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2017/07/08

イングリッシュ・ナショナル・バレエ来日、「このバレエ団は前進あるのみ」

 イングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)が16年ぶりに来日し、7月6日に都内で記者会見を行った。

 ENBは2012年に、英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルだったタマラ・ロホが芸術監督に就任。以降、画期的なプロジェクトを次々と打ち出し、2016年度に英国ナショナル・ダンス・アワード7部門ノミネート(2部門受賞)、さらに2017年度にはローレンス・オリヴィエ賞ダンス部門の業績賞などを受賞している。

 タマラ・ロホ芸術監督は、「視野を広くもち、バレエ以外の芸術の成果を取り入れながら、伝統を重んじつつも過去にとらわれない方向性を目指している。たとえば演劇の分野で、シェイクスピアの本質を保ちながら、現代人が楽しめるような演出や解釈を見せているように」とコメント。そして、自分自身がバレエの伝統が浅いスペインに生まれたことで、むしろ様々な伝統を取り入れることができたとし、今後も「コンテンポラリーも含めて、多様な伝統の最良の部分を取り入れていきたい」と意気込みを述べた。そして、今回上演される2演目ともにタマラ・ロホのパートナー役を務めるメキシコ出身のダンサー、イサック・エルナンデスは「色んな国の出身で、様々なヴィジョンを持ったダンサーやバレエ・マスターたちが集まり、理解し合って創造を行っているバレエ団というのは、ありそうで、なかなかない。伝統あるバレエ団が黄金期を取り戻そうとしている一方で、このバレエ団は前進あるのみ。つねに未来を見つめている」と力強く語った。

 今回、上演されるのはENBの看板演目の1つでもある『コッペリア』と、パリ・オペラ座でも上演しチケットが完売するなど、世界的にも注目を集めている『海賊』だ。

 同バレエ団で最高位となるリード・プリンシパルを務め、『コッペリア』 でスワルニダを踊る高橋絵里奈は「大家族のように過ごしてきたカンパニーと一緒に、故国の日本で主役を踊れるのは夢のよう。日本人以外の仲間たちもこの公演を楽しみにしていた。自分の生き方や想いをバレエで伝えていければ」と母国でのステージに期待を膨らませた。また、ロホ芸術監督から「カリスマ的アーティスト」と高い評価を得、『コッペリア』のフランツと『海賊』のアリアを踊るセザール・コラレスは「『コッペリア』のフランツはこれがデビュー。『海賊』は花火のようなスーパー・エンターテイメントで、自分が出ていなければチケットを買って舞台を見たいくらいだ」と、間もなく開幕する来日公演への期待を膨らませた。イングリッシュ・ナショナル・バレエの来日公演は、東京文化会館にて開催される。

◎公演情報
【イングリッシュ・ナショナル・バレエ2017年来日公演】
『コッペリア』 全三幕
2017年7月8日(土)13:00
2017年7月8日(土)18:00
2017年7月9日(日)14:00

『海賊』プローグ付全三幕
2017年7月14日(金)18:30
2017年7月15日(土)14:00
2017年7月16日(日)14:00
2017年7月17日(月・祝)14:00


photo(C)Maiko Miyagawa

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