2017/04/18 17:30
4月15日と16日の2日間、千葉・幕張メッセにて【ザ グレートロックンロール関ヶ原2017】と題した“対戦型”フェスが開催された。15日は気志團主宰【氣志團万博】とVAMPS主宰フェス【VAMPARK FEST】による【~氣志團万博 vs VAMPARK FEST~】、16日は10-FEET主宰【京都大作戦】の10・リーグと【氣志團万博】の氣・リーグによる合同フェス【~万博大作戦日本シリーズ~】を行うというもの。ここでは、初日の【氣志團万博vsVAMPARK FEST】をレポートする。
会場に入ると、まず目に飛び込んできたのは2つに区切られ左右に分かれたステージ。片方に【氣志團万博】、もう片方には【VAMPARK FEST】のモチーフがそれぞれ描かれており、ステージの周りにはのぼり旗も設置されていた。予測のつかない“対戦型フェス”は、氣志團がトップバッターで登場すると、綾小路翔(vo.)の“戦太鼓”を思わせる華麗なドラムソロで戦いの火蓋が切って落とされた。序盤から「愛してナイト!」「喧嘩上等」などをアレンジが施されたメドレー形式で披露すると会場の熱気はぐんぐん上昇。MCでは綾小路が「ロックンロールは仲良しこよしのものじゃない。俺たち強い男と戦ってみたいんだ!」とフェスを仕掛けた想いを明かし、対戦相手のVAMPSに対しては、「あんなに後輩に慕われててさ、氣志團みたいになりたいって奴まだ見たことないぞ!」と嫉妬心も覗かせた。さらに「勝ち負けとか優劣はないけど、真剣にぶつけ合うから。俺たちに任せておいて!」と開幕を宣言した。
一方、VAMPARK FESTの先陣を切ったのはASH DA HERO。「うちの大将が買った喧嘩、直属の後輩であるASHも買いにきました!」と高々に意気込みを放った。「You Gotta Power」「反抗声明」などを演奏し、観客に中指を突き立たせ「くそくらえ!!」と叫ばせるその姿は、デビュー2年目と思えぬ貫禄。そして「HELLO NO FUTURE」では、中指をピースサインに変え見事に戦の先鋒という役目を果たした。
氣志團万博軍の2番手は、“非モテ、コミュ障、引きこもり界のプリンス”であり“万博軍のデストロイヤー”と綾小路に言わしめる岡崎体育。「Explain」や「Natural Lips」を立て続けに披露するが、MCのボケ、ダンス、口パクともはや何でもありのステージで見事に会場の雰囲気を掴んでいく。そして、「FRIENDS」では楽屋にいる両陣営の出演者に向かって「バンド、ざまあみろ!」と叫ぶバチバチの挑発に会場も大盛り上がり。岡崎は終始「ばり楽しいー!」と叫びながら、大きな舞台で爪痕を残した。
続くVAMPARK FEST軍の2番手、MY FIRST STORYのステージは「Smash Out!!」や「モノクロエフェクター」でオーディエンスを熱狂させる。ラストナンバー「不可逆リプレイス」でHiro(Vo)がフロアに入り、オーディエンスに支えられながら「今日この素晴らしいフェスに最後までいられないんですけど、どうしても皆に会いたくて来ました!」と叫ぶと会場からは大歓声が起こった。対する氣志團万博軍からはSPYAIRが登場。「ROCKIN' OUT」「サムライハート」で会場を沸かせるとバラード曲「Be with」を熱唱した。そして、VAMPARK FEST軍の中では異色ともいえるOKAMOTO'Sは、「何で俺らがVAMPARK軍かというと、ロンドンでVAMPSさんと一緒にライブをしたことがあって」と理由を説明。「うまくやれ」ではクラップが鳴り響き会場が一体感に包まれた。ハマ・オカモト(Ba.)が「ありがたい。無視されたらどうしようかと思ってた…」と口にするとオカモトショウ(Vo.)は「皆のその楽しむ姿勢、最高! もっと楽しんでいこう!」と呼びかけ「Beautiful Days」で締めくくった。
勢いある若手バンドが続く中、氣志團万博軍から“刺客”として送り込まれたJと女王蜂のコラボレーション・J王蜂が登場。氣志團の「ゴッド・スピード・ユー!」で幕を開けると、意表を突かれた会場の熱気が急上昇。そしてJの「Feel Your Blaze」、女王蜂の「金星」などを次々に投下し、激しく妖艶なパフォーマンスでオーディエンスを魅了した。Jは、「このコラボとここからの景色、最高でーす!」と叫び、アヴちゃん(Vo.)が「紆余曲折あった女王蜂にいつも優しくしてくれて、Jちゃんありがとう」と微笑みかける。2組は「また絶対このコラボやります!」と約束し、最後にLUNA SEAの「TONIGHT」が披露されると会場はひときわ大きな歓声と拍手に包まれた。
中盤に差し掛かり、悲鳴のような歓声で迎えられたのはDIR EN GREY。MCは一切挟まず、序盤から「Revelation of mankind」「空谷の跫音」など緩急の激しいナンバーをストイックに展開していく。京(vo.)の幅広い声域と歌唱法、重厚感あるバンドサウンドが轟く「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」にオーディエンスは陶酔。そしてラストは「Un deux」で締めくくり、圧倒的なステージングを見せつけた。
