2016/12/06 19:20
今年エイベックスからメジャーデビューを飾り、楽器を持たないパンクバンドとして日本中で人気沸騰中のBiSH。12月1日に開催された年内東京最後のワンマンライブ【iN THE END】終演後、年内いっぱい活動を休止するアイナ・ジ・エンドがインタビューに応えてくれた。
<手術決断までの葛藤……詳しく語られてこなかったアイナの日々解禁>
BiSHの多くの振り付けを担当し、無邪気なキャタクターやソウルフルなハスキーボイスでも人気を集めるアイナは、声帯結節の手術を受けるべくワンマンライブ【iN THE END】と大阪でのライブイベントを最後に活動休止へ。12月5日、自身のツイッターにて「手術いってきます」と伝えている通り、しばらく声の出せない、大好きな歌がうたえない日々が続く。
予定では、来年1月8日 ZEPP NAGOYAよりスタートする全国ツアー【BiSH NEVERMiND TOUR】にて復活。本人も「ちゃんとこれからの人生も歌っていきたいから、手術することに決めました。絶対成功する気しかしてないし、無敵なアイナ・ジ・エンドで帰ってこようと思ってます」とステージから伝えていたが、今回の手術を決断するまでに彼女は何を想い、どう振る舞い、BiSHでの活動を続けてきたのだろうか。これまで詳しく語られてこなかった葛藤の日々、ここに解禁する。
<声が出てないままライブを続けることが精神的にキツくて……>
◎BiSHアイナ・ジ・エンド活動休止インタビュー
--いつ頃から喉の異変には気付いていたんですか?
アイナ:3月のステラボール(http://bit.ly/2dzsle4)ぐらいからずっとです。メジャーデビューシングル『DEADMAN』のレコーディングしたあたりから。
--そこから今日まで誤魔化しながら歌い続けていたの?
アイナ:最初は「結節」とは言われなくて「炎症」と言われていたんですけど、普通の人よりもハスキーで空気が抜けるところが多い分、炎症の範囲も大きくなってたんです。それで普通の薬じゃ治らないからステロイドをずっと使用していたんですけど……だから騙し騙し歌っていた訳ではないんですけど、ステロイドでちゃんと歌えるようにしてました。
--では、結構長い期間ステロイドに頼っていたんですね。
アイナ:依存してる感じでした。声がカラカラになって歌えなくて「大事な曲を聴いてください」って言っておいて、いざ歌い出したらカスカスみたいな感じが悔しくて……だからそうなりたくなくてステロイドを使用していたんですけど、だんだん効かなくなってしまって。
--それで手術を決断したの?
アイナ:…………結構ツラかったんですよ。【Less Than SEX TOUR】の後半ぐらいからステロイドも全く効かなくて、アンコールでは全然歌えなくなっちゃってて「もうイヤ!」みたいな。どうしても音程が低くなっちゃうんですよ。メンバーがすごく心配してくれている感じも申し訳ないし、声が出てないままライブを続けることが精神的にキツくて、ワンマンが3日続いたときの3日目とかはリハからあんまり歌わないようにしなきゃいけない状態で、それもまた申し訳なくて。それで本番もずっと悔しい想いをする。そんな中、ステロイドの副作用で体中パンパンになっていくし、リンパのところがすごくゴリゴリするんですよ! そのゴリゴリがいろんなところに出てきて、すごく怖くなってきて「このままじゃ全身ゴリゴリになっちゃう!」と思って(笑)。
--いや、全然笑えないですよ(笑)。
アイナ:そしたら病院からも「もうステロイドは出せない」って言われて、渡辺さん(BiSHマネージャー/WACK社長)やスタッフさんに相談したら「先のことを考えよう。来年1月からのツアーが大事だから、今のうち手術したほうがいい」って前向きな話をしてくれて、このタイミングで手術させて頂く事になりました。
--手術を含めて治療にはどれぐらい時間を要するんでしょう。来年1月8日に復活と考えると1か月ぐらい?
アイナ:手術してから3日は喋っちゃいけなくて、4日目から10分だけ喋ってよくて、少しずつ少しずつ……普通の結節手術はタコを取り除けばいいだけなんですけど、アイナの場合は炎症が結構ヤバいみたいで、声帯が浮腫んでしまっているから他の人より喋れない時間が長いんですよ。で、歌っちゃいけない期間は3週間。
--アイナさんの場合は「歌えない自分に生きてる価値はない」と仰っていましたし、日常生活でも口ずさんでいないとバランスが取れない人じゃないですか。
アイナ:ハハハ! でもそこは耐えればいい話だと思うんですよ。それより「もし手術した後に自分の声が普通のアイドル声みたいになってたらどうしよう?」とか「ハスキーボイスじゃなくなっちゃったらどうしよう?」っていう不安のほうが大きい。そんな風にはならないと思うんですけど、いずれにしても歌えない期間はちゃんと耐えたいと思ってます。この先も歌い続ける為の手術だし、治療期間なので。
<アイナが足を引っ張っちゃいけないなと思っていたので……>
--活動休止前最後のワンマン【BiSH FREE LIVE“iN THE END”】でも「無敵なアイナ・ジ・エンドで帰ってこようと思ってます」と語っていましたが、自分にとってはどんなライブになりましたか?
アイナ:今回のワンマンは薬をひとつも飲まなかったんですよ。久しぶりに飲まずにやってみようと思って。これまでは飲まないと全然歌えないことが多くて、衣装のそってぃーさんとか歌手の友達にも「ステロイドは飲まないほうがいい」って言われていたんですけど、結局歌えないからゴミ箱に捨てたステロイドを拾ったりして。でもリンリンとかチッチとか「あ、今日もヤバいんだ」って心配しちゃうから、トイレに隠れて飲んでたんですよ! 別に違法の薬じゃないんですけど(笑)!
--とにかく心配をかけたくなかったと。
アイナ:新メンバーとしてアユニ・Dが加入して、みんないろいろ覚えなきゃいけないことも多い中、アイナが足を引っ張っちゃいけないなと思っていたので……でもやっぱり薬は欲しかった(笑)。
--わざわざ誤解されるような言い方しないで下さい(笑)。
アイナ:でも今回のワンマンは薬を飲まなくても思い通り歌えたんです。動画で振り返らないと実際どうなったのか分からないんですけど、やり切った感覚はあります。
--では、手術が成功したと仮定して「無敵なアイナ・ジ・エンド」として帰ってきた後のBiSH、どうしていきたい?
アイナ:『ミュージックステーション』に出たいです。ハシヤスメが「BiSHのみんなで階段を転げまわりたい」と言っていたので、その夢を叶えたい。で、タモリさんにハシヤスメが初めてメガネを外される。
--楽しみにしてます(笑)。では、最後にアイナの復活を来年まで待ち侘び続ける皆さんへメッセージをお願いします。
アイナ:今後の自分の人生を考えて、これからもずっと歌い続けたいから手術するって決めただけなので、そんなに重く捉えず、心配しないでください。ただ、アイナが戻ってくるまで浮気しないで下さい。キャバクラ禁止!
取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:外林健太
◎ライブ【BiSH FREE LIVE“iN THE END”】
12月01日(木)渋谷TSUTAYA O-EAST セットリスト:
01.BiSH-星が瞬く夜に-
02.本当本気
03.DA DANCE
04.ぴらぴろ
05.DEADMAN
06.ファーストキッチンライフ
07.beautifulさ
08.スパーク
09.Primitive
10.My distinction
11.オーケストラ
12.MONSTERS
13.OTNK
En1.ALL YOU NEED IS LOVE
En2.BiSH-星が瞬く夜に-
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