2016/09/17
今週はHot100のベスト10に、RADWIMPSが4曲、SMAPが2曲、そしてアイドル関連曲が4曲という、不思議なチャートになっている。まさに今の日本のトレンドをそのまま反映したかのようで興味深い。しかし、そこだけに目を向けている訳にはいかない。というのも、2曲の洋楽曲がじわじわとチャートを上昇しているからだ。
まず、今週19位にランクインしたイジー・ビズの「ホワイト・タイガー」(【表1】)。イギリス人とエチオピア人のハーフで、少しエキゾチックな容貌が印象的な22歳。サム・スミスのサポート・アクトに抜擢されるなど、今UKでもっとも注目されている女性シンガーだ。この曲はすでに本国では大ヒットしているが、日本でも大々的にラジオのオンエアを獲得。先週は3位、今週は1位を記録した(緑のグラフ)。売り上げや動画再生数など他の要素はほぼ入っていないので、ラジオだけで上位にランクイン出来る好例。もちろん、そこには楽曲の良さがあってこそ。来日公演も控えていることもあるので、まだまだ息長くチャートに残ることだろう。
もう一曲注目しておきたいのが、今夏に来日も実現したEDMの新進ユニット、ザ・チェインスモーカーズの「クローサー feat.ホールジー」(【表2】)。こちらは今週34位をマークしている。この曲もすでに全米で1位という大ヒットを記録しており、その余波もあってじわじわと右肩上がりで上昇中だ。しかも、イジー・ビズと違い、売り上げの他にもラジのオンエア回数(緑のグラフ))や動画の再生数(赤のグラフ)、そしてツイッターの指数(水色のグラフ)などすべてをバランスよく積み重ねてきている。きっかけがあれば、一気に上位にランクインの可能性もあるだろう。
それぞれのデータからもわかる通り、洋楽ヒットは瞬発力というよりも、持久力の勝負。どこまで上昇していくのかを、しっかりと注目しておきたい。text by 栗本斉
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