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2017/01/03

Beach Goth 2016レポート - DAY 2 -

西海岸のサイケロックバンドThe Growlersがキュレーターの今年で5回目となるミュージックフェスティバル。会場はカリフォルニアのサンタ・アナにあるミュージックヴェニューThe Observatoryと、ヴェニューの隣接した駐車場がアウトドアステージとなっており。屋内外合計4つのステージ構成。

小規模ながらラインナップにThe Growlerが選出するバラエティに富んだラインナップと、ロサンゼルスからさほど遠くないこともあり、年々動員数が増えて規模も大きくなっている。会場内には、パーティーフォトグラファーのCobrasnakeことマーク・ハンターのがLAで経営している古着屋も出店していた。

今年はヘッドライナーにBon IverとJustice、キュレターのThe Growlersは両日出演、初日のホストにコメディアンのエリック・アンドレと合計58組が出演した。
また出演者以外のアーティスト(ビースティー・ボーイズのマイクD、プロスケートボーダーのトニー・ホーク、ハリウッド女優のクリステン・リッターなど)やハリウッドスターなどがフェスティバルに遊びに来ていた。

- DAY 2 -
La Femme
フランスのインディロックバンド。
ハロウィンが近いこともあってメンバー全員がハリーポッターに海賊など仮装して登場。
どこかノスタルジックでサイケ的要素を持つ彼らの曲は観客をダンスに誘うのは簡単だった。

Kali Uchis
フコロンビア出身シンガーソングライター
ソングライティングセンスとファッションセンスでティーンエイジャーから多くの指示を得る彼女。
この日もビキニトップとデニムに80’s風のサングラスで現れた彼女で小雨が降り出した会場にトロピカルな風を運んで来た。
M.I.Aのようなメッセージ性の高いリリックに初期のグウェン・ステファニーのようなルックス。彼女のソウルフルなヒップホップで群衆を沸き立たせ、ステージの端から端まで官能的なダンスは、あっという間にフロアを満員に埋め尽くしてしまった。


Broncho
アメリカオクラホマ出身のインディロックバンド。今年リリースした『Double Vanity』が好評でUSツアー中の彼らがBeach Gothのインドアステージ登場。
雨の為、多くの観客がインドアステージに押し寄せていた。
開始直後からジャムセッションがスタート。曲間も途切れることなくジャムで繋げる。
ヒットチューンの『Class Historian』『Try Me Out Sometime』『It’s On』ではフロントマンのライアン・リンジーが観客とのバリケード上で踊り、満員のフロアのエナジーをプッシュアップする。
そしてドリームポップ調の『Fantasy Boys』ではブルーのライトとライアンのファルセットがシンクロして心地よい空間にする。バンドはこの後出演するThe Drumsファンをも魅了してしまった。

Devendra Banhart
雨が激しく降り出した中デベンドラとバンドメンバーが登場。雨宿りしていた観客も彼らの登場と同時にステージに戻って来た。
「こんなに雨なのに来てくれてありがとう。僕は今日は”雨に唄えば”のジーン・ケリーだね」とジョークを言う。
天を見上げ激しく降り注ぐ雨を見つめるデベンドラに観客の祈りはひとつ「雨よ止んで」と。『A Sight to Behold』のアコースティックギターソロが雨とともに心にしみる。
一向に降り止まない雨に対しどんどんエキサイトするバンドと観客。『Lover』での観客の大合唱は圧巻!
来年4月の来日公演が待ち遠しい!

Future Islands
雨が止んだステージにフロントマンのサム・へリングが拳を突き上げながら登場して来た途端、地鳴りのような歓声が。彼特有の猛獣のように胸元を叩くパフォーマンスをファンも真似する。
サムの鋭い目力と個性的なダンスと、パワフルな歌声は一度見たらその残像が目に焼き付いてなかなか忘れられないほど強烈だ。
パンキッシュなビートからThe Smithのようなメロディアスな曲へ、その後シンセポップの曲と観客に畳み掛けていく容赦ない展開。40分とコンパクトなショウでは物足りない!もっと見たいと思わせるステージだった。


The Drums
バンドメンバーの脱退を繰り返しタフな時期を乗り越え、戻って来た彼らを多くの観客が待っていたのだ。フロントマンのジョナサンは何度も観客の手を取り「ありがとう、ありがとう」と言う。
バリケードの上を平均台を渡るように歩き歌う姿はどこか儚げで切ない。
代表曲『Let’s Go Surfing』では割れんばかりの大合唱が起こり会場が一つになった。

RL Grime
雨でフェスティバルが一時的にクローズし、彼が出るステージも封鎖された。柵の向こうに封鎖が解かれるのを待つ多くの観客が。みんなのストレスが爆発しそうだ。バリケードが開けられた途端観客がステージ目掛けて走って来た。
キングオブトラップとの呼び声が高いRL Grime。オリジナル曲『Tell Me』や The Prodigy、Kanye Westの曲などトラップ独特のリズムで観客は踊りまくり。『CORE』がプレイされると観客の興奮はマックスに達しフロアはカオスと化した。


Grimes
前出のRL Grimesから多くの観客が彼女を待っていたがステージがなかなかクリアにならない。
大雨で機材の一部に不具合が出たらしく修復に追われている。ステージ上には水たまりが出来ていてスタッフが総出で拭いている。それがクリアになっても一向に彼女が出てこない。
観客のGrimesコールは時間が経つにつれ大きくなって行く。
それなのにステージにあった機材を片付け始めたスタッフ。観客の不安が募る。
するとGrimes本人がステージに出て来て「自分の口でごめんなさいって伝えたくて出て来たの。
どうにか機材をクリアして出演したかったのだけど、どうにもならないって分かったの。だから今夜はパフォーマンス出来ない。とても辛い。本当に歌いたかった。ごめんなさい」と何度も頭をさげる彼女に、観客は拍手で応えた。

JUSTICE
グザヴィエ・ドゥ・オズネとギャスパール・オジェからなるフレンチエレクトロDJデュオ。
10年前から彼らのLAでの人気は絶大で、Steve AokiやSoul Wax, MSTRKRFTなどと一緒に小さなクラブでプレイしていたのが今では夢のようだ。
観客は『We Are Your Friends』の大合唱で彼らをステージに迎えた。
ニューアルバム『Woman』から新曲や、『D.A.N.C.E』や『Civillzation』『Stress』などオールドチューンも雨の中待っていたファンの為なのか取り入れる。この日はDJセットであったもののライブセットに引けを取らない爆音でロック炸裂のステージに観客は始終興奮しっぱなしだった。
ステージを終え、2人が観客へ拍手をし感謝の意を見せ、グザヴィエはステージにひざまづき何度もおじきして見せたのだった。

Photo & Report:ERINA UEMURA

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