2017/04/08
春休みに入り、映画市場が活況を呈している。とくにこの春は、アカデミー賞絡みの作品公開も多く、恒例の国内アニメの人気シリーズとせめぎあっているような状況だ。そんななか、サウンドトラック盤が続々とチャートの上位に入ってきている。
まずはなんといっても『ラ・ラ・ランド』だろう。今週のHot Albumsでは5位だが、すでに6週間連続でベスト10にランキングされている(【表1】)。2/24に映画公開され、その後アカデミー賞の発表とともに話題に上り、早くもこの春公開の映画興行収入では37億円越えで1位。音楽の評価も高いということで、サントラもじわじわとヒットを続けているのだ。いわゆるミュージカルということもサントラ勝因の要素だが、映画自体の満足度にも比例しているのだろう。セールス数はもちろんだが、ルックアップ(CDのPCでの読み取り数)も追随している(オレンジのグラフ)。これはレンタルでもかなり稼働している証拠。映画の公開が続く間は、チャートもまだまだ上位に残ることだろう。
同じく、Hot Albumsで19位を記録した『モアナと伝説の海』の日本語版サウンドトラックにも注目しておきたい(【表2】)。この映画も3/10に公開されてから大ヒット中で、興行収入では『ラ・ラ・ランド』に続く2位となっている。こちらも映画公開後からチャートインし、3/27付で最高位の13位を記録。サントラ自体はそれほど派手なキャスティングではないのだが、やはり映画の内容の高評価がサントラの売れ行きにつながっているのだろう。こちらのセールスは少し落ち着いたようだが、ルックアップは徐々に上昇中(オレンジのグラフ)。ということは、まだまだ伸びしろもあり、映画の公開期間によってはさらにアップする可能性もある。サントラは密に映画とリンクしていることもあるので、その後の話題性などによっても変化していくはず。チャート的にも注目しておきたいアイテムなのだ。text by 栗本斉
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