2017/01/25
1月22日、代官山蔦屋書店で開催されたトークイベント【代官山ジャズトーク vol.37マイルス特集『MILES AHEAD / マイルス・デイヴィス空白の5年間』公開記念】に、ジャズ・ジャーナリスト、イベント・レコードプロデューサーとして大活躍中の小川隆夫氏がゲストで登壇した。
【代官山JAZZトーク】とは、代官山蔦屋書店の音楽フロアで月に一度開催され、音楽コンシェルジュと一緒に音楽を聴きながら話を聞くことができる定期イベント。今回は、12月に公開された映画『MILES AHEAD / マイルス・デイヴィス空白の5年間』の公開記念として、同映画の字幕監修を務め、マイルス・デイヴィスに20回もの取材を敢行してきた人物としても知られる小川氏がゲストで登壇。エルプ社のレーザーターンテーブルでアナログレコードを流し、質のいい音を交えながら、小川氏がJAZZを聴き始めたきっかけやマイルスとのエピソードを語ってくれた。
ジャズ・ジャーナリストにして整形外科医でもある小川隆夫氏。マイルスから「マイ・ドク」(=マイ・ドクター)と呼ばれ、初対面で医者としてマイルスへアドバイスしたことをきっかけに電話番号の書かれたメモを手渡されたといい、そこからは会うたび「マイルスが嫌がることはできない」と緊張しながらも、帝王マイルスの言葉を残すために試行錯誤を繰り返し、互いの距離感を図っていったと話す。また、傲慢や気難しいといったイメージもあるマイルスだが、小川氏の著書『マイルス・デイヴィスの真実』で彼に関わりのある160人に取材をした際に「全員が嬉しそうな顔をしてマイルスの話をしていたんですよね」と明かし、「(マイルスは)本当は優しい人ですよ」と笑顔で語った。さらに「人を見る目が本当に鋭い人だったんです」と言った後小川氏が続けた「僕の前ではもちろん、誰の前でもマイルスは、いつでもマイルス・デイヴィスでした」という言葉がとても印象的であった。
映画『MILES AHEAD / マイルス・デイヴィス空白の5年間』については、「いわゆる“音楽映画”ではないし、“伝記映画”でもないですよね。彼のキャラクター、イメージでストーリーを膨らませていて史実と照らし合わせるのが目的ではない、別のおもしろさがあります」と語った。映画でも使用されている「Someday My Prince Will Come」や「Agitation」のレコードに聴き入り、その音に誘われるかのように、マイルスとかつての妻であったフランシス・テイラーとのエピソードや、マイルスが信頼していたギル・エヴァンスをはじめとするミュージシャンたちとの交流を明かしてくれた。
なお、本映画のプロデューサーでありマイルス・デイヴィスの甥でもある、ヴィンス・ウィルバーン・Jr率いるマイルスErectric Bandの来日公演が、4月にビルボードライブにて開催される。
◎公開情報
『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』
2016年12月23日よりTOHOシネマズシャンテほか全国順次ロードショー
監督・主演・共同脚本・製作:ドン・チードル
出演:ユアン・マクレガー、エマヤツィ・コーリナルデイ
プロデュース:ヴィンス・ウィルバーンJr.
音楽:ロバート・グラスパー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
◎公演情報
【マイルス Electric Band】
ビルボードライブ東京
2017年4月7日(金)
1st OPEN 17:30/START 19:00
2nd OPEN 20:45/START 21:30
2017年4月8日(土)
1st OPEN 17:00/START 18:00
2nd OPEN 20:00/START 21:00
ビルボードライブ大阪
2017年4月10日(月)
1st OPEN 17:30/START 18:30
2nd OPEN 20:30/START 21:30
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