2016/02/18 18:17
2月17日 幕張メッセにてJVCケンウッド・ビクターエンタテインメント主催のフェス【ビクターロック祭り2016】が開催され、1万5000人のオーディエンスが強烈アクトの連続に熱狂の渦を巻き起こした。
今年で3回目の開催となった本公演、今年はBARK STAGEとROAR STAGEの2ステージでJVCケンウッド・ビクターエンタテインメント所属の全17組が出演(ヒステリックパニックは急病のためキャンセル)。会場には大きなビクター犬 ニッパー君や、ハートでデコレーションされた大きな鳥居が目立つ“えんむすび神社”に加え、ハイレゾ試聴ブースなども設けられ、室内フェスの想像を超えるエンターテイメント性に驚かされた。
ライブ当日は、暴風雨により会場最寄駅となる海浜幕張駅への電車ルートが遅延&運転見合わせで遮断され、多くのオーディエンスが肝を冷やしていたと思う。しかし、主催者の考慮によるイベントスタート時間の変更や、開演直前の電車運転再開に加え、TwitterなどのSNSにて、オーディエンス同士の会場までの別ルート確認や電車運転再開の情報共有など連携もあり、トップバッターのTHE BAWDIESが始まる頃には遅れていた観客が雪崩のように入場し会場を埋めていった。さらには、爽快なロックンロールでイベントスタートを飾ったTHE BAWDIESのライブが終了すると、暴風雨は止み、青空が顔を覗かせていた。
その後、本公演出場権を賭けたオーディション“ワン!チャン!!”でグランプリを獲得したヤバイTシャツ屋さん、準グランプリに輝いたkikiがROAR STAGEに登場。双方“爪痕を残してやる”と言うギラギラに輝いた闘志が感じられ、それに観客も応え手を上げ大きく盛り上がって見せた。一方、BARK STAGEでは、サンボマスターが登場。「安月給」コールで社員を労ったり「愛してる愛して欲しい」と会場を“愛”で埋めたりと、情熱や叙情、エモーショナルやロック……そんな言葉で言い表すことがくだらなくなるほどの全身全霊のパフォーマンスで、会場を鼓舞して行く。
“全力エンターテイメントガールズバンド”を冠し、電飾まみれの衣装でド派手に登場したGacharic Spinは、パフォーマーによる旗振りや、光る手袋でのパフォーマンスと、いつもと変わらぬド級のエンターテイメントを展開。デビューからビクター一色で育ってきたTHE BACK HORNは「その先へ」でライブスタートし、貫禄のステージを繰り広げていく。オーディエンスによる拳の暴風雨は止まず、その熱量はラスト曲「コバルトブルー」まで収まることは無く、まさに“熱狂”のライブとなった。そして、ROAR STAGEに登場したAwesome City Clubは、空気を一変し大人な雰囲気で代表曲「Lesson」「アウトサイダー」などを演奏し、心地よいファンクを聴かせてくれた。
割れんばかりの歓声と共に登場したのは、同イベント唯一の3年連続出演となったDragon Ash。日本のフェス史上最も多くの大トリを経験しているであろう彼らがつくり上げる40分間は、まさに狂喜乱舞。幾多の伝説を作り続けてきた攻撃的な音楽&パフォーマンスで、1万5000人を熱狂の渦に巻き込んだ。まだあどけない雰囲気が残る藤原さくらは、そのルックスからは想像し難いスモーキーな声で観客を包み込み、ロックなアクトが続く中に一欠のオアシスを作り上げた。
「遅延した電車から“稲穂”を持った人の集団が降りてくる」といった異様な光景を作り上げたのは、レキシ。「狩りから稲作へ」でライブスタートし、ユーモア全快のステージで観客を笑顔でいっぱいにした。go!go!vanillasは、持ち前のポジティブさでゴキゲンでハッピーな空間を作りあげ、その空気をDJやついいちろう(エレキコミック)が引き継ぎ、さらに大きな幸せな時間を産み出した。
終盤に登場したくるりは、「グッドモーニング」からライブをスタートさせ、5thアルバム『アンテナ』の1~5曲目を曲順をなぞり演奏。その後、『NHKみんなのうた』で話題の「かんがえがあるカンガルー」に加え、未発表&リリース予定も無いという暖かい楽曲「どれくらいの」を披露した。そして、ROAR STAGEにはビクター期待の星 SAKANAMONが登場。BARK STAGEでサカナクションが控えてることもあり「サカナの流れが作れてうれしい」と一言。さらに、フェスの大トリ以外では異例のアンコールもあり、力強いステージでオーディエンスを沸かせ、サカナクションに良バトンを渡した。
そして、BARK STAGEの大トリ サカナクションが登場。クラブミュージックとロックを見事に融合させたステージは、圧巻の一言。メンバーのパフォーマンスに加え舞台演出も相まって、幕張メッセを大型クラブフェスにも引けをとらないダンスホールに変化させた。とはいえ、根底にある“ロック”な一面も色濃くステージに反映されており、昨今流行のロック×クラブミュージックの頂点に君臨しているのはサカナクションだと身を持って証明して見せた。
10時間に及ぶ長丁場となった本イベントは、ROAR STAGEにてDJダイノジがラストに登場しエンディングへ。出演した全組がビクターへの愛を覗かせており、会場に居るスタッフ達も一丸となって“祭り”を創りあげようと奮闘。音楽を愛し、愛してほしいと言う想いが詰まったイベントに、幕張メッセに集まった全ての人間(+ビクター犬 ニッパー)が笑顔になれる1日となった。
取材&テキスト:内山直也
★BARK STAGE(くるり、サカナクション、THE BAWDIES、THE BACK HORN、サンボマスター、Dragon Ash、レキシ)
Photo by Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)
★ROAR STAGE
(Awesome City Club、Gacharic Spin、go!go!vanillas、SAKANAMON、DJダイノジ、DJやついいちろう(エレキコミック)、藤原さくら)
Photo by Yosuke Kamiyama(SOUND SHOOTER)
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