その後、モーニング娘。OGとして矢口真里、保田圭、石川梨華、吉澤ひとみ、藤本美貴が登場すると雰囲気は一転。「抱いてHOLD ON ME!」に始まり「BABY! 恋にKNOCK OUT!」「恋をしちゃいました!」とヒットナンバーを立て続けに演奏。先日発表された石川の入籍をメンバーが祝福すると石川は「幸せですけど、今日はもっと幸せです!」と笑顔を見せた。全員が30代に突入したというメンバーたちは、「前半から飛ばしすぎました…」と息を切らしながらも「LOVEマシーン」「恋愛レボリューション21」で切れのあるパフォーマンスを披露し、オーディエンスは一緒になって踊りながら多幸感を噛みしめていた。
いよいよ終盤に突入し、VAMPARK FEST軍からは副将・sadsが出陣。「CRACKER'S BABY」がスタートすると清春(Vo.)が「突っ込め突っ込め幕張ーー!」と煽り立て、会場は一気にヒートアップ。MCでは、清春が開口一番に「モー娘。よかったよね。ミキティ―!」と和ませた次の瞬間「そういや、今日から新しいベーシストが入りました」と突然の発表が告げられ、YUTARO(Ba.)が紹介された。ファンが歓声を上げる中「See A Pink Thin Cellphane」「Hate」を次々と投下。ラストナンバー「THANK YOU」ではサークルピットも出現し、攻撃的かつ色気を纏った新生sads初のステージは最高のスタートを切った。
氣志團万博軍のラストを飾ったのは、グループ魂。港カヲルは、あらかじめ綾小路から「次がVAMPSさんなので“時間厳守”で」を頼まれたことを明かすも「時間なんて守ったことないんだよこっちは!」と言い放ち「HYDE先輩を35分で討ち取ったり!」と宣戦布告。「モテる努力をしないでモテたい節」「職務質問」などを披露し、破壊(Vo.)は「おい、引いてんじゃねえVAMPSファン!」とスリッパを敵陣のステージに向かって投げつける。いつもながら“やりたい放題”のステージは会場を大爆笑の渦に包み込んだ。
そして、ついに初日のトリであるVAMPARK FEST陣の大将・VAMPSの登場。「INSIDE OF ME」からスタートし、「LIPS」でヘッドバンギングが巻き起こると、HYDE(Vo.)は「氣志團をやっつけにきたぜー!」と会場の一体感をさらに高めた。さらに新曲「IN THIS HELL」「RISE OR DIE」を披露。ラストはHYDEの「全員一緒じゃないと、ピリオドの向こうに行けねえぞ!」という掛け声から「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」を演奏し、氣志團から挑まれた戦いを最高潮の盛り上がりへと運んだ。
全ての陣営がアクトを終えると、再び氣志團がステージに。オープニングでも披露した「One Night Carnival」で、曲の中盤に“恋ダンス”を強引に取り入れるパフォーマンスにオーディエンスは大爆笑。こうして、大盛況の中イベントは幕を閉じた。綾小路がオープニングのMCで「大丈夫?みんな趣旨分かってる?最後まで見たら伝わると思うから!」と述べていたが、氣志團の“ロックンロール”にかける熱い想い、その想いを汲み共に参戦した氣志團万博軍、それらを受け止め全力で応えたVAMPARK FEST軍の情熱がぶつかり合っているのを目の当たりにした観客は、十二分に“対戦型”フェスを堪能することができたはずだ。
photo:釘野孝宏
photo:青木カズロー
text:神人未稀
◎イベント情報
【ザ グレートロックンロール関ヶ原2017】
【氣志團万博 vs VAMPARK FEST】
日程:2017年4月15日(土)
会場:千葉・幕張メッセ 国際展示場9~11ホール
時間:開場 9:00 / 開演 10:30
出演:
<氣志團万博軍>
岡崎体育、氣志團、グループ魂、J王蜂 (J×女王蜂)、SPYAIR、モーニング娘。OG
<VAMPARK FEST軍>
ASH DA HERO、VAMPS、OKAMOTO'S、sads、DIR EN GREY、MY FIRST STORY
【~万博大作戦日本シリーズ~】
日程:2017年4月16日(日)
会場:千葉・幕張メッセ 国際展示場9~11ホール
時間:開場 9:00 / 開演 10:30
出演:
<氣・リーグ>
VAMPS、氣志團、キュウソネコカミ、ニューロティカ、BOYS AND MEN、ももいろクローバーZ
<10・リーグ>
湘南乃風、10-FEET、東京スカパラダイスオーケストラ、藤井フミヤ、ヤバイTシャツ屋さん、ROTTENGRAFFTY
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