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2017/07/14

ヴェネツィア国際映画祭2015にて多数受賞『ブランカとギター弾き』主演のサイデル圧巻の歌声披露

 映画『ブランカとギター弾き』の特別試写会が7月14日に渋谷・ユーロスペースにて開催され、長谷井宏紀監督と、主演のサイデル・ガブテロが登壇した。

 本作は、窃盗や物乞いをしながら路上で暮らしている孤児の少女ブランカと、盲目のギター弾きピーターの心を揺さぶるヒューマンストーリー。日本人として初めてヴェネツィア・ビエンナーレ&ヴェネツィア国際映画祭の全額出資を得た気鋭の長谷井宏紀監督が、メガホンを取り世界の映画祭で主要な16の賞を受賞した話題作だ。

 音楽が劇中で大きな役割を果たしていることについて、長谷井監督は「ジャマイカの旅に行ったり、ルーマニアの人達と生活したり、音楽と日常が一緒になる場所に行くことが好きで、彼らの日々を祝福している音楽がとても好きだからです」とコメント。この日が初めての来日となるサイデルは、監督との久しぶりの再会に対し「すごく嬉しい」と笑顔でコメントし、「東京に着いてホテルに行ったら、監督が踊りで迎えてくれました(笑)」と仲の良さを明かした。そして「撮影が20日間あったんですけど、本当にいろいろな経験をしました。初めての映画、初めての演技だったので本当に現場での色んな思い出があって一生忘れられない思い出です」と胸の内を語った。

 また、撮影についてサイデルが「監督が冗談を言ったり踊ったりしてくれて本当に笑いの絶えない現場でした」と振り返ると長谷井監督は「歌うシーンでは、自分が1番ノッていたかも。モニターを見ながら踊っていました(笑)」と温かい現場の様子を明かした。

 イベントの後半には、サイデルによる歌の披露も。歌のプレゼントに沸く客席に向けて披露された曲はフィリピンへの愛国心が込められた「AKO」、子供から親への想いが込められた「ANAK」、そして劇中でもクローズアップされ、監督による歌詞をタガログ語で歌うフィリピンの民族音楽「CARINOSA」の3曲だ。サイデルはこの日「CARINOSA」を歌うにあたり、「この曲を主演でもあるピーターに捧げたいと思います。そして皆さんこの曲を気に入っていただけると嬉しいです。」とコメント。彼女の13歳とは思えない圧倒的な歌唱力とパフォーマンスが会場全体を魅了した。長谷井監督は「いいね、最高」と感慨深げにコメントし、「また、彼女と一緒に映画作りたいな」と想いを明かした。サイデルは、これから鑑賞する観客に向けて「お家に帰る時に目に涙がうかんでるといいなと思います」と締めくくった。

◎公開情報
『ブランカとギター弾き』
2017年7月29日(土)より、シネマスイッチ銀座他にて、全国順次公開

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