2016/12/27 20:10
歴代シングル作品全28曲をボーカルとギターのみで再レコーディングする[2 of Us]プロジェクト等、2016年も精力的な活動で注目を集めたDo As Infinity。そんな1年の締め括りとなるクリスマスワンマンライブ【Do As Infinity Xmas Live 2016】を12月25日(日)品川ステラボールにて開催した。
<Merry X'mas! Do As Infinityのクリスマスパーティーが始まるぞー!>
ポール・マッカートニー「ワンダフル・クリスマスタイム」、バンド・エイド「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」などクリスマスのスタンダードソングが鳴り響く会場には、Do As Infinityと素敵なクリスマスナイトを過ごすべく駆け付けた満員のオーディエンス。そして「レット・イット・スノウ」と共にお馴染みのバンドメンバーに続いて大渡 亮(g)と伴 都美子(vo)が現れると、そのムードをキープしたまま「Jingle Bells」でライブがスタートする。いつにも増して温かく穏やかな歌声と音色に包まれながら、誰もが同じく穏やかな表情を浮かべる。遠路はるばる海外から駆け付けた者、夫婦で仲睦まじく参加した者、孤独なクリスマスから癒されようと(?)ひとりで来た者と、様々なシチュエーションの観客がそこには集っていたけれど、いつでもポジティブな力を聴き手の中に生んできたDoAsによるクリスマスライブは、1曲目から我々の心の内をやさしい気持ちで満たしていく。
そんなほっこりムードから「Merry X'mas! Tokyo! Do As Infinityのクリスマスパーティーが始まるぞー! 準備はいいかぁー! いくぞぉぉぉぉぉ-!」と、いつもはクライマックスで投下される「本日ハ晴天ナリ」「Grateful Journey」といったキラーチューンを序盤から連発。ホープフルな空気が大スパークし、いきなりスーパーハイテンションなコール&レスポンスにシンガロングまで巻き起こり、文字通りパーティー感全開の光景が眼前に広がっていた。
<偉大なスターが次々亡くなり転換期へ? それでも崩れぬDoAsの普遍性>
ライブ中盤のMCでは、2016年を振り返る場面も。日々ワイドショーを賑わしてたトピックに触れつつ「好きになったもんはしょうがない。Can't Stop Lovin' You、ヴァン・ヘイレンだってそう歌ってるんだ」とロックフリークらしい持論で笑いを誘っていた大渡 亮は、「ミュージシャン的には有り得ない人たちが年の頭から亡くなって、デヴィッド・ボウイっていう偉大なアーティストが亡くなり、プリンスっていう偉大なアーティストが亡くなり、イーグルスのグレン・フライも亡くなり、レオン・ラッセルも亡くなってしまった。でも思うんだよ。芸事の世界は新陳代謝というか、入れ替わる時代に差し掛かって来てるんじゃないかって。若いバンドの名前を見ても分かんないんだよ。RADWINPS、最近知ったからね(笑)。伴ちゃんに教えてもらって、本当におこがましいけど……格好良いよね!」と激動の音楽シーンについても振り返った。
それでもDo As InfinityはDo As Infinityらしいラブソングを歌い続け、ロックンロールを鳴らし続ける。幻想的な光に包まれえてピアノと伴 都美子の歌声だけで響かせた「柊」における、今にも潰されてしまいそうになりながらも、すべてを受け入れられるほど強くないとしても、大切な君を守り抜きたいと情感たっぷりに歌い上げられる際の憂い。この日も披露された「Yesterday & Today」における「愛しい友よ 力無くしても 駆け抜けよう こんな時代を」と真っ直ぐに歌い放たれるメッセージもそうだが、Do As Infinityの音楽はいつでも心を震わせる。特にライブにおいてその普遍性が崩れたことは一度もない。大渡 亮が前述したスターたち同様、観る度に、聴く度に「Do As Infinityはやはり凄い」と再認識させられるし、誰かに勧めたくなるし、2人の存在と共に様々な楽曲への愛情が増す。ポップミュージックとは本来そうでなかったか、ということを思い出させる。
<「私たちは この幾千の星に生まれたの 君に出会えた奇跡―――」>
