2016/07/30
タイアップを取ればヒットするとは限らないのだが、上手くハマれば楽曲が独り歩きして国民的な名曲へと育っていく。一時期に比べると、そんな楽曲が生まれにくい状況ではあるが、それでも時折、世代を超えて愛される歌が生まれることがある。
秦 基博の「ひまわりの約束」は、まさに“国民的な名曲”と呼ばれるのにふさわしい。2年前の2014年8月に発表されたにも関わらず、今週のHot Animationでは、なんといまだに7位という上位にランクインしているのだ(【表1】)。通算でいうと、ちょうど100回チャートインしている。ここまでのヒットの要因は、もちろん映画『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌に起用されたためであり、映画の商品化やテレビでの再放送といったタイミングの効果がかなり大きい。しかし、すっかり夏の定番となったこともあって、やはりこの季節だからということも理由のひとつに数えられるだろう。
加えて興味深いのが、この1年くらいはYouTubeなどの動画再生数が常に上位にあり、今週もHot Animationでは1位を獲得していること(赤のグラフ)。これは、映像を見たいということよりも、YouTubeが手っ取り早く楽曲を聴けるからではないだろうか。CDやダウンロード購入まで行き着かなくとも、楽曲を気に入ったなら動画サイトだと何度でも無料で聴くことが出来る。逆にいえば、それだけ何度でも聴きたくなる名曲と言い換えられる。
では、“第二の「ひまわりの約束」”はどの曲なのか。Hot Animationのチャートイン数でいうと、UNISON SQUARE GARDENの「シュガーソングとビターステップ」(56回)とケツメイシの「友よ~この先もずっと…」(18回)が続くが、さすがにまだまだ100回には及ばない。そのことからも、「ひまわりの約束」の名曲ぶりが伝わってくる。text by 栗本斉
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