2015/09/11 18:50
9月12日より日本公演を行う英国ロイヤル・オペラの開幕記者会見が行われ、アントニオ・パッパーノ音楽監督やリュドミラ・モナスティルスカ、イルデブランド・ダルカンジェロら主要キャストらが登壇した。
2010年以来の来日となった英国ロイヤル・オペラの今年の演目は、ヴェルディ『マクベス』とモーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』だ。まず、パッパーノ音楽監督は「私達にとって長い歴史をもった作品である『マクベス』と、比較的新しい『ドン・ジョヴァンニ』その両方のコンビネーションを楽しんでいただければ」と挨拶した。
9月12日より開幕する『マクベス』は、ヴェルディがまだ34歳の時にシェイクスピアの戯曲をオペラ化した作品。妻と共謀して国王を暗殺し王位に就いたマクベスが、魔女の言葉に惑わされ転落していく様を描く。今回、マクベス役を演じるサイモン・キーンリサイドは「この作品には、多くのプロダクションが存在するように、多くのテーマが含まれている。全てを伝えようとせず焦点を絞って演じることが大事だと考えている」と述べた。また、黒澤明監督が『マクベス』を映画化した『蜘蛛巣城』を、10代の頃に見て非常に感銘を受けたというキーンリサイドは、「黒澤監督が愛してやまなかったシェイクスピア。そんな作品を日本の皆さんの前で演じられることを嬉しく思う」と述べた。
また、9月13日に開幕する『ドン・ジョヴァンニ』は、見境なく女性を口説き落とす主人公ドン・ジョヴァンニが、最後には天罰を受けるという勧善懲悪劇。プロジェクション・マッピングを使った演出によって、複雑に絡み合ったそれぞれのキャラクターの心の揺れを表現する。演出を務めたカスパー・ホルテンは「今回、それぞれのキャラクターの核に迫る演出を施すことができたと思う。ドン・ジョヴァンニが最も恐れていたのは何かと考えた時、私は地獄の炎ではなく、完全な孤独だったのではないかと思った。全てのものを望んだ人間が、最後には何も得ないかもしれないということを、音楽を通じて、ドン・ジョヴァンニとお客様に会話していただきたい」と述べた。また、川端康成や三島由紀夫、さらにはトトロまで日本の文化が好きだというドン・オッターヴィオ役のローランド・ヴィラゾンは「赤とんぼ」の歌を日本語で披露し、会場を沸かせた。
◎公演概要【英国ロイヤル・オペラ 2015年日本公演】
ジュゼッペ・ヴェルディ『マクベス』
会場:東京文化会館
日程:9月12日(土)、15日(火)、18日(金)、21日(月・祝)
https://youtu.be/6gsYi6WcRTo
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』
会場:NHKホール
日程:9月13日(日)、17日(木)、20日(日)
https://youtu.be/uVLJE5jMYEI
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』
会場:兵庫県芸術文化センター
日程:9月23日(水・祝)
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