2015/10/07 22:00
これまで3曲のTOP10ヒットを放ったラッパー、フェティ・ワップのデビュー・アルバム『フェティ・ワップ』が、No.1デビューを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
今年ブレイクしたアーティストの1人、フェティ・ワップの活躍は目覚ましく、デビュー曲「トラップ・クイーン」が最高位2位をマークし、2ndシングル「679」は今週さらにランクアップして、5位まで上昇中。3rdシングル「マイ・ウェイ」も、最高位7位をマークし、デビューから3曲連続でTOP10入りを果たしている。その3曲含む、自身のデビュー作『フェティ・ワップ』が、初動12枚を突破し、ドレイク&フューチャーのアルバム『ホワット・ア・タイム・トゥ・ビー・アライヴ』を抜いて、ラップ・チャート共に首位デビューを果たした。
本作が、高セールスをマークして、堂々首位デビューを果たしたのも、上記3曲のヒットが大きく貢献していて、今年からはじまった、単曲のデジタル・セールス(10曲ダウンロードでアルバム1枚分)、ストリーミング・ポイントの導入(1500回視聴でアルバム1枚)が、本作『フェティ・ワップ』にも大きく反映している。週間セールス、129,000枚のうち、アルバム単体の実売は75,000枚だというから、驚かされる。つまり、残り54,000枚分は、シングルの売り上げや、ストリーミング・ポイントで賄われているというわけだ。音楽を聴く方法自体、アルバム1枚を買って聴くという時代ではなくなったとはいえ、時代を直に反映したチャート編成には、当然異論もあるようだ。
一方で、単曲のデジタルセールスや、ストリーミング・ポイントを、ほとんどアルバム・セールスに反映させなかったのが、3位にデビューした、ドン・ヘンリーの『カス・カウンティ』。初動9万枚は、ほぼ実売だということで、アーティストによって、ここまでポイントの差が開いてしまうというのも、不思議な話ではある。しかし、動画視聴やiTunesなど、楽曲単体で購入される時代背景には、こういった編成は当然といえば当然で、ストリーミングなどが弱いアーティストは、ランキングを伸ばせないという事態も、認めざるを得ない。
カントリー・シンガー、ジョージ・ストレイトの29枚目となるスタジオアルバム『コールド・ビア・カンヴァセーション』は、86,000枚をマークして、4位に初登場。本作も、ドン・ヘンリー同様に、週間セールスはほぼ実売で、やはり購入層によって、こういった差が生じることが、チャート・アクションで明確になっている。1981年のデビューから、カントリーチャートでは21作のスタジオアルバムがNo,1を獲得、1983年の3rdアルバム『ライト・オア・ウロング』から、全作がTOP10入りしているというのは、すさまじい記録だ。
ジョージ・ストレイトに続いて、6位にデビューしたのも、カントリー界からの新星トーマス・レットの2ndアルバム『タングルド』。2013年にリリースしたデビュー盤『イット・ゴーズ・ライク・ディス』と同6位をマークし、カントリー・チャートでも、2曲目のTOP3入りを果たした。8位には、UKのエレクトロ・ポップ・バンド、チャーチズの2ndアルバム『エブリ・オープン・アイ』が初登場。アメリカでは初のTOP10入り、UKでは2作連続(初登場4位)TOP10入りとなった。
続いて9位には、ディスクロージャーの2ndアルバム『カラカル』が初登場。【グラミー賞】受賞で一気に飛躍した、サム・スミスとのコラボ曲「ラッチ」で彼らの注目も高まり、アメリカではデビュー作『セトル』の最高位36位から、本作では9位と大躍進を遂げている。10位も初登場作品。ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトによるプロジェクト、ザ・デッド・ウェザーによる通算3作目のアルバム『ドッジ・アンド・バーン』が、デビュー作から3作連続のTOP10入りを果たした。
Text: 本家 一成
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