平里菜 (HOT STAGE)
 夏らしい真っ白な衣装に身を包み、無垢な歌声で会場を魅了したのは今年初の対バンツアー行脚中の片平里菜。アコーディオンで懐かしい空気を作り出す「Come Back Home」ではヘビーローテーションとして彼女をプッシュしたFM802を「ホーム」とし、「ただいま!」と笑顔で手をあげて感謝を伝えた。福島出身の片平が「名前と故郷を誇りにここへ歌いに来ました」とギター一本を持って挨拶する姿は眩しい。自分のルーツを見つめ直して生まれた、まさに人生の原点の曲「なまえ」では、風でロングヘアをなびかせながら、目を閉じて家族への愛を歌い、観客それぞれも自身と向き合うような余韻を残していった。

 14:45頃~ 藤原さくら (FUNKY STAGE)
 「みなさんこんばんはー間違ったーこんにちはー藤原さくらですー」と頭からほんわかしたMCに微笑みが漏れるオーディエンス。自身がヒロインとして出演したドラマの主題歌であり彼女が世に出るきっかけとなった「Soup」など、キュートでまっすぐなラブソングを歌った後に演奏した、全編英語詞の「Necklace」では"かわいい"だけではなく"かっこいい"印象も受ける。大人なムードを漂わせる「「かわいい」」でもピンクの照明の中、スモーキーな声を際立たせ、ドラマで彼女を知ったようなオーディエンスにも歌手としての自分を知ってほしいという気概が感じられた。

 15:30頃~ 福耳 (FUNKY STAGE)
 暑さのピークが過ぎて日差しも和らいできた頃、メンバーが登場するなりざわつきと拍手が起こった。福耳の登場だ。"新制・福耳"として5年ぶりにリリースをする今回のメンバーは、杏子、山崎まさよし、岡崎定義(COIL)、あらきゆうこ、元ちとせ、スキマスイッチ、長澤知之、秦基博、さかいゆう、浜端ヨウヘイ、松室政哉の12名。杏子が「今宵~♪」と、「星のかけらを探しに行こう」を歌い出したところで大きな歓声が上がった、また、美しいハーモニーを野外イベントで聴ける気持ちよさに思わず感謝した。「ひまわりの約束」のイントロのギターフレーズが始まると、これまでで一番、会場が盛り上がった。続く「セロリ」では立て続けに名曲が響き渡る贅沢さに、唸るような声も聞こえた。秦 基博作の「Swing Swing Sing」や長澤知之が書いた「ブライト」など新曲もしっかり彼らの色が出つつの福耳アレンジで、会場の気持ちの高まりがグングン感じられた。何の説明もいらない程の満足感のあるステージだった。

 16:10頃~ RIRI (HOT STAGE)
 登場して第一声目で全員がビクッと惹きつけられた瞬間を目にした。17歳現役女子高生のR&Bシンガー、RIRI。まだあどけなささえ残る顔から飛び出したハイパワーボイスがとてつもなかった。堂々たるステージングで「GOLD」「Heart Can't Lie」を歌った後、"Hoo!"と自身も楽しんで歌っている様子に圧倒された。何も恐れていない、ここに呼ばれたチャンスを絶対に成功させてやるというパワーだった。小さい頃からビヨンセやディスティニーズ・チャイルドの真似をして踊っていたという彼女はまさに、R&Bスターが乗り移ったかのように思えるくらい、日本人離れしたソウルシンガーだ。ミディアムテンポで落ち着いた低音からサビで一気に歌い上げる「RUSH」の後、客席から、大きな拍手が巻き起こったのが印象的だった。

 17:00頃~ クリープハイプ (FUNKY STAGE)
 曇り空が広がり、雨がぽつりぽつりと降って風も吹く中「じゃあいきまーす」と尾崎世界観(Vo.&Gt.)が言うと「HE IS MINE」から良い意味で「寄せにいかない」ステージがスタートしてにやけてしまった。「知ってる人は、一緒にどうぞ」と「夏のせいにすればいい」というフレーズで多くのファンを虜にした「ラブホテル」を演奏してギターを両手で掲げる。メジャーデビュー後初のFM802出演前夜に飲みすぎた失敗談で会場を笑わせ、「絶対にヤバいだろうなと思ってたのにここに立てて嬉しいです」と不器用な愛の伝え方が彼らしい。次いで「5%」では、決して綺麗な恋じゃないのにその歌詞の切実さに胸が痛んだ。「インディーズのとき夏の暑い中汗まみれでバイトしていたトイレで、802の【MINAMI WHEEL】に出れることが決まって…802はロックバンドの味方だと思ってるし、これからもお世話になりたいし、たまにはお世話したいです」そう強い目つきで言って「憂、燦々」を歌った。

