2017/02/13 10:30
英国発ファッション・ブランド<ALLSAINTS>とビルボードライブがタッグを組んで開催するライヴ・イベント【Fashion with Music】。その第1弾が2月9日にビルボードライブ東京で開催となり、幅広い世代から絶大な支持を受ける4ピース・バンド、THE BAWDIESが出演した。
60年代のロックンロールやR&Bを深くリスペクトし、独自の感性でその魅力を伝承してきたTHE BAWDIES。Billboard JAPANでのインタビュー(http://www.billboard-japan.com/special/detail/1825)でも答えている通り、ファッションにも強いこだわりを持っている彼らだが、イベント開催日の前日にリリースしたニュー・アルバム『NEW』は、ルーツへの愛を下敷きにバンドの“NEW=変わらない新しさ”を提示する、現在進行形のロックンロール・アルバムだった。古くから密接な関係を築き、その時代の先端を映し出してきた音楽とファッション。これらをテーマとした本イベントの初回ゲストとして、彼らに白羽の矢がたったのは必然だったとさえいえる。
イベントは2ステージ制で行われ、2ndショーではLINE LIVEでの生中継も実施されたが、本稿では1stショーの模様をお届けする。
ステージに登場したバンドは早速オーディエンスをスタンディングさせ、「まずはご挨拶がてらに」と「THE EDGE」「HELLO」と『NEW』収録の最新ナンバーを曲順通りにプレイ。前作アルバム『Boys!』のリリース以降、武道館公演やヨーロッパ・ツアーなどを経て鍛え上げられたアグレッションが、ジャズ・クラブ然としたビルボードライブ東京でも炸裂する。
さらに、この日は豪華なゲスト陣のラインアップもスペシャルだ。SCOOBIE DOのナガイケジョー(Ba)がROY(Vo/Ba)に代わりベース参加した「EMOTION POTION」では、メンバーに“THE BAWDIESの新メンバー”と言わしめるほどに、バンドの呼吸を一糸乱さぬベース捌きでグルーヴ・メイクに一役買っている。そこに、SOIL&“PIMP”SESSIONSから丈青(Piano)、タブゾンビ(Trumpet)、Mountain Mocha Kilimanjaroから栗原健(Tenor Saxophone)が参加することで一気に華やかさが増す。「JUST BE COOL」「HOT DOG」などの定番ナンバーもこの日は一味も二味も違っていて、ピアノやホーン・セクションが加わった豪勢なサウンドはもちろんのこと、ベースを置き、羽が生えたように身軽になったROYがとにかく楽しそう。身振りを交え、時に拳を突き上げながら歌う彼の姿もこの日ならではといったところだ。
ショーも半ば、「ぼくらにとってビルボードライブは本当に夢の舞台なんです。敬愛するソウル・シンガーやブルーズマンたちがこのステージに立っているのを、いつも見に来ているんです。そんな夢の舞台ですから、愛してやまない先代のソウル・シンガーたちに敬意を表して…」とROYが話すと、バンドはR&B・ロックンロールのスタンダードともいえるカヴァー曲を披露し始める。丈青のピアノ連打が冴えわたったレイ・チャールズの「Mess Around」や、TAXMANがヴォーカルを務めたチャック・ベリーの「Roll Over Beethoven」(その間ROYは客席に交じり普通に楽しんでいた)、そして、2014年にバンドが発表したカヴァー・アルバムよりファイブ・デュトーンズの「SHAKE A TAIL FEATHER」とテンポ良くプレイする。最新ナンバーに往年の名曲たちが組み込まれる構成。しかしTHE BAWDIESの手にかかればどの曲も最新のロックンロールにヴァージョン・アップされてしまうのだから、彼らが幅広い世代に愛される理由もよく分かる。
『NEW』より「SHAKE, SHOUT & SOUL」「NEW LIGHTS」の2曲をプレイして本編を締めくくったのち、アンコールに応えて登場したROYが、丈青のピアノの伴奏に乗せてサム・クックの「BRING IT ON HOME TO ME」をソウルフルに歌い上げ、ラストは、普段ライヴSEとしても使用しているウィルソン・ピケットの「Land Of 1000 Dances」でオーディエンスとシンガロングを楽しんだところでパーティーは終了。歴史の深いルーツ・ミュージックが日々鳴り響いてきた会場で、格式高いファッション・ブランドの衣装に包まれてロックンロールする。その喜びがダイレクトに伝わってきた夜だった。
Text: Takuto Ueda
Photo: Yuma Totsuka
◎公演情報
【Billboard Live×ALLSAINTS “Fashion with Music”THE BAWDIES】
日程:2017年2月9日(木)
場所:ビルボードライブ東京
<出演>
THE BAWDIES
<Guest Musician>
タブゾンビ(Trumpet) ≪SOIL&“PIMP”SESSIONS≫
栗原健(Tenor Saxophone)≪Mountain Mocha Kilimanjaro, CENTRAL≫
丈青(Piano)≪SOIL&“PIMP”SESSIONS≫
ナガイケジョー(Bass)≪SCOOBIE DO≫
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