2015/09/17 17:20
孤高のシンガーソングライター、エリオット・スミスのドキュメンタリー作品『エリオット・スミス / ヘヴン・アドアーズ・ユー ~ドキュメンタリー・オブ・エリオット・スミス』が、10月21日にDVDで日本リリースされる。
オルタナ・バンド、ヒートマイザーの一員として活動中の1994年にソロ・アルバム『ローマン・キャンドル』を発表し、地元ポートランドとその後に移り住んだニューヨークで大きな人気を獲得。1996年に映画『グッド・ウィル・ハンティング』に起用された「ミス・ミザリー」が【アカデミー賞】の楽曲賞にノミネートされ、一気に全米で注目を集めた。計5枚のソロ作を残したものの、2003年に急死。死後ますます人気が高まり、現在ではカリスマ的な存在のエリオット・スミス。
その彼の命日となる10月21日にDVDリリースされる『エリオット・スミス / ヘヴン・アドアーズ・ユー ~ドキュメンタリー・オブ・エリオット・スミス』。2014年5月にサンフランシスコ国際映画祭で初公開された今作は、エリオットのキャリアの始まりから2003年の死までを辿るもの。
エリオットが暮らしたポートランド、NY、LAなどの風景も織り交ぜながら、多くの未発表曲音源(アマチュア時代のデモ音源含む)、未発表画像や希少な映像のほか、エリオットの友人らのインタビュー映像を収録。エリオットの妹アシュリー・ウェルチ、彼を支え続けたジョアンナ・ボルム、LA時代の友人でプロデューサーのジョン・ブライオン、ラリー・クレイン、ヒートマイザーのニール・ガスト、『XO』プロデューサーのロブ・シュナッフや写真家のオータム・デ・ワイルドらも出演している。
作品は【アカデミー賞】ノミネートのステージで「ミス・ミザリー」を歌うシーンと2003年のエリオットの死が伝えられるシーンから始まる。その後、幼少期を過ごしたテキサス、音楽キャリアをスタートさせ、街のヒーローとなっていったポートランド時代へと移る。ニール・ガストと共に組んだバンド、ヒートマイザー時代は、当時のポートランド音楽シーンの模様が多数の証言や貴重な写真によって生き生きと伝えられている。
次第に音楽性の違いから内省的なソロ作品へと向かっていき、『ローマン・キャンドル』、『イーザー/オア』でソロ・シンガーソングライターとしての才能を開花させ、ニューヨークに移ったのちに、「ミス・ミザリー」で全米中に名を響き渡らせる。そして新作『XO』発表とそのワールド・ツアー、同時にドラッグへと依存していき、落ち着いた環境を取り戻すべくLAに移ってから突然の死去まで、三つの都市の風景とエリオットの心象風景が重なるような作りは、現実感ある “ドキュメンタリー”として迫ってくる。
ボーナス映像は、本編の内容をさらに追求した、1時間にも及ぶ貴重なテーマ別インタビュー集。オータム・デ・ワイルドによる2000年作『フィギュア8』のアルバム・ジャケット撮影秘話、エリオットがどのように曲を作っていくかが関係者によって語られる作詞作曲のプロセス、エリオットの作品のクオリティに驚く盟友ジョン・ブライオンの生々しい証言、 ビートルズのカヴァー「ビコーズ」が映画『アメリカン・ビューティー』のエンドロールに起用され、その記念披露パーティーでの抱腹絶倒するエピソードなど、貴重な内容となっている。
また、英文学教授が、イギリスのロマン主義の詩人ジョン・キーツ、パーシー・ビッシュ・シェリーを引き合いに出して文学的な側面からエリオットの歌詞を分析する「憂鬱のオード」、「エリオットの音楽と文学」、名曲「ワルツ♯2」の音楽的アイデアが語られる「ちょっとした遊び」、1994年の地元ポートランドのラジオ曲に出演したヒートマイザーのリラックスした姿が聞き取れる「ヒートマイザーのインタビュー」なども収録されている。
◎トレイラー
https://youtu.be/mTX6jjw00s0
◎『エリオット・スミス / ヘヴン・アドアーズ・ユー ~ドキュメンタリー・オブ・エリオット・スミス』チャプター
01. 1998年 / オスカー / フーズ・ザット・ガイ?
1998 / The Oscars / Who’s That Guy ?
02. テキサス
Texas
03. ポートランド、 リンカーン・ハイ・スクール
Portland, Lincoln High School
04. ポートランド・ミュージック・シーン1990s / ヒートマイザー
Portland Music Scene 1990s / Heatmiser
05. 「ローマン・キャンドル」 / ホーム・トゥ・オブリビオン
Roman Candle / Home To Oblivion
06. エリオット・スミス vs ヒートマイザー
Elliott Smith vs. Heatmiser
07. キャッツ・アウト・オブ・ザ・バッグ / 「イーザー/オア」 &ジャックポット
Cat’s Out of the Bag / Either/Or & Jackpot
08. ニュー・ヨーク・シティ / ピクチャーズ・メイド・アウト・オブ・ワーズ
New York City / Pictures Made Out Of Words
09. コナン、 ミス・ミズリー & 「エックス・オー」ツアー
Conan, Mis Misery & XO Tour
10. LA、 ラルゴ &「フィギュア8」
LA, Largo & Figure 8
11. ザ・ラスト・アワー
The Last Hour
12. フォーエヴァー・サイレント
Forever Silent
13. クレジット
Credits
ボーナス映像
―ヘヴン・アドアーズ・ユー / アーロン・エスピノーザ (2012年10月、 LA)
―エクステンデット・インタビューズ
『フィギュア8』の撮影 - オータム・デ・ワイルド
Autumn de Wilde ? Shooting Figure 8
(オータム・デ・ワイルド)
作詞作曲のプロセス
the Song Writing Process
(ラリー・クレイン、ジェームズ・クラーク、ショーン・クローガン、ジョアンナ・ボーナム、ピート・クレブス、ドリエン・ガリー、アシュリー・ウェルチ)
ジョン・ブライオンとの出会い
Elliott Meets Jon Brion
(マーク・フラナガン、ジョン・ブライオン、アシュリー・ウェルチ、アーロン・エスピノーザ)
アメリカン・ビューティー
American Beauty
(クリス・ドルダス、アリッサ・シーゲル、マーク・フラナガン、ジョン・ブライオン)
「憂鬱のオード」エリオットの音楽と文学
Ode On Melancholy the music of Elliott Smith in literature
(フォレスト・トレス・パイル 英文学教授)
ピアノ・レッスン
The Piano Lesson
(アーロン・エスピノーザ)
ちょっとした遊び
These Little Things
(ロブ・シュナッフ、アシュリー・ウェルチ、ジェームズ・クラーク)
ヒートマイザーのインタビュー ※1994年ポートランドのラジオ局にて
Heatmiser Interview
(エリオット・スミス、ニール・ガスト、トニー・ラッシュ、ブラント・ピーターソン)
トゥモロー・トゥモロー
Tomorrow Tomorrow
(ジェームズ・クラーク、ネイサン・ジュニア、コリー・デュブロア、ロブ・シュナッフ)
エリオットの影響
Elliott’s Influence
(クリス・ドルダス)
◎リリース情報
『エリオット・スミス / ヘヴン・アドアーズ・ユー ~ドキュメンタリー・オブ・エリオット・スミス』
4,000円(plus tax)
収録時間 約165分(本編約105分 / ボーナス映像約60分)
日本語字幕付き
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