2016/03/05
ビルボードチャートの構成要素に、ルックアップというものがある。これは、PCによるCD読み取り数のことで、グレースノート社のデータベースにアクセスした回数のこと。わかりやすくいえば、iTunesで読み込んで楽曲表示されたらカウントされるというものだ。つまり、ダウンロードやストリーミングではなく、フィジカルのCDを手にしている人の指標にもなるわけである。
今週Hot100で1位を獲得したのは、嵐の新曲「復活LOVE」(【表1】)。ダントツの強さを見せるジャニーズのなかでも、嵐は向かうところ敵なしといえる。しかし、ジャニーズ系はビルボードチャートのカウントに不利な点もある。ダウンロードやストリーミングは行っていないし、YouTubeに動画をアップすることもない。よって、純粋にCDの売上をメインに、ルックアップやラジオのオンエア回数やツイッターの指数が頼りとなる。なお、ツイッターでは3週連続1位という快挙を見せているのもさすが(水色のグラフ)。ルックアップは、この表では隠れてしまっているが、初登場1位。発売してすぐに手に取った熱心なファンが多いことがよくわかる。
嵐と同じく、先週リリースされたGReeeeNの新曲「夢」(【表2】)。Hot100では19位だが(青のグラフ)、ルックアップでは初登場で2位を記録している(オレンジの点)。売上やダウンロードも数も21位であるのに(紫のグラフ)、なぜルックアップだけが上位にいるのか。それは、レンタルでの回転率が高いというのが大きな理由だ。嵐のようにCDを発売日に買うコアなファンが膨大にいるジャニーズとは違い、GReeeeNは比較的グレーユーザーの割合が大きい。レンタル店で見かけて他のアイテムと一緒にレンタルしたというパターンが多いのだろう。実際、TSUTAYAのレンタルチャートを覗いてみると、1位が嵐で2位がGReeeeNとなっている。
なお、ルックアップの順位だけで見ると、3位がTOKIO「fragile」、4位がSuperfly「黒い雫」、5位がAKB48「唇にBe My Baby」。いずれも、Hot100とは大幅に順位が違っているのが面白い。チャートの秘密を知りたいなら、ぜひルックアップにも注目してもらいたい。text by 栗本斉
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