2017/06/23 17:30
24年ぶりのオーストラリア・ツアーを発表したポール・マッカートニーが、2017年6月21日に豪コメディアンのティム・ミンチンとのフェイスブック・ライブ・インタビューに応じ、前回オーストラリアを訪れた時のの思い出や、今年で50周年を迎えたザ・ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の裏話など、30分ほどのセッションの内容は多岐にわたった。
中でも興味深かったのが若いアーティストとのコラボレーションに影響を受けるかという質問に対する答えで、リアーナとカニエ・ウェストとの共作「フォー・ファイヴ・セカンズ」を例に出し、レコーディングの裏話を明かした。
「他のアーティストと仕事をするのは好きだよ」というポールは、「カニエの場合、マネージャーから電話をもらって、”カニエ・ウェストが一緒に仕事をしたがっているんですが”って言われたから、”いいよ”って言ってやることになった。最初はちょっと不安だったよ、だって大失敗に終わるかもしれなかったからね。でも彼が何をするつもりなのか、どうやって作業をするのかに興味をそそられた。案の定、とても興味深いプロセスだったよ。(カニエは)要するに曲作りをしないんだ。要は話をして、ちょっとピアノを弾いたりして、それを全部スマホで録音するんだ。で、彼はどこかへ消えて何やら色々いじって、それが彼のレコードになる。でもやってみてすごくよかったよ。自分はああいうやり方じゃなくて、大抵ギターを使ってやるからね」とカニエの仕事ぶりを明かした。
そして彼は出来上がった曲について、「その後3か月ほど待たされて、その間”よう、元気かい?”くらいしか連絡が来なかった。だから僕はずっと、”僕たちの曲は完成したのか?何かレコードを出すのか?”って聞くべきかずっと考えていた。そうこうしている内に届いた曲が、なんとリアーナの曲だった。僕は、”すごくいいじゃないか!”って思ったけれど、彼に電話して、”これ、僕も参加してるの?”って尋ねたんだ。すると彼が、”ああ、そうですよ。あなたがギタリストなんです”って言うから、”覚えてない”って言ったら、”速くしたんですよ”って言われた。つまり(音を)操作したんだよ」と驚いたことを明かしている。とはいえ、すぐに『サージェント・ペパーズ』を思い出し、「僕たちも操作するのが大好きだった。だから今可能なことが当時できていたら、きっと僕たちも没頭していたと思う。当時もスピードを少し速くしたりしたからね」と、現代のアーティストの曲作りに共通するものを感じたと語った。
そして彼は、ザ・ビートルズについて、「僕たちは最高にタイトなバンドだったっていつも言ってるんだ。僕にとってビートルズが貴重なのはそこなんだ。最高にタイトなバンドが限界を超えてどんどん広がって行ったわけだけど、僕たちは集まって、”ワン・フォー・ザ・マネー”ってやれば、みんな分かってた。タイトでいいバンドだった」と回顧している。そして当時の自分については、「サウンドのクオリティよりは、レコーディングした当時のこと、若かった自分たちに思いを馳せるんだ。”エリナー・リグビー”みたいな曲を書いた時、僕はまだ20代半ばかそこらだったんだよね。だから今歌っていると、”これ、結構いいじゃないか。この若者は悪くないね。この歌詞はいいよ。The face by the jar by the door……”って思うんだ」と語っている。
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