2016/12/09 11:40
フランス出身のエレクトロ・ユニットとして、2000年代中盤に一躍シーンに登場し、世界的なバンドの仲間入りを果たしたジャスティス。筋金入りのライブ・アクトとして活躍しつつ、2007年のデビュー・アルバム『†(クロス)』、2011年の『オーディオ・ヴィデオ・ディスコ』と、コンセプチュアルでヒネリの利いた作品で常に注目を集めて来た。
そんな彼らが11月18日に、5年ぶりの3rdアルバム『WOMAN/ウーマン』をリリースした。その作風は、ダンスとロックの融合によって他のアクトと一線を画してきた彼ら自身の持ち味はそのままに、レディオヘッドやミカチューとのコラボでにわかに注目を集めるロンドン・コンテンポラリー・オーケストラ(LCO)等との協力によって、コーラス(クワイア)の要素を大胆にオン。プログレ的ともサイケデリックとも言える作風の、2016年必聴の意欲作だ。今回は先月11月29日に、超プレミアムな緊急来日公演を行ったジャスティスの2人--グザヴィエ・ドゥ・ロズネとギャスパール・オジェ--に、短い時間ながら話を聞けた。
また、本記事の最後では、ジャスティスから読者へのプレゼント企画も実施。彼らのサイン入りフライヤーを抽選で2名様にプレゼントする。詳細は記事の最後をチェック!
--アルバム発売おめでとうございます。
ギャスパー:サンキュー。
グザヴィエ:ありがとう。完成してからリリースされるまで5か月くらい経っていて、正直、まだ実感が無いようなところがあるんだけど…でも、ようやくみんなに聴いて貰えるようになってすごく嬉しいよ。
--まずアルバムのアートワークが素晴らしいなと思いました。
グザヴィエ:ナイス!
--イメージの喚起されるアートワークですよね。
グザヴィエ:僕にとってジャケットって大事で、(飲んでいたミネラル・ウォーターのペットボトルを指して)こういう商品だってロゴがカッコよくなかったら売れないかも知れないよね? それと同じで、僕はパッケージというのをすごく大事にしている。パッケージというは音楽作品の更なるディメンションとしてそこにあるものだからね。もちろん、音楽そのものが重要じゃないわけじゃないよ。だけど、僕も子供の頃から、ジャケットとクレジットだけでアルバムを買うことがあった。その後、期待していたものだったかどうか、自分を試すテストをするような感じだね。
--アートワークを見た時に思い浮かんだ言葉は「サイケデリック」や「変化」といったものでした。実際に聴いてみても、やはり色んな要素が組み合わさったアルバムですが、今回は特にアルバムはコーラス、声が重要なアルバムだと思いました。
ギャスパー:“コーラス”っていうのは“クワイア”のことだよね?
グザヴィエ:その通り。ある意味“クワイア・アルバム”だと僕は思ってる。前から大々的にクワイアを使った作品をやりたかったんだ。本当は全部の曲で歌って欲しかったんだけど、結局上手くいかなくて、リード・シンガーだけ残って貰った曲もあったんだけどね。でも、やっぱり20人位が一緒に歌うと、すごく独特の効果があるんだ。より高揚感やパワーが出たり、場合によってはこっちに挑みかかってくるような迫力が出たりする。それに、クワイアが歌うんだって思うと、こっちのソングライティングに関する考え方もいつもと変わって来るんだよね。“シンプルに書く”ということじゃ決してないんだけど、より正確さを要求されるようになってきて、そこが自分にとってもすごく刺激的だったんだ。
--今回は今まで以上にソングライティング=メロディを書くことを意識した?
グザヴィエ:いや、いつも以上に意識したということはなくて、常に「こうやりたい!」と思ってきたことが、よりベターに出来たという感じかな。でも、プロダクションとかアレンジとかの面では、より歌にスポットライトを当てることが出来たかもね。
--“クワイア・アルバム”を作りたいと考えるようになったきっかけのようなものはある?
グザヴィエ:何がきっかけだったのかな…。でも、僕らのアルバムでは最初からそういうハーモニーは多用してきたつもり。それがなぜかと言うと、特定の誰かではない、“匿名性”みたいなものに魅力を感じるからかも知れないね。あとはみんなで歌うことで生まれる独特のテクスチャー(質感)も。クワイアじゃなく、クイーンとかビーチボーイズみたいに3~5人くらい、あるいは一人の声をどんどん重ねるやり方とかにも、昔から興味があったんだ。人の声って、重ねていくとポリフォニーの楽器のように扱えるよね。そういうところが魅力的なのかも。しかも、今はそれをマニュピュレートすることも出来るからね。
--なるほど。ではアルバム・タイトルの『ウーマン』についても教えてください。
グザヴィエ:僕らは男だけのバンドだけど、そういう僕らから見て、女性ならではのエネルギーとかパワーに光を当てたかったから、このタイトルをつけたんだ。女性ならではの強さ、というものをあえて……「表象する」って英語で何て言うんだっけ?
ギャスパー:「Standing for」じゃない?
グザヴィエ:そう! つまり女性ならではの強さを表象的に全面に持ってきて、その裏で僕ら男性が音楽を作ってるっていうイメージで捉えてもらえると良いのかな。でも、基本的には、女性が生命の起源であることとか、正義のシンボルであることとか、ああいうイメージだったんだよね。
--今回のアルバムって、あなたたちの作品の中でも一番メランコリックで、優しい感触のあるアルバムになってると思うんだけど、それもそういうテーマと関係してるのかな?
グザヴィエ:そうだね。でも、それを言ったら優しさとか柔らかい面というのは男性にもあるよね? 男性がタフで、女性がソフトで優しい、というのと僕らの捉え方は違っていて、どちらの性にも両方の側面があると思ってる。そう考えると、捉え方というのは、捉える人自身のその時の気分とか性格とかに関係してるのかなと思う。『ウーマン』という言葉を聞いた時に、もしかしたら、多くの人は柔らかさとか傷つきやすさとかが先に出てきてしまうのかも知れないけど、それは僕らの狙ったところじゃない。というか実際には真逆なんだ。けど、もちろん、そういう風に取って貰うのもアリだと思うけどね。
◎リリース情報
『ウーマン』
2016/11/18 RELEASE
WPCR-17564 2,200円(tax out.)
◎読者プレゼント企画
今作のリリースを記念して、ビルボードジャパンではジャスティスのサイン入りフライヤーを抽選で2名様にプレゼント。応募方法は貴重な機会をお見逃しなく。応募方法は、ビルボードジャパン公式Twitterをフォローし、今回のプレゼント企画のツイートをリツイートするだけ。期間は本日12月9日から12月16日正午までとなる。
<応募方法>
01.ビルボードジャパン公式ツイッターアカウント“@Billboard_JAPAN”をフォロー
02.プレゼントのニュース記事をリツイートで応募完了
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