近年のキラーチューン中心で本編最後の畳み掛けを走り抜けると、客席からは鳴り止まないアンコール。そしてどこからともなくシャンシャンシャン……とベルの音が響き渡る。クリスマスらしい演出の一環だと思っていたが、これはアノ楽曲へ我々を誘う為のプロローグだった。ステージへ再び現れたDo As Infinity。伴 都美子が歌い放ったフレーズは「私たちは この幾千の星に生まれたの 君に出会えた奇跡―――」クリスマスの夜、ここに居合わせた者なら誰もが待っていたであろう名曲「We are.」が鳴り響く。その歌詞の通り、聖なる夜に互いに出会えた奇跡を祝福するように歌い奏で聴き入るDoAsと僕ら。18年もの時が流れれば、別れも出逢いもたくさんある。あの頃、共にDo As Infinityを隣で聴いていた人が今はいない。なんてこともあるだろうし、逆にDo As Infinityによって誰かと人生を共に歩み出した。なんてこともあっただろうし、そう思うと今ここで「We are.」をDoAsが歌い奏でてくれている奇跡も、そこに我々が居合わせている奇跡も尊く感じられ、実際この瞬間の会場は「こんな奇跡なら何度でも起こしたい」と思わせるグルーヴで埋め尽くされていた。
<「自分に何が出来んのかな?」って弱気になるときもあるけど……>
その後、ライブはダブルアンコールへ突入。最後の曲を歌う前に伴が語り出す。「来年も良い年になるといいな。今年は年明けに赤盤/青盤というアコースティックで再録音した楽曲を集めたシングル集を出しまして、それを引っ提げて6月にツアーを廻り、その後も各地のイベントに参加させてもらって、秋には毎年やってる周年ライブをやって、みんなの笑顔に会えて……DoAsとしても私個人としても初心にかえるというか、原点を彷彿させるような気持ちにさせてもらった1年でした。そういうひとつひとつがこれからの未来へ繋がっていけるように、私としてはそういう願いを込めて歌っていたりもしてます。毎日が未来への種蒔きという気持ちで活動してます。「自分に何が出来んのかな?」って弱気になるときもあるけど、音楽を通してこうしてみんなと出逢えたり、学ばせてもらったりしてます。今年もありがとうございました! これからもDoAsをよろしくお願いします」
「オリンピックとかあるとさ、見慣れた街がどんどん変わっていって「切ないな、寂しいな」と思うけど、変わっていくことも必要だったりするのかなと思ったりして……(大渡 亮が「なんか悟りの境地だね?」と話に入ってくるも)邪魔しないで下さい(笑)。(オーディエンス大爆笑)こうやってね、亮くんが居てくれるから私も歌えることが出来てね、周りのスタッフに助けられてDoAsは成り立ってるなって毎日毎日思います。なので、変わっていくことも必要だとしたら、そういうことにも怖れずに挑んでいきたいなと思います。えー、宴もたけなわではございますが(笑)、本当に今日はありがとうございました! 気をつけて帰ってね。最後にね、どうしてもこの曲をみんなに届けたくてリクエストしました。感謝の気持ちを込めて歌います。演奏します。お届けします―――」
<誰もがゴキゲンな、絵に画いたようなクリスマスの夜>
そう言って歌い出したのは「Always」。いつも私たちはひとつ。だから歩いていける。いつかの夢を叶える日まで進んでいける。そんな想いと永遠の感謝が込められたナンバーを歌い終えると、彼女は満面の笑みで「また会うときまで元気でね!」と叫んだ。そして会場にはジョン・レノン&オノ・ヨーコ「ハッピー・クリスマス」が流れ出し、肩を並べて一礼するメンバー一同へ大喝采が贈られる。 誰もがゴキゲンな、絵に画いたようなクリスマスの夜。Do As Infinityの2016年を締め括るに相応しい、最後の最後までやさしい気持ちで満たしてくれるライブであった。「センキュー!」「みんな、ありがとうございましたー! よいお年を!」
取材&テキスト:平賀哲雄
Photo by 田中聖太郎
◎ライブ【Do As Infinity Xmas Live 2016】
2016年12月25日(日)品川ステラボール セットリスト:
01.Jingle Bells
02.本日ハ晴天ナリ
03.Grateful Journey
04.シグナル
05.nice & easy
06.タダイマ
07.1/100
08.トレジャプレジャ
09.Piece Of Your Heart
10.恋歌
11.Painful
12.柊
13.Ever...
14.Yesterday & Today
15.new world
16.パイルドライバー
17.アリアドネの糸
18.Special
19.One or Eight
En1.We are.
En2.遠くまで
WEn1.Always
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