2017/04/05
このところ2年に一度はビルボードライブに出演しているレベル42。改めて言うまでもなく、1980年代初頭のブリティッシュ・ジャズ・ファンク・ムーヴメントをシャカタクと共に盛り上げた人気グループだ。中心的存在であるベース&ヴォーカルのマーク・キングは現在58歳になっているが、今なお非常にアグレッシヴでそのファンク&ロックなスピリットにさらなる磨きがかかっている感じがする。個人的には2011年以来のライヴ鑑賞となるがその時はとにかく音が大きかった、というのが一番心に残っている。ビルボードライブという”箱”でやるにはパワーが大きすぎる、そう痛感したものだが(特にマークのベースが唸り過ぎていた)、今回の公演は素晴らしいまとまりで、ホーン・セクション3人を従えた全7人のバンドは、これぞまさにチームワーク!そう思わずにはいられないものだった。チームワーク、と言っても、アンサンブルを重視したこじんまりまとまったものではなく各自の個性をしっかり打ち出した理想的なサウンドで、マーク・キングによる雷のようなスラップは歌のバックでも常に唸りを上げているし、もう1人のオリジナル・メンバーであるキーボードのマイク・リンダップも昨今の簡素化するキーボーディストとは違って4台の鍵盤をまさに自由自在に操っている。ヴォコーダー的なサウンドも新鮮だったし、随所で聴けるファルセットを中心とした歌唱もグループには欠かせないものだ。まさに、絶品。
それから、前回観た時は確かホーンはサックス1人だったと思うが3人のセクションになることによってアメリカのソウル・グループのステージ・パフォーマンスを思い出さずにはいられなかったし、ドラムスを除く6人での”振り”まで出てくるのだから、これは楽しいステージ以外の何物でもない。そう言えば、1曲目から一番前のテーブルのお客さんがほとんど立っていて、しかも、よくよく拝見すると、ほとんどが若い女性だったことに驚かされた。その多くの人がレベル42のTシャツを着て、曲によっては歌詞を口ずさんでいる光景がなんとも新鮮だった。
演奏された楽曲は、約70分のステージということもあり「Something About You」、「Lessons In Love」、「The Sun Goes Down」、他のヒット曲も次々に登場。最近の曲はよく知らない…というファンでも100%満足出来る内容だ(ただ、アンコールがなかったのはちょっと肩透かしだったが…)。それにしても、聴きたい曲がまだまだあり、そういった意味では、彼らもやはり名曲、ヒット曲の多いグループだと改めて感じさせられる。レベル42というと、ジャズ、ファンク、そして、テクニカル…といった印象が大きいが、しかし、それよりなにより、素晴らしい楽曲を生み出し演じる人たちだということ。そしてそれがデビュー35年以上を経過してもトップを走り続けられる理由だと思う。次回も絶対に観に来たい!
Photo:Yuma Totsuka
Text:中田利樹(COOL SOUND Inc.)
◎レベル42公演情報
ビルボードライブ大阪 2017年4月3日(月)
詳細:https://goo.gl/EN9roA
ビルボードライブ東京 2017年4月4日(火)~5日(水)
詳細:https://goo.gl/yqjptY
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