2017/04/26 18:00
アルコール飲料『ZIMA』の日本発売20周年を記念して、福岡、大阪、東京の三都市で【ZIMA MUSIC FIGHTERS】が開催された。4月23日に渋谷 Clubasiaで行われた東京公演には、DJ RENとI Don't Like Mondays.が出演。クラブハウス、ライブハウスの垣根なく、幅広い音楽シーンで親しまれてきた『ZIMA』だが、同じようにジャンルの枠を飛び出て活躍するこの2組がミュージック・バトルを繰り広げた。
まず司会者として登場したのは、ケツメイシがプロデュースする8人組ユニット、1 FINGERのMC・IMANISHI。「『ZIMA』の偉い人、僕は『ZIMA』で育ちました」とわざとらしい媚を売って笑いを取りつつ、「僕とかグループを知ってる方いらっしゃいます?」とフロアに投げかける。しかしその数を見て、「みなさんは正直な大人ですね。じゃあ次、嘘もらってもいいですか? ……僕のこと知ってる人!」と半ば無理やり大勢の手を上げさせるなど、イベントの司会を務めるのが初めてとは思えない達者な話術でフロアの雰囲気を温めた。
その後、IMANISHIの紹介から、DJ RENがメイン・ステージ向かって後方二階のDJブースに登場。2001年より本格的なキャリアをスタートさせ、2014年にはRedBull主催のDJ大会【RED BULL Thre3Style】で日本チャンプの座に輝いたDJ REN。2016年からはDJ KMとのユニット・2WISTEDでも活動するなど、クラブDJとバトルDJの両面を持ち合わせており、自らを「ALL MIX」と称する多彩なスタイルと洗練された技術で人気を博している。
この日のプレイはMAN WITH A MISSION「Emotions」でスタート。巧みなスクラッチとエフェクトを用いて、RADWIMPS、BUMP OF CHICKENなど知名度の高いアーティストから、04 Limited Sazabys、キュウソネコカミなど、今の時代を駆け抜ける人気バンドのナンバーを繋いでいく。プレイリストは事前に募集されていた「夏フェスで聴きたい楽曲」が基になっているため、選曲の自由度は低くコネクトが難しいところだが、歯切れのよいKANA-BOON「ないものねだり」のアウトロから、切なさ余るASIAN KUNG-FU GENERATION「ソラニン」のイントロへの流れにも滞りがない。スピード感溢れるプレイは約20分続き、1st SETはSPYAIR「イマジネーション」で幕を閉じた。
再び姿を現したIMANISHIのコールを受け、前方のスクリーンに浮かび上がったのは「I Don't Like Mondays.」の文字。ボブ・モージズ「Tearing Me Up」のSEが流れ出し、ステージ袖からメンバーが登場すると、フロアからは悲鳴にも近い歓声が上がる。2012年の結成当初から彼らが掲げてきた“流行に敏感なオシャレな女の子を躍らせる”というテーマ、そして「クラブハウスとライブハウス、どちらが好きな子も楽しませたい」という想いも既に現実。1曲目に演奏されたファンク調の「FIRE」、この<カラダ中溶けてしまいそうな感覚は初めて/Oh girl 君はその気にさせるのが上手いね>という刺激的な歌い出しから、早くも“オシャレな女の子”たちがそれは楽しそうに躍りまくる。
白いTシャツにスタジャンを羽織り、シンプルながらアダルトな雰囲気を漂わせる悠(vo)、彼の「この瞬間、今日という日、最高に楽しまないと損だと思いませんか? Come on! Put up your hands!」という掛け声から、ステージが『ZIMA』のラベル・カラーでもある鮮やかなブルーに染まり、「Google Play Music」のTVCMで耳にした人も多いだろう「Freaky boy」へ。兆志(g)は艶っぽいレスポールの音色を響かせ、謙二(b)と秋気(dr)もダンサンブルでグルーヴィなリズムを刻み、オーディエンスに<We're on the dance floor Shake it together>というリリックを体現させる。演奏後、これには悠も「最高だなあ、おい」と笑顔で呟いた。
さらに、6月7日にリリースを控えているEP『SUMMER』の収録曲でもあるメロディアスなナンバー「PRINCE」を披露すると、「明日はなんと、僕たちの嫌いな“月曜日”です」と悠が口を開く。その間も止まない嬌声にもまた余裕を感じさせる笑みをこぼし、「来週、一週間また始まって、つらいときとかあると思うんですけど。たまにはこうやって躍ったり歌ったりしたりして、また頑張っていけたらいいなあ、と思っております。せっかくなので、知らない者同士が一緒に歌ったらどうなるか、っていうのを試してみたいんです。いいですか?」
そしてそのエレガントな声がなぞったのは「Don't look back」の1フレーズ。ポジティブ思想を強要するわけでらなく、ごく自然に人の顔を上げさせるような彼らのパワーを受け、会場全体によるシンガロングが巻き起こる。この勢いそのままに、「俺らの音楽がみんなのエネルギーになればいいな、と思って曲を作ってます。また疲れたらいつでも遊びに来てください」と語り、海外メインストリームを感じさせるEDMサウンドとバンド・サウンドの融合が見事な「TONIGHT」を披露。最後にライブハウスにもクラブハウスにもフィットするバンドの存在感を示し、I Don't Like Mondays.はステージを去っていった。
その後、IMANISHIは「いやあ、マジでヤバかったですね。男の僕でも抱かれたいと思っちゃう」と興奮気味に語っていたが、彼らは“流行に敏感なオシャレな女の子を躍らせる”と掲げながら、否応なしに男性をも躍らせる。セレブリティ・ロックバンドというスタンスからアイドル的でファッショナブルな面に目が行きがちだが、音楽性にこそI Don't Like Mondays.の魅力を見出す人は少なくないはずだ。
ラストは再びDJ RENのターン。1st SET、そしてI Don't Like Mondays.のステージで充分に体が温まり、より自由に体を動かすようになったオーディエンスが会場のクラブハウス色を濃くしていく。スタートを飾ったサカナクション「アイデンティティ」のフレーズ・ループからTHE ORAL CIGARETTES「起死回生STORY」へと流れ、その後はSuchmos、[Alexandros]、flumpoolなど、こちらも絶大な人気を誇るバンドの数々、さらにはプライマル・スクリーム、オフスプリングという洋楽ナンバーも。そして再びのサカナクション「セントレイ」で【ZIMA MUSIC FIGHTERS】は締めくくられた。
あとに残ったのは、手元で空き瓶となった『ZIMA』の“酔い”と、火花の散った音楽の“余韻”。いつの時代もアルコールと音楽は多くの楽しい時間を作り上げてきた。例えば月曜日が憂鬱であればあるほど、その楽しい時間はより貴重なものとなるに違いない。日曜日の夜、人々の顔に浮かぶ笑顔には一点の曇りもなかった。
テキスト:佐藤悠香
■I Don't Like Mondays.
◎セットリスト
【ZIMA MUSIC FIGHTERS】
2017年4月23日(日)東京・渋谷 Clubasia
01. FIRE
02. TOKYO BROTHERS
03. Freaky boy
04. Super Special
05. PRINCE
06. Don't look back
07. WE ARE YOUNG
08. TONIGHT
◎リリース情報
EP『SUMMER』
2017/06/07 RELEASE
<初回限定盤>(CD+DVD)
COZP-1304~5 / 3,600円(tax out.)
<通常盤>(CD)
COCP-39906 / 1,600円(tax out.)
◎ミュージックビデオ
「PRINCE」http://youtu.be/51yFUQeAtNo
「TONIGHT」http://youtu.be/qv3Uc4vh2ew
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