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2016/05/02

「YES I'M CHANGING」 僕は変化を恐れない―テーム・インパラ来日公演レポート

   オーストラリアのサイケデリックロックバンドTame Impala。去年7月に3rdアルバム『カレンツ』リリースし、ワールドツアーに加え世界中の主要ミュージックフェスに出演、さらにグラミー賞 最優秀オルタナティブミュージックアルバムにノミネートされた彼らのジャパンツアーが、4月25日・ZEPP Tokyo、4月26日・Osaka Namba Hatchにて行われた。本記事はその大阪公演のレポートをお伝えする。

 前2作でサイケデリックポップバンドとしての人気を手にしたが、フロントマンのケヴィン・パーカーは今作で80'sエレクトロを取り入れ作風を変えてきた。

  「僕は変化するんだ。もし変化を恐れ守りに入り成功を維持した場合、それは一見クールに見えるがエキサイティングなことは決してないだ ろう。自分のキャリアにおいて何かを危険にさらすことは、それが何であれとてもやりがいがあることに気づいたんだ。自分の挑戦を伝えたかった。危険かなとも思ったけどその挑戦がみんなに伝わって反応したんだ」と彼は言う。その証拠に、筆者は2010年からもう何度もアメリカで彼らを撮り続けているがここ数年怒涛の 快進撃を見せている。MGMTやThe Flaming Lipsのサポートを経ていた頃とは違い今ではヘッドライナーとしてアリーナクラスの公演を軒並みソールドアウトにし、去年はアトランタで開催された Shaky Kneesフェスティバルにて遂にヘッドライナーとしてプレイした。

 そして念願のジャパンツアーだ。大阪公演は実に7年ぶり。バンドスタッフは真っ白のマッドサイエンティストさながらの白衣を身にまといステージをセットする。ステージ背景にはステージビジュアルのキャンパス上のスラッシングとバリトン波を描いたレーザービームが映し出され、まるでこれから海底探索に出発するかと錯覚させる。

 照明が落とされメンバー登場。

 イントロでジュリアンのドラムとカムのベースのビートが会場を振動し観客の喉を熱くさせる。そしてケヴィンのギター・リッケンバッカーはジェイ&ドムのヘヴィーなシンセと融合し「Let It Happen」でキックオフ。最近のツアーからセットに加えた「It’s Not Meant To Be」では照明は暗く深海のブルーにバックにはコンピューターの心臓が鼓動を打つかのようなヴィジュアルイメージが描き出され、ケヴィンのギターリフを際立たせる

 そしてグラムロックのストンパーソング「Elephant」の鮮烈で明白なドラムソロは観客を一気にクレイジーに熱狂させる。ケヴィンは「大阪は一番お気に入りの街なんだ!」と語る。ジェイは以前「大阪にもう1度行きたいんだ!大阪みたいに最高にクールな街って世界中でもあまりないからさ」と熱く語っていたのを思い出した。

 「The Less I Know」が始まると会場はディスコファンクに一変。「Oscilly」のドラムシンフォニーではジャムフィラーは至福の時を得る。「Feels Like We Only Go Backwards」でシンガロングがケヴィンが操縦していた海底探査機の一員である事を確信する。Tame Impalaのスペクトルで神秘的なショウは1度見ると幻惑的な虜になって毎夜その深海へ足を踏み入れたくなるのである。

 ※今回のツアーでもショウをより一層素晴らしいものにしてくれたヴィジュアルアートを手がけたのは彼らの友人でPondのメンバーでありソロアーティストでもあるShiny Joe Ryanことジョーが手がけている

Photo&Text: ERINA UEMURA

◎公演情報
2016年4月25日 ZEPP TOKYO
2016年4月26日 NAMBA HATCH

NAMBA HATCH SET LIST
01. Intro
02. Let It Happen
03. Mind Mischief
04. Why Won’t They Talk to Me?
05. It’s Noe Meant To Be
06. The Moment
07. Elephant
08. Yes I’m Changing
09. The Less I Know The Better
10. Eventually
11. Alter Ego
12. Oscilly
13. Why Won’t You Make Up Your Mind?
14. Apocalypse Dreams

15. Feels Like We Only Go Backwards
16. New Person, Same Old Mistake

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