2016/01/14
世界最大手の音楽ストリーミング配信サービス、Spotifyが1月12日、クラウドソーシングによる音楽の収集と膨大な歌詞のホスティングで知られるサイト、Geniusとのパートナーシップを発表した。これにより歌詞にまつわるトリビアが再生中に出てくるなど、新しいリスニング体験ができるようになるという。
SpotifyにはGeniusによる新しいプレイリスト“Behind the Lyrics (Hip Hop)”(歌詞の裏側/ヒップホップ)と“Behind The Lyrics (Hits)”(歌詞の裏側/ヒット曲)が提供され、ユーザーは曲の再生中に歌詞の抜粋や注釈、アーティストによる話などを閲覧することができる。ミュージック・ビデオの合間に面白い情報が入るといった、VH1チャンネル(米ケーブルテレビ)の番組『Pop-Up Music Video』を彷彿させる同パートナーシップでは、最初にプッシャ・T、ティナーシェ、ディプロの3人が登場する。
自身のアルバム『King Push: Darkest Before Dawn』のために注釈を付けているプッシャ・Tは、「歌詞の一語一語が自分にとって意味のあるものだから、俺の最高の音楽の“歌詞の裏側”にみんなを案内するためにGeniusとSpotifyと手を組んだ。ファンたちにより深いリスニング体験をもたらし、ソングライターたちのレベルを引き上げる方法を一緒に見つけたのさ」とコメントしている。
2か月前から2件の著作権侵害訴訟で争っているSpotifyにとって、Geniusとの契約は希望をもたらすものだ。7,000万人のユーザーを誇る同サブスクリプション・サービスは12月23日のブログにて、著作権使用料を正確に管理すべく音楽出版データベースを構築する予定であることを明かしていた。
また、iPhoneの全Spotifyユーザー(iPhone 4を除く)が利用可能になる同機能と共に、より多くのユーザーの取り込みをねらうGeniusにとっても同契約は有益なものだ。
Geniusの共同創立者で社長のIlan Zechoryは米ビルボードに、「Geniusは、目を見張るような、楽しく、クセになる音楽的知識が詰まった楽曲たちの生ける博物館です。Spotifyと力を合わせ、興味深い曲の歌詞の裏側にユーザーを誘うことができるのを光栄に思います。発見がたくさんあり、Spotifyユーザーや物知りたちがこの幻想的な体験を楽しんでくれればと思います」と話している。
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