 17:35頃~ 尾崎裕哉 (HOT STAGE)
 前日の深夜に東京の生放送番組に出演しその後駆けつけた尾崎裕哉。白Tシャツにデニムという姿で登場し「この曲は僕の両親に書いた曲です。みなさんも大切な人を思って聴いてください」という紹介で「始まりの街」を披露した。雨が止み、曇天が明るくなってきて、夕日が顔を覗かせた景色に、偶然にも「遠い空から見守ってるきっと」という歌詞が重なる。そして初披露の映画主題歌でもある新曲「Glory Days」は、壮大なサウンドに力強いヴォーカルがプラスされ、振り向けば後ろの方まで彼に注目が集まっていた。葛藤と闘いながら自分の道を進んでいく詞の内容が彼の境遇とシンクロし、多くの者に勇気を与える時間だった。

 17:55頃~ ゆず (FUNKY STAGE)
 1曲目の「サヨナラバス」からいきなりヒットチューンで沸かせる。煽らずとも自然に観客も一緒に大声で歌っている様子はさすがである。おもちゃ箱のように転がる可愛らしいメロディの「イロトリドリ」では14,000人が一斉にタオルを振り回し、一面にカラフルな景色が広がっていた。スーパーポップが、どこまでも明るく観る者を元気づける。「タッタ」では、バックダンサーたちも登場。まるで"うたのおにいさん"のようにオーディエンスに丁寧に優しくダンスを教える北川悠仁の姿に笑ってしまった。だが恥ずかしいくらいのダンスを、会場の後ろの後ろまでさせ、子供も大人も笑顔で飛び跳ねさせてしまうのは、ゆずにしかできない魔法によるものだった。そしてラストは誰もが待ち望んだ「夏色」。「夏色くん1号」から飛び出すジェットスモークに、「1,2,3,4!」の合図で飛び出す銀テープ。終わっても鳴り止まない手拍子に「バカヤロー!お前らタダだろー!?もう帰りましょうよー!」と笑わせながらも、「みんなラジオいっぱい聴いてくれてありがとー!」と何度もアンコールに応え、盛り上がりは最高潮へ。「元気ですかー!?ゆずは元気だぞー!」という北川悠仁の言葉通り、ステージで一番はしゃいでいたのはゆずの2人だった。会場をキラキラした笑顔で埋め尽くした。

 ヒートアップした【FM802 MEET THE WORLD BEAT 2017】は、まだ終わらなかった。片平里菜、藤原さくら、RIRI、福耳、尾崎裕哉、ゆず、FM802DJたちが登場し、ゆずの「栄光の架橋」をセッションした。この日しか観られないシーンに、大きな拍手と歓声が沸き起こり、6時間を超えるイベントは幕を閉じた。

 このイベントの模様はFM802で8月4日に特別番組『FM802 MEET THE WORLD BEAT 2017 SPECIAL』として放送される。

Taxt by 稲垣遥
写真提供: FM802

◎イベント情報
【FM802 MEET THE WORLD BEAT 2017】<終了>
万博記念公園自然文化園「もみじ川芝生広場」
2017年7月16日(日)
出演:尾崎裕哉、片平里菜、GLIM SPANKY、クリープハイプ、Suchmos、SHISHAMO、福耳<杏子、山崎まさよし、岡本定義(COIL)、あらきゆうこ、元ちとせ、スキマスイッチ、長澤知之、秦 基博、さかいゆう、浜端ヨウヘイ、松室政哉>、藤原さくら、ゆず、RIRI
協賛:SUNTORY、HORIBA、NTTドコモ、アットホーム、SUNSTAR、ネスタリゾート神戸
協力:大阪府日本万国博覧会記念公園事務所、日本郵便、ぴあ、パナソニック メンズ グルーミング、赤い風船、GUNZE BODY WILD
後援:J:COM、スペースシャワーTV

◎後日特別番組
FM802『FM802 MEET THE WORLD BEAT 2017 SPECIAL』
2017年8月4日 18:00~21:00
DJ:大抜卓人 / 土井コマキ

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