2015/12/30
ニュー・イヤー・パーティである【electrox】、そして9月に開催される【Ultra Japan】という2つの大型フェスがいずれも3年目に突入し、日本でのEDMカルチャーがいよいよ本格的な盛り上がりを見せるのではないか、と予想している2016年。1月9日に幕張メッセで開催予定の【electrox 2016】は、ヘッドライナーにアフロジャックを据え、既にタイムテーブルも発表されている。3ステージで計23組のアクトが出演を予定されているというところだ。
2015年ゴールデンウィークに初開催された【electrox BEACH Osaka】、並びに【electric ZOO Beach Tokyo】にも出演したイタリアのヴィナイや、オランダのR3hab(リハブ)といったトップDJも新年の【electrox 2016】で日本の地に帰還を果たす。いずれもEDMかくあるべし、という剛腕の盛り上げぶりに期待がかかるところ。また、この2組のスロットの間に挟まる形で出演するカシミア(Kshmr)にも注目しておきたい。リハブとのコラボチューンなども発表している米国のプロデューサーだが、彼は以前、ヒップ・ホップ/トラップ・デュオのThe Cataracsとして活躍した経歴の持ち主で、ルチアーナをゲストに迎えた「Big Dipper」を発表したり、セレーナ・ゴメスの「Slow Down」をプロデュースするといった成果を残している。
2015年、メジャーなヒップ・ホップ・シーンにおいてトラップのサウンドは幾つかのインパクトを残していたが、EDMシーンへの影響も少なくない。ビルボードのイヤー・エンド・チャート、ダンス/エレクトロニック・ソング部門では、1位にメジャー・レイザーの「リーン・オン」、2位にスクリレックス&ディプロ「Where Are U Now」と、米国産トラップ・チューンの影響下にある楽曲が上位に食い込んでいる。これまで、EDMの中核を担ってきたエレクトロ・ハウスやトランスはもともと欧州のダンス・シーンで盛り上がっていたサウンドだが、ヒップ・ホップ/トラップは米国発のダンス・サウンドとして、新たな潮流を生み出しているところなのである。
思い返せば、名だたるビッグネームが揃った3日間開催の【Ultra Japan 2015】において、ロックやトラップ、ダブステップを縦横無尽にミックスするスクリレックスのプレイは、破天荒な盛り上がりという点でズバ抜けていた。また、同日のメインステージに大抜擢という印象だったDJカーネイジも、ターンテーブリズム全開の野心的なヒップ・ホップ/トラップ攻めで【Ultra Japan】に新風を吹き込んでいた。こういったトレンドが、2016年にどんな成果を残してゆくのかも気掛かりである。
さらに2016年7月、ラスベガスの豪華絢爛なEDMパーティとして知られる【Electric Daisy Carnival】が、【EDC Japan】として初上陸を果たす予定。【Ultra Music Festival】、【Tomorrowland】と並んで、世界3大EDMフェスのひとつに数えられる大型イヴェントであるだけに、期待が高まる。2016年のEDMシーンは、これまで以上にチェックするべき事柄が増えそうだ。(Text:小池宏和)
◎2016年 EDM国内注目イベント
【electrox 2016】 2016年1月9日(土) 千葉・幕張メッセ
http://www.electrox.jp/2016/
【EDC Japan】 2016年7月
http://japan.electricdaisycarnival.com/
【ULTRA JAPAN 2016】 2016年9月17日(土)~19(月・祝) 東京・お台場ULTRA JAPAN特設会場
http://ultrajapan.jp/
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