2016/09/09
真夏の週末に伝説のロック喫茶 渋谷B.Y.Gで連日繰り広げてきた井乃頭蓄音団のライブイベント【百軒店コンサート2016 ~真夏の2マン3連セン!!~】最終戦が、8月27日に行われた。
6日に伝説のロックミュージシャン 鈴木茂、13日には盟友とも言うべき異色のユニット クリトリック・リスと、彼らならではのラインナップで続けてきたこのイベント。日本語詞を巧みに操り深淵まで振り下げた詞世界に、それを引き立たせるルーツミュージックに影響を受けた演奏、そしてエンターテインメント性に溢れたライブを武器にまい進する井乃頭蓄音団が、最終戦の対バン相手に選んだのは、アメリカンルーツミュージックに敬意を表しつつ、現代の日本において普遍的な音楽を鳴らすべく探究している若手のホープ Wanna-Gonnaだ。
今年の夏に【Fuji Rock Festival 2016】における登竜門的ステージ Rookie A Go Goに出演して話題を呼んだ彼らだが、その実力はこの日のステージでも見事に発揮されていた。先攻で登場した5人は、確かな演奏力で奏でていく力強いサウンドに、サイケなアプローチのキーボードが融合するという、古くからの洋楽ロックファンにはタマラない楽曲を次々に披露。竹澤浩太郎(vo,g)が歌うキャッチーなメロディで若い観客をも魅了し、1時間弱のステージながら並々ならぬ存在感を示していた。
しかし、そんな若手の好アクトを受けて登場した井乃頭蓄音団も、さすがの力量を見せつけてくれる。アルバム『おかえりロンサムジョージ』収録の「少年」や「遠い小さな町」、最新アルバム『グッバイ東京』から「夢ひとつ」や「帰郷」など渋みのある懐の深いサウンドでご挨拶。キャラクター性の強い楽曲が目立つ彼らの、ミュージシャンとしての実力がほとばしる選曲で、Wanna-Gonnaファンからも歓声が上がるパフォーマンスを展開していく。
中盤には「ぼくら風まち」(仮)という、タイトル通り日本のロックミュージックへの深い造詣をよりふくよかに表現した新曲を披露。その後も“松尾よういちろうと井乃頭蓄音団”名義で発表した「逆上がり」などミドルテンポのナンバーを立て続けたのは、今回の対バン相手 Wanna-Gonnaを意識してのことだろうか。そして最後は「アンゴルモア」「素直な自分」「カントリーロード」とファンにはお馴染みの人気曲で盛り上げ、自身らのステージを締めくくった。
アンコールではWanna-Gonnaとのコラボで両者が大好きというThe Bandの「The Weight」を日本語詞でカバー。大団円を迎えた井乃頭蓄音団だが、今年の冬には初の東名阪ツアーの開催が決定、そして新作の制作もスタートしたとのことで、年末に向けてより精力的な活動が期待できそうだ。
撮影:杉岡祐樹
◎【井乃頭蓄音団 初の東名阪ワンマンツアー『ワンマン道中いの栗毛2016』】
11月23日(水・祝) 愛知 名古屋 ell.SIZE
11月26日(土) 大阪GANZ toi,toi,toi
12月9日(金) 東京 渋谷CLUB QUATTRO
◎井乃頭蓄音団 ライブ情報
【ゆかぞうpre. いつでも誰かが-vol.34-『大人な音Night~アウトラインで大運動会~』】
9月22日(木・祝) 福島アウトライン
【猫の夜会volume.4】
9月23日(金) 宮城 仙台FLYING SON
【ゆかぞう企画『おてらいぶ』】
9月24日(土) 東京 上野 宋雲院
◎Wanna-Gonna ライブ情報
【イマチャンダイチャンのやるならやらねば!vol.1】
10月2日(日) 東京 下北沢GARAGE
【Ruby Tuesday 12】
10月25日(火) 東京 渋谷WWW
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